木村カエラ、初の描きおろし絵本『ねむとココロ』 イベントレポート
2018年5月6日、楽天クリムゾンハウスにて、 歌手の木村カエラが絵本『ねむとココロ』の発売を記念して、 楽天ブックス限定イベントを行った。
4月22日に発売した同作品は、初の描きおろし絵本。この日はトークショーとサイン会を行い、絵本の製作秘話や、絵本製作に影響を与えたお気に入りの作品も紹介。また子供たちに向け即興で童謡を披露するなど、和やかな会となった。
また会場の楽天クリムゾンハウスでは、5日と6日の2日間にわたって『ねむとココロ』ポスター展を開催。さまざまな『ねむとココロ』が楽しめるコンテンツを実施し、両日とも多くの来場者で賑わった。
『ねむとココロ』ポスター展の会場では、物語のベースとなった曲「BOX」がかけられ、ストーリーに沿ってポスターを展示。限定で絵本のイラストを基にしたデジタルサイネージも上映された。
■『ねむとココロ』は、自分のすべて
『ねむとココロ』は、モヤモヤした気持ちを抱える男の子・ねむがココロと出会い、本当の自分を取り戻していく物語。ストーリーはアルバム『PUNKY』に収録されている「BOX」がもとになっている。
「製作がスタートした昨年の4月ごろ、まわりの子供たちが新しい季節にとまどいながらも、生きている姿を目の当たりにしました。そんなとき、自分の気持ちに正直でいてほしいという気持ちで書いたんです」
「歌詞を書く時は、頭に浮かんだ世界を言葉でしか表現できないもどかしさがあったりするんです。でも絵本は、絵と言葉があってすべて自分の頭の中の世界を表現できてとても幸せでした」
「構想に約1年、描き始めてから2週間くらいで完成。誰かが喜んでくれるかなって気持ちで描いてたら止まらなくて。デビュー当時を思い出しながら一心不乱に描きました」
続いては好きな絵本の話に。数あるなかでも、『新ウォーリーのふしぎなたび』は絵本作りに影響を与えた一冊だという。
「ウォーリーで埋め尽くされたページに衝撃を受けたんです。『ねむとココロ』の中でねむが探し物をする“リボンの森”は、ここからイメージしたもの。リボーン(再生、復活)ともかけていて、“失った自分を取り戻すための森”って意味があります」
「小さいころは両親が買ってきてくれた本を繰り返し読んでいました。今でもその時に読んでいたものを開くと、天気や場所とか、その時の情景が蘇ります。『オオカミがとぶひ』も好きな一冊。ミロコマチコさんの、動物が呼吸をしているような絵がすごく好き。天気をいろんな動物に表していて、くじゃくで星を表現したり、発想がめちゃくちゃおもしろい」
さらに絵本の発売を記念して、『ねむとココロ』LINEスタンプもリリース。絵本に登場する5個の絵に加え、11個の絵を描きおろした。
「自分でも使いまくっています(笑)。リリース後、こんなスタンプもあったらいいのに!とまた描きたい欲が沸いてきています」
「LINEスタンプを使うたび、恥ずかしいんだけど嬉しくて。時間があったらまた作ってみようかな」
「この絵本を描き終わった時に、“言霊”という言葉が浮かびました。自分のやりたいことや気持ちを声にすることは、体を動かす力になるんですよね。だから生きるって難しいけれど、変わりたい!とか何かを動かしたいって思った時には、声に出すことが一つの方法なんじゃないかと。この本に込めたそんなメッセージが、みなさんが悩んだときの支えになったらいいなと思います」
トークショー終了後はサイン会へ。この日は大人から子供まで、たくさんの方が来場。終始楽しそうなカエラさんの姿が印象的だった。
イベント終了後、改めてカエラさんに話を聞いた。
「今日はお子さんもいっぱいいて、いつものトークショーとは違う雰囲気でしたね!」とカエラさん。
「ひとりひとりとお話できて、とても楽しくて、より思いが伝わってくるし、私も頑張らなきゃ!と。そして自分がパワーを与えることができる存在なら、しっかりやらなきゃなって気持ちになりました」
絵本の発売に際し、SNSには全国からたくさんの投稿が。
「インスタグラムでタグ付けされている写真は自分のもとに届くので、見ていて本当に嬉しい。幸せになってほしいと描いたものが広がっていると、もっと夢をみようって、私自身も次に向かう勇気をもらえます。ギフトとして選んでくれる方が多いのも嬉しいですね」と語った。