有村竜太朗(Plastic Tree)、東京公演で2019年全国ツアー開催を発表
Plastic Treeのボーカリストとして、繊細な歌声とカリスマティックな存在感を放つ有村竜太朗が「有村竜太朗 LIVE2018 『デも/demo #2』-Premiere Show-」と銘打ったライブを10月2日にZepp Tokyoで開催した。
ライブは「1992-2017「デも/demo #2」の収録曲を中心に構成されており、特徴的なのは、アコースティックセットと、バンドセットの2部制となっているところ。楽曲を違う方向から表現することで、作品の深みが増す……そんな有村のこだわりが感じられるスタイルだ。
1部はアコーディオンやチェロをフィーチャーしたアコースティック・アレンジでのライブ。場内が暗転し、まるで映画のスタートを思わせるブザー音が鳴ると、ステージ前を覆うスクリーンの奥に有村とミュージシャン達が照明に照らし出される。
1曲目は「19罪/jukyusai」。スクリーン越しのパフォーマンスという特殊な演出ながら、素朴で温かみのあるアレンジでゆったりと聴かせていく。観客が演奏にグッと集中する緊張感も新鮮だ。また、スクリーンには幻想的な映像も映し出され、視覚にも訴えてくる。浮き世離れした空気の中、1部はリード曲の「くるおし花」も含め、計6曲が披露された。
2部のバンドセットには、有村の盟友、hiro(te’)(G)を中心に、鳥石遼太(B)、高垣良介(Dr)、そして野村慶一郎(Key/Mani)が参加。気心知れたメンバーでのステージということもあり、リラックスした雰囲気だ。
1曲目は軽快なテンポとドライヴ感のあるギターサウンドのアッパーチューン「幻形フィルム」でスタート。1部では着席スタイルで音に耳を傾けていた観客も、音圧の変化を受けてスタンディングモードへ。「くるおし花」もバンドセットでは、エネルギッシュに響き、ステージは急激に熱を帯びていく。「色隷」「ザジ待ち」など、最新作からの曲でテンションを上げ切って、ラストナンバー「19罪/jukyusai」までたどり着いた。
すると、ここで「19罪」の制作に参加したTHE NOVEMBERSの小林祐介がスペシャルゲストとして登場。浮遊感のある有村のボーカルに、ノイジーなギターが絡むというスリリングなマッチングで観客を圧倒していく。2部で届けた計8曲は、1部とは全く違う熱量での演奏となった。
アンコールでは再び小林祐介を招き、シューゲイザー全開の「浮融/fuyuu」で、覚醒感のある空間を作り上げる。歪んだギターの洪水は圧巻だった。
この後、鳴り止まぬ声援に応え、有村はダブルアンコールに応えて再びステージへ。そして、アコースティックセットを構成するメンバー、野村慶一郎、えびさわなおき(Acc)青月泰山(Vc)も呼び込み、初のソロ作品集に収録された「魔似言/manegoto」「鍵時計/kagidokei」をプレイ。残す1曲は、有村がひとりでステージに残り、「恋ト幻」の弾き語りで、優しくライブを締めくくった。
終演後、ソロとしては初となる細かいライブハウスツアー「有村竜太朗 TOUR 2019『デも/demo #2-Road Show-』」が発表され、ファンからは歓声が上がった。
ステージと近い距離感で、これまで以上に密度の高いパフォーマンスが期待できるのは間違いない。全18公演におよぶツアーファイナルは3月6日の東京・マイナビBLITZ赤坂。この日は有村竜太朗本人の誕生日とも重なっているだけに、ツアーの集大成とバースデーライブが合体した貴重な公演になりそうだ。