H ZETTRIO全国ホールツアー開幕、新曲「Birds Fly」初披露
J-JAZZシーンを牽引し続けるH ZETTRIOが下半期、年末まで続く全国25カ所を回るホールツアー「H ZETTRIO TOUR 2019 -気分上々-」をスタートさせた。
ツアー2日目、7月13日東京・町田市民ホール公演では、梅雨の空気を吹き飛ばすかのように満員御礼。
会場にはペンライトを振りながら歩くH ZETTRIOと同じように鼻を塗った親子連れや、音楽通と思しき年配の男性、幅広い年齢層の観客が駆けつけた。
大きな期待が会場を埋め尽くす中、テーマカラーをあしらった3本の巨大なバナーが観客を迎える。
大歓声の中、客席の灯りが落とされると、メンバー3人が登場。当日のチラシを顔の前にさげ、さっそくおどけて笑いをとるH ZETT M。
しかし、一度ピアノに手を触れると空気は一変、凄まじい指さばきから繰り出される音が一気に観客を引き込んでいく。
1stアルバム収録の「PARTY TIME」から始まり、「Zディスカバリー」「幻想ノスタルジック」。疾走感とキャッチーなメロディー、彼らの魅力が詰まった楽曲が続き、出だしから観客は大盛り上がり。
MCを挟んで「Trio, Trio, Trio!!!」ではお馴染みのショルキーをボコーダーとして使用。スタンドマイクで歌っているかのような姿が非常に新鮮だ。時折生声での「町田!」を挟み、笑いを取りながら、さりげなくボコーダーの仕組みを伝えていくという彼独特のコミュニケーションで観客との距離を縮めていく。
そして「SEVEN」から「Relax Time」へ。観客たちと指を鳴らしながら甘いメロディーを奏でていく。グランドピアノとキーボードを自在に操り、ドラムとベースがその現場で音楽の幅をさらに広げていく。3人のアンサンブルがその場で進化していくのが彼らのライブの醍醐味だ。
そして、「Lovely」「Journey」ではPV映像と共に演奏。今年に入って毎月新曲をリリースし、PVも続々と公開、そのバラエティ豊かな映像作品も見どころの一つ。これが生の演奏と共に届けられる、贅沢な時間となった。
そして「落陽」とスローな楽曲を挟み、なんとH ZETT Mのソロタイム。これまでH ZETTRIOのライブではあまり見られなかった演出だ。積み重ねられていく音の数が尋常ではない。その指さばきに観客からは大歓声。そしてそのまま「炎のランニング」へ。ここで衣装と同じイメージのカラフルな水彩画のバックドロップが登場。ステージはまたもその様相を変える。
そして、圧巻のH ZETT NIREによるベースソロ。弓も指も使い、ウッドベースの響きをたっぷりと観客に届け、そこから9月1日にリリースがアナウンスされている「NIRE The Bassman」に突入。リリース前だが、4月末の大阪城音楽堂で初披露されて以来ファンの間では大きな話題となっている楽曲だ。クールなベースフレーズに観客は大盛り上がり。ライブでしか聴けない新曲に会場の熱が急上昇していく。
そして「Virtual World(Jazz)」からH ZETT KOUのドラムソロ。無限とも思える彼の豊富なドラムワークの引き出しに、観客は息を呑む。今回はメンバーそれぞれのソロタイムが設けられ、3人それぞれの魅力が全開となって伝わる今回のツアー、見どころ満載で時間があっという間に過ぎていく。
最後は立て続けに「Next Step」から「Beautiful Flight」「Mysterious Superheroes」で本編が終了。予想以上の進化を遂げたH ZETTRIOに割れんばかりの歓声が送られる。そのアンコールに応え、再び登場したメンバー。「私は知っている、私は知っているよ、、、皆さんのお尻が痛くなってきたことを」とまたもやH ZETT M独特のMCに観客は総立ちとなり、まさにライブハウスのような熱気に。
そして7月1日に配信されたばかりの新曲「Birds Fly」を初披露。今冬公開のアニメ映画のメインテーマとして発表された激しく美しい話題の楽曲と映し出されたライブ映像に観客は大興奮。観客は思い思いに体を揺らし、これまで以上の一体感が会場を包む。
そして最後はツアータイトルでもある「気分上々 – Woo – he!! -」。再び登場したバックドロップにはなんと「H ZETTRIO Feel So Good」の文字が光り、浮かび上がる。何段階にも仕組まれた演出、最後の最後までエンターテインメントに溢れたステージは幕を閉じた。
随所に演出があり、濃い内容で届けられた本公演だが、ツアー内容はさらに進化していくとのこと。一体H ZETTRIOはどこまで進化していくのか。