FTISLAND、ツアーファイナルはバンド史上最高の出来栄え「僕らとみんなの相性は最高!来年も日本でライブしたい!」
FTISLANDが、9月28日、東京・日本武道館で「FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-」を行い、7都市11公演のツアーを締めくくった。
毎年、春にアリーナツアー、秋に10本ほどの全国ツアーを行っているFTISLANDだが、今回は丸1ヶ月をかけて、スタンディングのライブハウス、初訪問の岐阜を含むホール、そして武道館とバラエティに富んだハコを回った。
韓国では7月に6thミニアルバム「WHAT IF」をリリースし、8月にソウルでワンマンライブを行った。休むことなく8月22日に日本で18thシングル「Pretty Girl」をリリースして、本ツアーに突入したが、直前に行ったソウルライブとはまったく違うセットリストで臨んでくれた。今回はアルバムを披露するツアーではないので、日韓の新曲を中心に、ライブの流れにならった新旧の日韓楽曲がバランスよく配置された、ライブに集中できるセットリストだった。
「Hey! 今日もよろしく!」というホンギの第一声と共に、韓国最新アルバム「WHAT IF」のリード曲「Summer Night’s Dream」からスタート。哀愁漂うミドルテンポのこの曲では、ギターのスンヒョンがひさびさにラップを披露する。続く初期のシングル曲「Let it go!」では、歌詞に“君の声が聴きたい”とあるように、客席のシングアロングもどんどん大きくなる。その勢いに乗って「みんなの声をもらうから!」と会場中に響くファンのコーラスで始まったのは、ベースのジェジンが作った「AQUA」。「AQUA」はライブで育った曲だな、としみじみと感じる。
上階はもとより、ステージサイドまでぎっしり埋まった客席を見てゴキゲンなホンギ。ここからはFTISLAND流ロックのパートに突入。「Time To」ではボクサーのように軽やかなステップを踏みながら歌うホンギに操られるように武道館を埋めたオーディエンスが一緒に歌うが、もはやサビはファンのパートだ。ドラムのミンファンの刻むタイトなリズムに乗せて、ギターのジョンフン、スンヒョン、ベースのジェジンが3人連なって楽器を弾く姿もカッコいい。スピード感あふれる「BE FREE」で盛り上がりは最高潮に達して「1234」になだれ込む。
「今回ツアーで全国を回りながら、みんなの反応が良くなっているのがわかって満足しています。今回は自然の流れでみんなと話をして、歌って、遊んで、走って、笑う感じのライブにしたい」と、ホンギも会場との一体感に手応えを感じている様子。
MCも相変わらず、メンバーたちが自由にしゃべりまくるが、約1ヶ月間、ツアーで日本に滞在し、とりわけスンヒョンは日本語が上達したようで、メンバーたちに絶妙なツッコミを入れ爆笑を巻き起こす。ジョンフンも「毎日「テラスハウス」を見て、日本語が上達しました。僕もテラハに出たい!」と言って笑いを取った。
中盤は「みんなが知ってる曲を特別な形で披露します」とホンギが促すと、ジェジンが「バレ」をオペラ調で歌い、大喝采を集めた。スンヒョンも自分のパートをオペラ調で歌うと、ホンギはバレエのようなダンスを踊りながらミュージカル調に。ホンギとファンの大合唱でスタートした「チョケッソ(I wish)」は、いつもよりも緩めのアレンジにして変化を付ける。ツアーごとに、ライブ1本ごとに定番曲のアレンジを変えてくるのもバンドの醍醐味だ。
次のセクションでは、韓国の最新ミニアルバムの収録曲「Nowhere」と、日本の最新シングルのカップリング曲「Remember」という日韓の新曲を披露したが、「Nowhere」イントロのジョンフンのギターソロは、このライブの聴かせどころのひとつだった。「YOU DON’T KNOW WHO I AM」で再びファンとのシングアロングで一体感を高めると、「ここからは、最後まで走っていくぞ!」とホンギが勢いをつけ、「Paparazzi」でファンのクラップの嵐に乗ってサウンドが疾走する。
「頭の上に手を挙げて!」というホンギの号令でタオルを掲げると、「Shinin’ On」がスタート。もうここからは、誰もが手を振り、喉が枯れるまで歌い、休むことなどできない。武道館をパーティ会場に変える「Champagne」ではホンギの魔法にかかったように大合唱が生まれ、そのまま「PUPPY」で“BOW!”と叫ぶ。ファンと一体となって曲を作り上げていくのがFTISLANDのライブの魅力だ。FTISLANDというキャンバスに描かれた下絵に、最後に色を付けるのが会場にいるファンなのだ。
そんな盛り上がりのあとに、「今回のツアーでは、初めて行った場所まで満席にしてくれて、ありがとうございます。今日はファイナルだからマジメにいこうかと思ってるんだけど」と言うホンギは、「僕らまだ(軍隊に)呼ばれてないので、来年もライブしに来れると思う。(入隊期間の)1年半、僕らがいなくてつまんない間に、うちの事務所の後輩たちのライブに行ってもいいけど、好きになっちゃダメ! 一番はFTISLANDだから! みなさん、変わらずにまた、遊びに来てくれると思っています」と心の内を正直に話してくれた。
リーダーのジョンフンも「今年、いろいろあったけど、僕たちのことをずっと応援してくれて感謝しています。今回のツアーが終わっても、来年、僕らがどこかへ行く前にまたライブします。決めた! このライブが終わったら事務所と話しますから」と、ファンとライブに対する想いを熱く語ると、「来年もたくさんのライブができるように、これからも応援よろしくお願いします」とホンギが優しい眼差しでファンに言葉をかけた。
ラストは、「僕らが最近好きな、ポップなロック」という「Hold the moon」と、本ツアーのタイトルにもなっている日本最新シングルの「Pretty Girl」で締めくくったが、軽快なサマーソング「Pretty Girl」では、ホンギのお願いで、サビの“Pretty Girl”という歌詞の後に、ファンがFTISLANDに向かって“Pretty Boy”と歌う替歌に。ファンからの“Pretty Boy”という大きな歌声に、ホンギも「Hey,Nice!」と笑顔で応えた。
アンコール1曲目は、韓国最新ミニアルバムの「Fade Out」。恋愛に対する男女の本音を歌うこの曲では、事務所の後輩、AOAのユナが女声パートを担当しているが、そのユナのパートをファンが韓国語で完璧に歌いあげるとホンギも「サイコーやな!」とご満悦。ジョンフンの弾くピアノのリフが印象的な「Stay what you are」では、花道のように1階席まで延びるステージの端から端までホンギが全速力で走りながら歌う。アンコールを終えても鳴りやまない拍手と更なるアンコールの声。ダブルアンコールでは“君がいるここがパラダイス”と歌う「Paradise」、そしてトリプルアンコールでは“いつでもぼくのそばにいて”と歌う「We are…」で応えたが、この2曲はまるで、FTISLANDからPrimadonna(ファン)へのラブレターのようだった。
最後のMCでも「今回のライブで、皆さんと僕らの相性の良さと、その相性が強くなっているのをめちゃ感じた」と言っていたホンギだが、今回のツアーは、FTISLAND史上最高のライブといえるだろう。ツアーごとに彼らも成長してきたが、それはPrimadonnaたちも一緒だ。ホンギはいつもライブで「一緒に遊ぼう!」と言うが、音楽を通して一緒に遊べるのがFTISLANDのライブ。彼らにも入隊が迫ってきているが、「来年も日本でライブをする!」と言ってくれているので、そのときはきっとまた、このツアーを超えるポテンシャルで、史上最高を更新してくれるだろう。FTISLANDのライブは、間違いなく今、見逃せない状態にある。
アンコールでは、12月にリリースされるホンギの2ndソロアルバム「Cheers」のリードトラック「Pathfinders」のティザー映像が初公開されるというサプライズも。なんとMVでは、歌手として10年超のキャリアのホンギが初めてのダンスを披露!その姿に会場からも大きな驚きの声が上がった。
一緒に踊っているのは、ホンギがボーカルトレーナーとして参加した話題のサバイバルオーディション番組「PRODUCE 48」でダンストレーナーを務めたMay J Lee。TWICEのKNOCK KNOCKなどの振付を手掛けるK-POP界の人気振付師だ。「ソロで何ができるか考えた。ダンスは苦手だからポイントだけ踊ったけど、日本のアルバムにはMay J Leeさんが、韓国のアルバムには別の先生が参加してくれています」と明かしてくれたが、日韓でリリースされるソロ・アルバムへの期待が膨む。
また、年末に開催されるソロ・ツアーに関しては、「今年のクリスマスと年末は、日本で皆さんと過ごします。1年の中でクリスマスが一番好き。でも、ずっとクリスマスが休みだったことがない(笑)。皆さんといい思い出を作りたいから、遊びに来てください!」と豊富を語った。
ホンギの参加も話題となったが、日本のAKB48グループのメンバーが練習生として参加し、日韓で活動するガールズグループIZ*ONEが誕生した「PRODUCE 48」だが、この日の公演には番組に参加していたAKB48グループの練習生たちも応援に駆け付けた。LEE HONG GI(from FTISLAND)の2ndアルバム「Cheers」は、12月5日にリリースされ、12月20日の愛知・センチュリーホールを皮切りに12月28日の大阪・オリックス劇場まで、3都市5公演の「LEE HONG GI (from FTISLAND) 2018 Solo Concert in Japan“Cheers”」が開催される。
文:坂本ゆかり
セットリスト
Summer Night’s Dream
Let it go!
AQUA
Time To
BE FREE
1234
バレ
チョケッソ(I wish)
A light in the forest
Nowhere
Remember
YOU DON’T KNOW WHO I AM
Paparazzi
Shinin’ On
Champagne
PUPPY
Hold the moon
Pretty Girl
-ENCORE-
Fade Out
Stay what you are
Paradise
We are…