プリンス新アルバム「ピアノ&ア・マイクロフォン 1983」をプリンス財団担当者が語る語るインタビュー第2弾公開
プリンスのニュー・アルバム「ピアノ&ア・マイクロフォン 1983」をプリンス財団の音源管理担当が語るインタビューの第2弾が公開された。
いよいよ発売まで7日を切った、プリンスのニュー・アルバム「ピアノ&ア・マイクロフォン 1983」。本日アルバムから「ホワイ・ザ・バタフライズ」が配信となった。今回はプリンスの音源のアーカイヴィスト、マイケル・ハウ氏が、「ピアノ&ア・マイクロフォン 1983」や今後のリリースに関して、語ったエクスクルーシヴ・インタビュー第2弾をお届けする。
ーーープリンスのピアノ弾き語りはファンにとっても珍しいものだと思います。あなたは聴いたことがありましたか?
マイケル:聞いたことはあるし、映像は見たことがあるけれど、実際に弾いているところは見ていないんだ。彼がピアノを弾くのを楽しんでいることも、演奏の素晴らしさも知っていたから見てみたかったね。
ーーーあなたが思う聴きどころはどこでしょう?
マイケル:世界的なスーパースターになる1年ほど前の男がどれだけクリエイティヴだったか、音楽にどれほどの情熱を注いでいたかということが良くわかるアルバムだと思う。この弾き語りを聞いていると、彼の活力やエネルギーが生き生きと伝わってくる。誰に聞かせるわけでもない状況で、部屋の中で一人で演奏しているのにね。彼の体の中から湧き出てくるエモーショナルな感情はとてもインパクトがあると思うよ。同時に彼が卓越したプレイヤーだったということも良くわかるアルバムだ。テンポ、フレージング、インプロヴァイズ、どれをとっても彼のピアノの腕前はギターに勝るとも劣らないことがわかるアルバムだと思う。
ーーーリサ・コールマンも「なんという贈り物でしょう。天才の仕事をのぞき見させてくれる」とブックレットで言っていますよね。
マイケル:私もまったく同感だよ。
ーーーそのブックレットには、「17デイズ」と「ストレンジ・リレーションシップ」の手書きの歌詞が入っていますが、これはプリンスの直筆のものでしょうか?
マイケル:そうだよ。
ーーーあれはどこから見つかったものでしょう?
マイケル:プリンス財団が持っていたものなんだ。それをスキャンしたのさ。彼らのところには他にもたくさん手書きの歌詞が保存されているよ。でも保存されているはずの手書きの歌詞が時々オークションに出たりするんだ。彼が誰かにあげて、その人が売り出したか、盗まれたものなのか理由はわからないけどね。
ーーーアートワークにつかわれている写真は、プリンスと親しかったアレン・ボーリュー(Allen Beaulieu)のものだそうですが、これはどのように入手されたのでしょう?
マイケル:彼は当時プリンスの写真をたくさん撮影していて、今でもミネアポリスに住んでいるんだけど、財団にとても協力的でね。彼が提供してくれたんだ。
ーーー彼の撮影した写真の中から選んだわけですね。
マイケル:そうだよ。アレンに連絡を取って、写真を見せてもらい、その中から選んだんだ。
ーーープリンス財団から、あなたにアーカイヴ発掘に関して、具体的な指示は出ているのでしょうか?
マイケル:具体的な指示というのはないけれど、この仕事は、彼らが信頼できる人間で、プリンスのことをよく理解していて、彼の財産をしっかりと守り、きちんと世の中に出してくれることが条件だから、基本的にはすべてを任せてくれている。彼らは全面的に協力してくれて、音源に関しても何の制約もなく聴かせてくれ、オープンに意見を言ってくれるよ。
ーーー音源の素材はプリンスの財団の方の立会いの下チェックするのですか?
マイケル:そうだよ。みんなでチェックしながら自由に意見を交換し合うんだ。
ーーー彼が残した未発表音源のうち、何割程度聴く作業は進んでいるのでしょう?
マイケル:かなり聴いたけれど、まだまだ先は長いよ。割合としたら10%か、それ以下かな。10%と聴くとまだ全然聴いていないように聞えるだろうけれど、それでもかなり聴いたんだ(笑)
ーーー10%ですか?
マイケル:おそらくそのくらいだと思う。まだ全部でどのくらいあるのかハッキリわからないから正確ではないかもしれないけど、だいたいそのくらいだよ。
ーーー本当に先は長いですね。
マイケル:気が遠くなるほどね(笑)
ーーーということは来年以降もリリースが期待できますか?
マイケル:もちろん。まだ具体的にどんなものをリリースするのかは決まっていないけれど、かなりエキサイティングなものがいくつかあるんだ。普通のファンはもちろん、マニアックなファンにも喜んでもらえるようなものがね。これから皆で話し合って、いつ、どれを発表するか決めていくよ。
ーーー日本のプリンス・ファンにメッセージをお願いします。
マイケル:プリンスは日本が大好きだった。その日本のファンの心に届くような素材をこれから発表していきたいと思っているので楽しみにしていてください。