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ACIDMAN、6度目の武道館公演をWOWOWで全曲ノーカットオンエア

アーティスト

撮影:AZUSA TAKADA

7月13日、「ACIDMAN LIVE TOUR“Λ”」のファイナル公演。ACIDMANにとって6度目の日本武道館は、過去にこの会場で観た彼らのどのライブよりも、自信に満ちた重厚な音楽性と、精神的なメッセージの深みを体感させる圧倒的なものだった。WOWOWでは8月24日22:00より、この模様をアンコールのラスト曲「Your Song」まで全曲ノーカット放送する。

暗闇に包まれたステージに一筋の光が差し込む中、大木伸夫(Vo&G)がピアノとギターを巧みに使い分け、沈黙のピアニッシモと雷鳴のようなフォルティシモが瞬時に切り替わる、ドラマチックな曲調の「白い文明」でライブはスタート。

最新アルバム「Λ」の楽曲を中心に、「新世界」「FREE STAR」などライブ映えする人気曲を散りばめながら、バンドは序盤から武道館の空気を完全に支配する。佐藤雅俊(b)のメロディックなベース、浦山一悟(dr)の端正なビートも、いつも以上に気迫を感じる演奏ぶりだ。

中盤には、スロー/ミドルテンポのじっくり聴かせるタイプの曲を並べ、ライブはさらに佳境へ。初期の名曲「イコール」「赤橙」、そして大作「彩 -SAI-(前編)」「彩 -SAI-(後編)」を2曲続けて演奏するなど、幻想的なライティングを効果的に駆使して、ACIDMANでしか描けないドラマチックな楽曲が脳内の映像的イマジネーションを刺激する。

中盤のハイライトはインスト曲「Λ-CDM」に続いた「世界が終わる夜」で、激しくしかし優しく振動する音の渦の中で、歓喜の涙を溢れさせながら歌う大木。それはエモーショナルという言葉では言い尽くせない、音楽の前に敬虔なミュージシャンの美しい姿だった。

ライブ後半を構成するのは、「Λ」の中核を成す大曲たちだ。ロックバラード「最後の星」、猛烈にラウドでメロディックな「空白の鳥」、そしてまたも荘厳なロックバラード「光に成るまで」へ。1曲の中に1本の映画を感じるような重厚な楽曲が次々と登場し、武道館を埋めた観客たちは、息を詰めステージを見つめている。

本編ラストを飾る「愛を両手に」では、ステージから客席へ眩いばかりの光が溢れ出し、歌詞の最後の一節“真っ白に染まれ”を具現化する、壮絶なまでに美しいシーンが見られた。闇から光へ、諦めから希望へ、死から生へ。ACIDMANが歌い続けてきた強く深いメッセージが、まさに今、光と音になってここに存在している。

アンコールのラスト曲「Your Song」まで、およそ2時間半にわたる濃密なロック・エンタテインメント。この国のロックシーンで、ACIDMANがどれほどオリジナルな存在なのか、その理由がわかるはずだ。

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