新音楽レーベルコミュニティA.S.A.Bが一夜限りのパーティーを開催、土岐麻子、大橋トリオ、AmPm、SIRUPらが登場
6月12日、天王洲運河に浮かぶ船上スペース「T-LOTUS M」にて、新音楽レーベルA.S.A.B(エイサブ)のオープニングパーティー「A.S.A.B the impress」が開催された。
招待された関係者のみで行われたこの特別パーティーに、所属アーティストであるAmPm、みゆな、SIRUP、THE CHARM PARK、土岐麻子、大橋トリオが一堂に会しライブを披露した。
A.S.A.Bは、今年4月に発足されたミュージックコミュニティーレーベル。音楽ビジネスが変革期を迎えている今、従来のレーベルビジネスだけでなく、外部の様々な分野のパートナーとコミュニティを形成しながら、アーティストエージェント、作家マネージメント、ライブ/フェス制作、オウンドメディア開発などを通して、音楽カルチャーをグローバルに展開していくことを目的として始動した。
A.S.A.Bは「A Sound As BLUE」の略称で、A=「Aoyama Area」、S=「Sound(健全で完全なもの)」、A=「Alternative」、B=「Blue chip、Blue ocean」の意味が込められている。
この日、パーティー空間の”聴覚”をプロデュースしたのは、AmPm(アムパム)。2017年には音楽配信サービス「Spotify」にて世界で一番再生された日本人アーティストの地位を獲得し、AfrojackやNicky Romeoなど世界的アーティストのリミックスも手掛けている覆面DJユニット。
「夢はホテルを作ること」と、音楽を中心としながらもカルチャーとしてコミュニティの形成を目指して活動していることを伝えた。
また、ライヴ空間の”嗅覚”プロデュースとして、日本発、ヨーロッパや中国にも展開を広げる新進気鋭のワールド・フレグランスブランド「Edit(h)(エディット)」。
”味覚”プロデュースとして、代官山をリードするカルチャースペースCollective Music & Cafe Bar ”Suppage”が参加するなど、クロスカルチャーでパーティーに彩りを添えた。
そして、日没が近づき、いよいよ本編の船上ライヴがスタート。マルチリード奏者 武嶋聡率いるブラスセクションによるファンファーレで華やかに幕をあけたライブの一番手に登場したのは、宮崎県在住、17歳の女性シンガー、みゆな。
テレビアニメ『FAIRY TAIL ファイナルシリーズ』のエンディングテーマに起用されている最新曲「僕と君のララバイ」は、YouTubeにて公開したミュージックビデオが世界中から注目され、僅か1か月で120万回以上の再生回数を叩き出した。今夏にはフジロックフェスティバルへの切符を手にした注目の新人。
続いて登場したのは、SIRUP(シラップ)。R&Bやソウル、ヒップホップを行き来する変幻自在なヴォーカルスタイルと個性的な詞の世界観で、いま急速に多くのリスナーを惹きつけているトレンドリーダー。
Honda 「VEZEL TOURING」のTV CM曲「Do Well」含む3曲を披露し、会場をクラブフロアに染め上げオーディエンスの身体を揺らした。
L.A、ボストンをベースに音楽素養を磨いてきた新世代ポップマエストロTHE CHARM PARKは、アコースティックギター1本を抱えて登場。ルーパーに緻密なギターフレーズやパーカッション奏法を駆使して音を重ねて作られた1人多重奏に、エモーショナルな歌声が響いた。
この日司会を務めていた藤田拓己は、THE CHARM PARKのアメリカ・日本での経験と、音楽的才気に可能性の大きさを語っていた。
次のステージは、土岐麻子。昨今のシティ・ポップ ”ブーム”とは一線を画す、確かな実績と類稀なる声が生み出す空気感は、来場したオーディエンスを柔らかくも瞬時に虜にしてしまう。
「A.S.A.Bには普段から聴いてるアーティストもいるし、シンパシーを感じるアーティストばかり」と話し、友達の結婚式のために書いた曲という最新曲「picture frame」など2曲を披露。
最後に登場したのは大橋トリオ。活動12周年、日本のポップシーンにおいて常に時代を自身のフィルターを通して切り取り、音楽カルチャーに変換してきた希代の音楽家。
マルチプレイヤーの彼がこの日選んだ楽器はアコースティックギター。さきほどのTHE CHARM PARKも再登場し、完璧に呼吸のあったギターを合わせると、美しく温順なハーモニーから、骨太でタイトなグルーヴまで、たった3曲でドラマを作り上げ、盛大な拍手を浴びて幕を閉じた。
photo:上飯坂一
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