広告・取材掲載

真心ブラザーズ、毎年恒例のマゴーソニックで4年ぶりに盟友フラカンと共演 ライブレポート

アーティスト

真心ブラザーズ

真心ブラザーズがゲストを呼んで行うシリーズ・イベント「マゴーソニック」、2018年は6月1日と8日の2回、開催された。1週目はハナレグミを招いて東京・日本橋三井ホールでアコースティック・ライブ対決、2週目は東京・日本青年館でフラワーカンパニーズとバンド編成で対決。

ハナレグミとの回は、それぞれのライブのあとに、YO-KING・桜井秀俊・ハナレグミの3人で「のり弁女」「サヨナラCOLOR」「祝福」「恋するフォーチュンクッキー」「サマーヌード」5曲を披露。レアなセッションで、満員のオーディエンスを歓喜させた。

そして2週目、改装前の2014年にも真心×フラカンで対バンイベント「日本中年館」を行ったことがある東京・日本青年館。

まず、いつものように「あまちゃん」のテーマをSEに登場したYO-KINGと桜井秀俊が、新しくなったこの会場のことや、先週のハナレグミとのセッション中に桜井のスチール・ギターが壊れてしまい演奏が中断したことをネタに、しばし前説トークをする。

桜井「あれから3回、夢に出て来ました」、YO-KING「今日も桜井の機材が壊れることを、心より祈っております!」

ふたりの呼び込みで、フラワーカンパニーズが登場。ヘヴィで長尺な初期の名曲「夢の列車」でライブを始めるという挑戦的なセットリストで、鈴木圭介のハープと竹安堅一のアコースティック・ギターのイントロが鳴った瞬間に客席がどよめく。

次は最新アルバムから「ピースフル」をプレイ、続くライブで定番の人気曲「はぐれ者賛歌」では、オーディエンス、「♪歌えー!」の大合唱。圭介、「もうちょっとー!」と、それをあおっていく。

「4年前にもやったんですけど、その時すでに『中年館』でした。このまま真心と一緒に『青年館で中年館』を続けていけたらいいなと思います。でも、4年に一回のペースだと『中年館』と名乗れるのはあと2回ぐらい」

という圭介のMCをはさんで、「深夜高速」以来のキラー・チューン、「ハイエース」をじっくりと聴かせ、場内が静かな感動で包まれる。そして、圭介&グレートマエカワの、ややグダッとしたMCでその感動を平熱に戻してから、後半へ。

「初めての人も覚えて!はい!」と「最後にゃなんとかなるだろう」でハンドクラップを求め、「サヨナラBABY」で日本青年館いっぱいの「♪ラーラーラーララーララー」のシンガロングが響き、終了した。

続く真心ブラザーズは、桜井のゆったりしたギターにYO-KINGのハープが重なっていき、「BABY BABY BABY」でスタート。続いてロックンロール色の強い2006年リリースのシングル「紺色」、と序盤からトップギアなステージ。

最初のMCでYO-KING、フラカンに関して「90年代からずっと音楽をやって来た、言っちゃえば盟友っていうんですか?」とコメントし、「昔の青年館でも2マンでできたし、今の青年館でも2マンでできた。ありがたいことです」と言葉を続ける。

サポートのベース岡部晴彦とドラム伊藤大地を紹介した桜井は、沖縄で彼とYO-KINGがドライブしていたら、YO-KINGじゃなくて彼がファンに声をかけられた──というエピソードを披露し、客席が笑いに包まれる。

YO-KING、「3年に一回ぐらいそういうのあるんだ、俺。でもへこたれない!」

中盤は1996年の「GREAT ADVENTURE」から「アーカイビズム」、ファースト・アルバムから「きいてる奴らがバカだから」、最新アルバムから桜井ボーカルの「アイアンホース」。バンド対決であることを意識してか、岡部晴彦&伊藤大地の超絶プレイが前面に出た、ミクスチャー寄りな曲で攻める。

「アイアンホース」でギター・ソロをキメたYO-KING、曲を終えて「いやあ、のっちゃったな。今までやった『アイアンホース』の演奏の中でいちばん速かった気がする。俺の指がなんでこんなに動くんだろう、本番強えなあって思いました」。

そして「レコードのブツブツ」をずっしりと聴かせ、曲間なしで「人間はもう終わりだ!」と畳み掛け、最後はファンキーな「スピード2」で締めくくった。

アンコールは、両バンドがステージに勢揃い、しかしグレートマエカワだけが出て来ない……と思ったら、桜井の50歳を祝うサプライズケーキを押して登場(6月6日が誕生日)。拍手の中ロウソクの火を吹き消した桜井、ケーキが水色のストラトキャスターを模したものだったので、急遽そのギターに持ち替える。

8人でフラカンの「元少年の歌」と真心の「ENDLESS SUMMER NUDE」をプレイ。歌い終えた圭介、「この曲、難しい!カラオケで歌ったことあります?」、グレート「何度か挑戦したけど無理だった」、桜井「何度も挑戦してくれてありがとうございます!」。

そして、桜井が次の曲の説明。「僕からのリクエストなんです。グレートはDJでこの曲をかけて歌うのが定番だそうなんだけど、僕は観たことがないので。今日はレコードの代わりに生演奏で、グレート先生に大いに歌ってほしいと思って」──というわけで、曲は「勝手にシンドバッド」。

ミスター小西はステージ前方に出てボンゴを叩き、グレートはワイヤレスのハンドマイクでステージの端から端まで走り回りながら熱唱。そのハイテンションっぷりにYO-KING、「90年代のグレートを思い出した。食べられちゃうんじゃないかって思うぐらいの、あの感じ」。

ラストは、YO-KING×圭介×グレートマエカワのトリプル・ボーカルで「どか~ん」。全員で横一列で手をつないで笑顔で挨拶し、8人はステージを下りた。

このイベントの模様は、6月30日、BSスカパー!で放送されることが決まっている。

テキスト:兵庫慎司