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筋少ライブ大盛況、メジャーデビュー30周年記念映像作品&アナログ盤4タイトルなど続々発売

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3月21日の春分の日、筋肉少女帯が東京・恵比寿LIQUIDROOMにて「春の筋肉少女帯ワンマン フルライブ!! GO! 筋肉少女帯!!」と銘打たれたライブで超満員の観客を魅了した。

この日の東京は真冬に戻ったかのような寒さであったが、ソールドアウトの会場に駆けつけたファンたちは、思い思いの声援をステージに飛ばし、場内に異様な熱気を生んでいた。SE「くるくる少女」が大音量で響き渡り、大槻ケンヂ(Vo)、橘高文彦(G)、本城聡章(G)、内田雄一郎(B)の4人がステージに現れると、待ってましたと言わんばかりに、フロアの空気が膨張する。

1曲目の「モーレツア太郎」が景気よく炸裂すると、さっそくオーディエンスは一つに束ねられた。続いて放たれたのは「混ぜるな危険」。テンションの高い楽曲の波状攻撃に、観衆の気分は上昇する一方だ。

「6月21日に筋少はメジャーデビュー30周年を迎えるぜ!今夜はデビュー29年ファイナルライブだ!」と大槻が煽れば、オーディエンスはますます狂喜乱舞。「レジテロの夢」「僕の歌を総て君にやる」「中学生からやり直せ!」といった久々の楽曲が繰り出されたブロックは見応え十分。時にエモーショナルに、またある時にはミステリアスに奏でられる楽曲の完成度の高さを痛感するひと時となった。

サポートメンバーの三柴理(Pf)と長谷川浩二(Dr)を交えた計6名の名手たちは、ライブの緩急というものを知り尽くしている。活字では再現不可能な、筋少ならではの爆笑MCの数々は今宵も健在。適度にほぐれたオーディエンスの心を「イワンのばか」で再度点火するさまなどは見事である。

「地獄のアロハ」で橘高・本城・内田の3名が味のあるメイン・ヴォーカルを披露したかと思えば、大槻が歌謡ショーのごとき身のこなしで「愛の讃歌」を歌唱し、観客を次々と微笑ませていく。

その後、聴く者の心の琴線に触れるような「ベティーブルーって呼んでよね」、大槻のかき鳴らすギターと楽器隊の手練れの技術を味わえるインストゥルメンタル「航海の日」、不思議な情緒に満ちた「パノラマ島へ帰る」とレア曲が続いた箇所も心奪われる時間となった。

4人のメンバーのラップ的掛け合いが楽しい「ワインライダー・フォーエバー」を合図に本編は終盤へ突入。「ロシアンルーレット・マイライフ」「釈迦」といったフックに富んだ楽曲で熱気を巧みにコントロールし、最後は名曲「機械」で情感たっぷりに締め括るという構成に唸った。

まだまだ筋少のパフォーマンスに酔い痴れたい観客の大歓声を受けて、アンコールが披露される。超高速ナンバー「恋の蜜蜂飛行」が恵比寿にヘドバンの嵐を生み出すと、ラストは現時点での最新アルバム「Future!」に収められた新たなアンセム「ディオネア・フューチャー」が妖しく華やかに春の夜を彩った。

「6月21日から、筋少はますますカルト化していくぜ!」と自信たっぷりに叫んでいた大槻の表情が印象深い。終わってみれば、あらゆる時代に名曲を作ってきた筋少の豊かな音楽性を物語るセットリスト。これだけ多様な楽曲を聴いた後にも、まだまだあの曲この曲が聴きたいと思わせるところが秀逸である。彼らの底抜けの実力を見た一夜だった。

なお、この日、筋少ファンにとって嬉しいニュースがいくつも告知された。すでに発表されているように、彼らのデビュー日である6月21日には、東京・Zepp DiverCity TOKYOで「筋肉少女帯デビュー30周年記念日スーパースペシャル・突入!」と題されたライブが開催される。このライブで30周年イヤーの幕開けとなるので、お見逃しなく。

また、その前日の6月20日には、メジャーデビュー30周年を記念した作品のリリースが複数予定されている。

【その1】として、2017年5月20日に東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催の「筋少シングル盤大戦!」の模様を収めたBlu-ray/DVD「筋少シングル盤大戦対SP映像大戦」が必見だ。こちらはメンバーによるオーディオコメンタリーを収録など、豪華な特典映像の数々にも注目したい。

【その2】として、徳間ジャパンから発売された「Future!」「おまけのいちにち(闘いの日々)」「THE SHOW MUST GO ON」「公式セルフカバーベスト 4半世紀」の4タイトルがLPアナログ盤にて再リリースされる。こちらはタワーレコード(オンラインを含む)限定発売となっているため、筋少ファンは是非とも入手しておきたい。

【その3】として、1994年から1997年にリリースされた「レティクル座妄想」「ステーシーの美術」「キラキラと輝くもの」「最後の聖戦」の4タイトルがメンバー監修による2018年デジタルリマスター(SHM-CD仕様)で再発される。未発表DEMO音源などのボーナストラックを収録したデラックス・エディションで蘇るこれらの作品も要チェックだ。

更には、「science fiction double feature〜筋肉少女帯 Live & PV-clips〜」(オリジナル1998年3月発売 VHS)のDVDでの再発も決定している。これらのアイテムはユニバーサルミュージックより再発となる。

味わえば味わうほど元気が出てくるのが、筋肉少女帯の最大の魅力だ。これから始まる30周年イヤーの様々な名場面をしっかりと目に焼き付けたい。彼らの未来に期待は膨らむばかりだ。

TEXT BY 志村つくね
PHOTO BY コザイリサ

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