清塚信也、日本人男性クラシック・ピアニストとしては史上初となる武道館単独公演が大盛況
©Ryota Mori
クラシック・ピアノ界の貴公子・清塚信也の「清塚信也KENBANまつり」が8月16日に東京・日本武道館で開催された。
本公演は、日本人男性クラシック・ピアニストとしては史上初の武道館公演で開催前から大きな話題となっていたもので、当日は熱狂的なファンの他にテレビやラジオなどで清塚を知った約7000名の観客によって埋め尽くされ、18時に開演した。
ステージの中央に置かれた1台のグランドピアノの後ろにもう1台のグランドピアノ。そしてそれを扇状に囲むように、8台のグランドピアノ、2台のアップライトピアノ、合計12台のピアノをステージに設置。
スポットライトに照らされ、にこやかに登場した清塚信也は、1曲ごとに移動しながら、ステージ上の1台1台のピアノとの対話を楽しむように、パッヘルベルの「カノン」、J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」、ベートーヴェンのソナタ「月光」「悲愴」「熱情」などクラシックの有名曲を立て続けに演奏。
“ラグタイムの王様”スコット・ジョップリンの「ジ・エンターテイナー」に続いて、締めくくりには偉大な作曲家ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」「サマー・タイム」「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」などと言ったクラシック、ジャズの名曲のメドレーで観客を魅了した。
続けて、春夏秋冬それぞれをイメージし選曲した松任谷由実「春よ、来い」、久石譲の「SUMMER」、坂本龍一「戦場のメリークリスマス」など、四季の移ろい、色彩をピアノで表現した「Four Seasons Medley」を披露。
さらに、スペシャル・ゲストとしてヴァイオリニストのNAOTOが登場。清塚とNAOTOの共作で、MBSお天気部で春のテーマ曲となった「ハレナハレ feat. NAOTO」を含む3曲をパフォーマンスした。
さらに、清塚が10年ほど前から構想を温め、今年7月にリリースしたミニ・アルバム「SEEDING」で結成されたオリジナル・バンド・メンバーが登場。清塚が敬愛するベートーヴェンをテーマとした「Dearest “B”」を含む計5曲を初披露。大きな拍手に包まれた。中でも、バンド・メンバーの紹介が入る楽曲「Members」では、人気YouTuberのTEAM-2BRO.がナレーションで登場し、会場をおおいに沸かせた。
フィナーレは、ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」をアレンジし、11台のピアノを中心としたオーケストラで披露。清塚が敬愛し、来年2020年に生誕250周年を迎える作曲家ベートーヴェンの“最後の交響曲”である同作品に新たな息吹を吹き込んだ。
そして、アンコールでは、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルのバレエ音楽の名作「ボレロ」を、本公演の出演者全員が登場しパフォーマンス。圧巻の演奏に、客席からは惜しみない拍手が送られ、約3時間40分のステージを締めくくった。