LM.C、2年ぶりのアルバムを引っさげた全国ツアー「IN FUTURE」完遂&来春ツアー開催決定
10月6日に全国ツアー「IN FUTURE」の最終日を迎えたLM.Cが、早くも来年の春から全国ツアー「LM.C TOUR 2019 NEW SENSATION」を開催することを発表した。
ヴォーカリストmayaとギタリストAijiによるロックユニットLM.C。ミクスチャー、デジロックなど、簡単にカテゴライズできないPOPでキャッチーなサウンドを展開し、その存在感はヴィジュアル系という枠に留まらない。活動地域は日本にとどまらず、アジア・ヨーロッパ・中南米でワールドツアーを行うほど。特にヨーロッパ圏のJ-ROCKファンから「最も注目されるJ-ROCK Band」と評され、ワールドワイドに高い評価を得ている。
8月8日に約2年ぶりとなるニューアルバム「FUTURE SENSATION」をリリースした彼ら。アルバムを引っさげて8月25日よりスタートした全国ツアー「IN FUTURE」が10/6のTSUTAYA O-EASTでツアーファイナルを迎えた。以下、ライブレポート。
今という瞬間にしか生きることが出来ない、という観点からいけば人生なるものは単に刹那の連続でしかないのだろう。だからこそ、人間は終わってしまった時間たちに対して過去という名を与え、不確定要素の多いやがて来たる時間については未来と名付けるようになった、のかもしれない。
さて。今夏、LM.Cが前作「VEDA」以来約2年ぶりに発表したアルバムのタイトルに冠せられていたのは、まさに未来を意味する「FUTURE SENSATION」という言葉であったわけだが。それと同時に、今作の付属ブックレットにおける最初の見開きページに記されていたのが、かの偉大なる芸術家・横尾忠則氏が寄せたという“未来とは過去に遡ることである”との含蓄ある言葉だったことも、受け手側からしてみればそれこそセンセーショナルであったことになるはず。
ちなみに、このたび横尾氏とLM.Cの縁を繋ぐことになったのは“過去作”の「VEDA」だったそうで、Aijiの知人である医師のもとを訪れた横尾氏が、そこにディスプレイしてあった「VEDA」のジャケットに目を留め、それだけに留まらず気に入って持ち帰るにまで至った、という出来事から「FUTURE SENSATION」を制作するのにあたり、アートワークを横尾氏に手掛けていただくというところにまで話が発展したのだという。
つまり。このワンダフルなエピソードをひとつとってみても、LM.Cは現在進行形にて「不確定要素が多いからこそ、予想だにしなかった素晴らしい未来が訪れることもあるのだ」というその事実を、自ら体現してくれていることになりはしまいか。
故に、今年8月から始まっていた「TOUR 2018 IN FUTURE」のファイナルを締めくくったTSUTAYA O-EASTでのLM.Cもまた、ここまでの意義深い過去と、あるがままの現在の姿、さらにはやがて始まろうとしている未来への予兆を、余すところなくステージ上でのパフォーマンスとして発揮してくれることになったのではないかと思う。
当然、この夜のライヴの軸となっていたのは「FUTURE SENSATION」に収録されている楽曲たちであり、特にフロントマン・mayaの発するメッセージリーディングが強い存在感を持っていた「In Future,New Sensation」から、今作のリードチューンとして機能している「ChainDreamers」にかけてのオープニング場面では、今LM.Cというアーティストが未来という概念に対しどのようなスタンスで対峙しているのか、ということが如実なほど表されていたのである。
なお、常日頃からLM.Cのライヴではmayaがその日その時の気分やノリで勝手に曲順を変えてしまう、という突発的サプライズがしばしば起こりうるのだが。「今日はツアーファイナルなんですが、LM.Cにとっては活動開始から12周年を迎えたばかりのワンマンライヴでもあります。そして、今さらだけど12年経って「曲を追加するならこれでメンバーに伝えてくれ」というマイクが新たに導入されました!(笑)」
いわゆるステージ内線のような役割を果たすそのマイクは、Aijiを筆頭とした演奏陣のモニター(イヤホン)と直結しているようで、この新システムの活躍により今回のライヴでは本来セットリストには組み込まれていなかった「We are LM.C 〜The Anthem of Strong Pop〜」や「OH MY JULIET.」、はたまた「MOGURA」がフレキシブルなかたちでここぞ、というタイミングに続々と投入されていくことに。いわば、ステージ上で描き出す未来を思いのまま操る体制を、LM.C は今あらたに手に入れたということになりそうだ。
「12年かー。12年前って、皆は何してました?ファンの人たちによく言われるのは、「もっと早く出会ってたかった」ということなんですけど。その点、俺はずっとLM.Cのことは最初から全部観てるから。羨ましいでしょ?でも、嬉しいよね。これからも俺たちはいろんな人たちに出会って行くことになるんだろうし、そのたびに「もっと早く出会いたかった」って言われたい(笑)」ポジティヴシンキングならぬハッピーシンキングのmayaは、ここまでの12年間ずっとある意味では変わらずに、歌詞を書く人間としても、それを伝え歌う人間としても、“悔いなく生き抜いてゆくこと”の真理について追求してきた人物であると言っていい。そんなmayaをバックアップするように、音の面ではAijiが先鋭的かつ多彩なアプローチを繰り広げてきた経緯もあり、たとえば今回のライヴ終盤で聴けた「Dystopia」ではLM.C的な逆説で未来についてのヴィジョンを示すことで、ここでも彼らは鮮烈に「FUTURE SENSATION」の世界と真意を音楽として見事に表現してみせたと言えよう。
「LM.Cと出会ってくれて、本当にありがとう!!俺たちの旅はまだまだ続いて行くので、これからも宜しくお願いします!」そう。最後の最後には、LM.Cにとって始まりの曲である「☆Rock The LM.C☆」でこのツアーファイナルを打ち上げてみせた彼らだが、未来への旅はまだ終わったわけではない。今ツアーの成功という過去を礎にしたうえで、来春にもLM.Cは再び、【TOUR 2019 NEW SENSATION】へと向かうことになるのだ。光射す未来への道筋は、もうすぐそこまで見えて来ている。
文:杉江由紀
無事ツアーを終えた彼らだが、早くも来年の全国ツアーが発表された。「LM.C TOUR 2019 NEW SENSATION」と題して、引き続き最新アルバム「FUTURE SENSATION」を引っさげた全国ツアーを2019年3月から開催する。各会場日程など詳細はオフィシャルサイトにて。
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