フジオロックフェス、12人の落語家と4組のミュージシャンが競演 初日レポート
赤塚不二夫の没後10年を偲んだイベント、フジオロックフェスティバルが8月1日に東京・恵比寿ガーデンプレイスで開幕した。このイベントは「ウケるためなら死んでもいい!」と一生をかけてギャグをやりきった赤塚不二夫先生の意志を受け継ぎ、みんなで「バカ騒ぎ」する音楽と落語と盆踊りの融合イベント。
最初に始まったのは「フジオ10年分のおバカ寄席/昼席なのだ」。フジオ音頭の出囃子に乗って登場したのは立川吉笑。各々の噺家はマクラで赤塚不二夫への思いを面白おかしく話していく。
17:00からの「夜席なのだ」にはサプライズ・ゲストにラサール石井が登場。時事ネタ・トークで客席を沸かせ、春風亭昇太とギタリストを呼び込み、センター広場では夕方から、日本一バカな仲間たちとやる日本一バカな盆踊り「バカ盆踊り」が開かれた。
広場中央には櫓が組まれ、その周囲には多数の提灯が張り巡らされ、雰囲気はすっかり夏祭り。18時過ぎにはステージに大友良英スペシャルビッグバンド+芳垣安洋+二階堂和美が登場。櫓には珍しいキノコ舞踏団の面々が浴衣姿で登り「バカ盆踊り」を盛り上げる。
19:00になるとザ・ガーデンホールでは、「ボツ10年ライブ」がスタート。トップバッターはマキタスポーツ。大友良英スペシャルビッグバンドでは、ラストの「フジオ音頭」では、珍しいキノコ舞踏団に赤塚りえ子やフジオ・プロのスタッフが踊り手として登場。ステージと客席が一体となって「フジオ音頭」を踊って大盛り上がり。
フジオロックフェスだけに出演者も、様々な形で赤塚不二夫に寄せてくる。噺家は高座のマクラで赤塚不二夫を絶妙に滑り込ませれば、ミュージシャンもしかり。電気グルーブは石野卓球が「これでいいのだ!」とシャウトし、ピエール瀧がラストナンバーで「人間大統領っ!」と叫ぶとモニターには赤塚先生の自画像が映し出される。
スチャダラパーはオープニングから、舞台・男子天才バカボンで使った「Bakananova」で赤塚先生攻め。アニは、タモリさんが弔辞で自身を赤塚作品のひとつですと言ったことに触れ「我々は赤塚作品の一部!端っこの背景のようなもんですが」と話し、赤塚先生原作の舞台「男子!レッツラゴン」の曲「レッツロックオン」を披露。
ラストは「41歳の春〜」にインスパイアされて作ったという「41 Is The Number」で締め、ステージを降りるBGMには「元祖天才バカボンの春」を流すという徹底した赤塚シフトで、終始赤塚不二夫ファンの喝采を浴び続けた。
フジオロックフェスティバルは赤塚不二夫の命日、8月2日にも同所で開催。ボツ10年ライブには、昨年のバカ田大学音楽祭に出演した矢野顕子、THE BEATNIKSらが登場。センター広場では17時より「バカ盆踊り」が開かれる。
フジオロックフェスティバル 2018/演目&セットリスト
フジオ10年分のおバカ寄席/昼席なのだ・演目
立川吉笑・明晰夢
清水宏・言葉と毒薬
三遊亭白鳥・豆腐屋ジョニー
林家彦いち・遙かなるたぬきうどん
寒空はだか・漫談
柳家喬太郎・諜報員メアリー
フジオ10年分のおバカ寄席/夜席なのだ
柳家わさび・うなぎねこ
水道橋博士・これでいいのだ!!
立川生志・青菜・桃月庵白酒・粗忽長屋
寒空はだか・漫談
ラサール石井・スタンダップコミック
鷺とり・春風亭昇太
ボツ10年ライブ・セットリスト
マキタスポーツ
01.15の夜音頭
02.トリセツおじさん
03.キラキラ学園
大友良英スペシャルビッグバンド+芳垣安洋+二階堂和美
01.バカボンのパパよりバカなパパのテーマ〜これでいいのだ
02.いのちの記憶
03. 地元に帰ろう音頭
04. フジオ音頭
電気グルーヴ
01.B.B.E.
02.The Big Shirts
03.顔かわっちゃってる。
04.モノノケダンス
05.Shame
06.Shameful
07. Fake It!
08.MAN HUMAN
09.Baby’s on Fire
10.人間大統領
スチャダラパー
01.Bakananova
02.スチャダラパー・シングス
03.ライツカメラアクション
04.GET UP AND DANCE
05.春マゲドン
06.今夜はブギー・バック
07.レッツロックオン
08.サマージャム2020〜’95
09.41 Is The Number
PHOTO:南賢太郎/三橋由美子/カニタマ