SKY-HI、全国ツアー初日に新曲「One Night Boogie」披露
SKY-HIが、全国ツアー「SKY-HI TOUR 2018 -Marble the World-」初日の3月1日埼玉・大宮ソニックシティホール 大ホールで新曲「One Night Boogie」を披露した。
埼玉県・大宮ソニックシティホール 大ホールで初日を迎えた「SKY-HI TOUR 2018 -Marble the World-」。昨年は初の日本武道館公演を大成功させ、上海、台湾、香港、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリでの海外公演も行ない、今やヒップホップシーンのみならず、幅広い層からの熱い注目を集めるようになっているSKY-HIは、ここ数年、冬の終わり頃から春にかけてホールツアー/秋から冬にかけてライブハウスツアーを回るのが恒例となっている。
2018年も、今のところこの流れ通りになっているわけだが、今回注目すべきなのは、「新作アルバムを引っ提げたツアー」ではないという点だろう。一体どのような曲が披露されるのか、会場に集まったFLYERS(SKY-HIのファンの愛称)のウキウキした表情は、何が起こるかわからないライブへの期待で胸が高鳴っている様子だった。
ギター、ベース、ドラム、キーボード、DJ、ホーンセクション、コーラスによるバンド+4人のダンサーによって構成されているお馴染みの頼もしい仲間たち「THE SUPER FLYERS」が登場して、待ちわびていたFLYERSの間から起こった大きな歓声。
そして、「始めようか!」という声が鳴り響いて、ついにSKY-HIが登場。オープニングを飾ったのは「BIG PARADE」だった。ホーンセクションとダンサーを率いてステージ上をパレードし、キレの良いダンスも披露しながら歌うSKY-HIの姿が実に活き活きしている。会場全体が一気に華やかなムード、熱い昂揚感に包まれたオープニングであった。
その後も様々な曲が一気に届けられていったが、お馴染みの曲にも新鮮なアレンジが施されていて、ダンサーたちと共に繰り広げるダンスパフォーマンスが豊かな色合いの物語を映し出していく様に息を呑まされた。
SKY-HIのラップ、歌、ダンスで魅了するだけでなく、チームが一丸となってワクワクできる空間を生み出していき、まるでミュージカルのようだったと言っても過言でないだろう。SKY-HIのライブを何度も観たことがある熱心なFLYERSも、彼のライブが最早「ラッパーのライブ」という粋を既に遥かに超えて、「極上のエンタテインメント」と化していると実感したに違いない。
エネルギッシュなダンスチューン、高速ラップ、胸にグッと迫るバラードなど、幅広いナンバーが、インターバルをあまり挟むことなく、まるで1つの物語を描くように構成されていたのも、このライブの刺激的な点だった。
そして、そんな曲たちの合間に、時折、発せられたメッセージが、観客の心を熱く鼓舞していたのも印象深い。「逃げることだって戦うことの選択肢の1つだと思う。俺はお前のその選択を心から応援してやる!」と力強く宣言した後、「改めて言わせてくれ。君の生きる意味も価値も、この音楽で証明しよう」と言って歌い始めた「フリージア」が、とても感動的だった。
終盤ではライブ初日に配信が開始された新曲「One Night Boogie」が披露され、合間にはマイケル・ジャクソン、アース・ウインド&ファイアーの名曲のショートバージョンなどを盛り込み、ライブならではの臨場感に溢れたものに仕上げていたのも、とても楽しかった。
そして、SKY-HIがピアノを弾きながら歌った「クロノグラフ」や「アイリスライト」など、4月からスタートするテレビアニメ「ガンダムビルドダイバーズ」のオープニングテーマソングとして書き下ろされた「Diver’s High」、昨年10月にリリースされた配信限定の企画アルバムに収録されていた「Marble」、大合唱を誘った代表曲の数々。片時も目を離せない場面が続き、爽やかな熱気と共にライブはエンディングを迎えた。
これまでに世に送り出してきた様々な楽曲と最新のナンバーにフレッシュな息吹を注ぎ込んでいたこのライブは、SKY-HIのソロアーティストとしての足跡を辿るものとなっていたと同時に、到達している現在地点、進もうとしている未来も立体的に示すものとなっていた。
ある意味「ベストアルバム」的でもあった濃厚な内容は、初めて彼のライブに足を運んだ観客も魅了したに違いない。4月28日・京都府・ロームシアター京都メインホールまで続くこのツアーによって、ますます彼のファンの輪が全国に広がっていくはずだ。