THE YELLOW MONKEYが熊本でツアーファイナル、全4セットリストのプレイリスト公開&アルバム「9999」完結版の発売も
4月17日に発売した19年ぶり9枚目のオリジナル・アルバム「9999」を提げた、全国アリーナツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」が、9月22日、熊本・グランメッセ熊本にてツアーファイナルを迎えた。
4月27日に静岡エコパアリーナから始まったこのツアーであるが、全国15ヶ所、全27公演、20万人を動員した。
バンドにとっても初の試みとなったトランプのマーク(♠♥♣♦)のイメージごとに、4パターンの異なるセットリストが組まれたことでも話題となった今回のツアー。多くのファンが、記念すべきツアーファイナルを目撃しようと会場に駆けつけた。
開演時間になると、このツアーではお馴染みとなったSE「ボナペティ」が流れ始め、会場は手拍子と歓声に包まれた。EMMAにスポットがあたると、イントロのギターが会場に鳴り響く。アルバム「9999」の1曲目に収録されている「この恋のかけら」から本編がスタートした。
次なる曲は「天道虫」。観客を煽るかのような真っ赤な照明に会場が包まれ、吉井の真っ赤な上下のスーツも、より映えていた。吉井が挑発的に観客を煽ると、会場に集まった約6500人のファンの拳が高く上がる。勢いそのままに「パール」が始まる。♠は攻撃的な楽曲で組んだセットリストだそうだ。まさに「攻撃的」な楽曲で攻め続ける。
「GRATEFUL SPOONFUL TOUR最終日です!」と会場を盛り上げつつ、最終日に足を運んでくれた観客に感謝の気持ちを伝えた。
印象的なベースのリフが鳴り響き、「9999」の中から、「Love Homme」をパフォーマンス。
「サイキックNo.9」「Breaking The Hide」、新旧織り交ぜたセットリストは今回のアリーナツアーの見どころでもある。
曲が終わり、息つく暇もなく攻撃的な楽曲はまだまだ続く。メンバーのそれぞれの名前を呼ぶ歓声も、鳴り止むことがない。
再集結後にTHE YELLOW MONKEYの存在を知らしめた楽曲の1つでもある「砂の塔」の特徴的なイントロが鳴り響くと、吉井は床に座り込み感情的に歌い上げる。そしてファンの中でも人気の高い楽曲、「Tactics」では、会場全体を巻き込むコール&レスポンスで会場のボルテージが上がる。アウトロでは吉井とEMMAが寄り添い、2人で並んでギターを弾く姿が非常に印象的であった。
TBS系の報道番組「NEWS23」のエンディングテーマ「Changes Far Away」はVRの映像も幻想的に、そのまま「JAM」へと続いて行く。「JAM」のイントロが鳴った瞬間、拍手が沸き起こる。観客が一体となって歌い、その歌声が会場全体を包み込んでいた。
そして、「Changes Far Away」「JAM」の2曲の余韻に浸っていたかと思うと、ここからさらなる”攻撃的”なロックナンバーが続く。アルバム「9999」の中でも、人気の高い楽曲へと成長した「Balloon Balloon」。ドラムとベースの重低音から始まる「パンチドランカー」。そして「ROCK STAR」。吉井、EMMA、HESSEYが会場を縦横無尽に動き回り、会場のテンションもさらにエスカレートしていく。そして、再集結後に発表された楽曲、「ALRIGHT」が掻き鳴らされ「毎日が奇跡の連続!!」と叫ぶ吉井。最終日にふさわしい盛り上がりだ。
そして、「“Titta”とはイタリア語で“街”というんです。今回のツアーで色んな街に行きますから、それぞれの街でやる曲があったら楽しいなと思って作りました」と「9999」の中でも可愛らしい楽曲の「Titta Titta」をパフォーマンス。そこから一気に「甘い経験」「SUCK OF LIFE」と濃厚なサウンドに。新旧の織り交ぜ方が実に巧妙だ。
MCでは、全国15箇所、全27公演を回ったこのアリーナツアーを振り返り、この日の♠のセットリストを含め、どのセットリストも「イエローモンキーらしくて最高」と吉井は讃えた。「この4人で音を鳴らすとどんな楽曲でも特別なものになる」と語る。アルバム「9999」については、「絆や、ここに来るまでの色々な想いが詰まったアルバム」とこのツアーで進化を遂げたアルバムへの想いを伝えた。
「今日は最高の最終日迎えることができそうです。」と言うと、テレビ朝日系列木曜ミステリー「刑事ゼロ」の主題歌でも話題となった「I don’t know」で本編の幕は閉じた。
そこから、鳴り止まないアンコールに応え、「30年前の曲をやらせてもらおうと思います」と、このアルバム「9999」まで音源化をしてこなかった楽曲「毛皮のコートのブルース」を披露(※毛皮のコートのブルースは「9999」アルバムダウンロード特典として購入可能)。約7分にも及ぶこの楽曲に、会場にいる全員が酔いしれた。そして「バラ色の日々」のピアノの旋律に合わせて吉井が話し出す。「THE YELLOW MONKEYは30周年を迎えます。これからも宜しくお願いします。ありがとう、愛してます。」と本当に素直な言葉を伝えた。
最後はイエローモンキーのライブと言えばこの曲!「悲しきASIAN BOY」で、大きく「THE YELLOW MONKEY」の文字をあしらったLEDが浮かび上がる。会場には花吹雪が舞い散り、幻想的な空間となった。
終演のSEが流れ、ツアーが終幕するかと思われたその時!!再び4人が登場。お客さんの足が止まる。「ドームで待ってるぜ!!WELCOME!」と、約30年前にバンドで初めてデモ音源作成をした楽曲「WELCOME TO MY DOGHOUSE」を今ツアー初披露。まさかのWアンコールに歓声が上がった。
まさに、結成30周年の日である今年12月28日。ナゴヤドームを皮切りにスタートする、キャリア最大規模の「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR」に繋がるライブのエンディングとなった。
再集結をしたTHE YELLOW MONKEYのシーズン2がドームツアーを持って、終わろうとしている。
90年代をイエローモンキーのシーズン1とするならば、再集結から現在発表されているドームツアーまで(2020年4月5日)をシーズン2だとメンバーは言う。シーズン2の締めくくりであるドームツアーにかけるメンバーの想いは強く、次のドームツアーが「正真正銘のドーム」だと言い、「全てを出し切る」と宣言をしている。そして、全ての公演で異なる「4つのセットリスト」で挑むということも明らかになった。
4公演、それぞれのセットリストで構成される内容は、イエローモンキー史上、伝説のライブになることは間違いない。バンド結成日である12月28日の愛知・ナゴヤドームを皮切りに、2020年2月11日には大阪・京セラドーム大阪、4月4日・5日の2日間は東京・東京ドームで開催する。
そして、トランプのマーク(♠♥♣♦)ごとの4つのセットリストがプレイリストとしてストリーミング配信サービスに登場した。ツアーへ足を運んでくれた人には、各セットリストのライブを思い出しながら、そして、それぞれのセットリスト(4公演)を観ることができなかった人には、観ていない公演も味わっていただきたい、そんな思いから、セットリストのプレイリストを公開した。イエローモンキーとしては初の試みとなる。
さらに12月4日、結成30周年を記念して、アルバム「9999」の完結版、「30th Anniversary「9999+1」–GRATEFUL SPOONFUL EDITION–」の発売が決定した。19年ぶり9枚目のオリジナルアルバム「9999」の13曲に加え、「9999」未収録のLAレコーディング音源「ダレカニ」、アリーナツアーSEでも使用された「ボナペティ」、そして再集結発表前にギターのEMMAによって作曲された楽曲のデモ音源を2015年当時のまま収録。Disc2には、2019年のアリーナツアーから、宮城セキスイハイムスーパーアリーナ公演のライブ映像を全編収録。新曲7曲が初の映像化となる。
イエローモンキー史上、最多200ページ以上にも及ぶ豪華ブックレットは、初日の静岡公演から全エリアを追いかけたカメラマン、横山マサト氏によるアリーナツアー公演の写真をたっぷりと収録。「9999」の「音源」「映像」「写真」の全てを網羅したまさに「9999完結版」と言える。
また、先着購入特典として、「GRATEFUL SPOONFULオリジナルトランプ」がつく。トランプにはオフィシャルインスタグラムに公開されている写真の中から、ベストショットを掲載。今作は、重量感たっぷりなA4サイズの豪華パッケージ仕様で、完全生産限定盤となる。
セットリスト
M1「この恋のかけら」
M2「天道虫」
M3「パール」
M4「Love Homme」
M5「サイキックNo.9」
M6「Breaking The Hide」
M7「砂の塔」
M8「Tactics」
M9「Changes Far Away」
M10「JAM」
M11「Balloon Balloon」
M12「パンチドランカー」
M13「ROCK STAR」
M14「ALRIGHT」
M15「Titta Titta」
M16「甘い経験」
M17「SUCK OF LIFE」
M18「I don’t know」
アンコール
M19「毛皮のコートのブルース」
M20「バラ色の日々」
M21「悲しきASIAN BOY」
ダブルアンコール
「WELCOME TO MY DOGHOUSE」
Photo by 渡邉一生