南佳孝 デビュー45周年記念ライブ開催、サプライズゲストで斉藤和義が登場
10月9日、Billboard Live TOKYOにて開催された「南佳孝 45th Anniversary Live~Dear My Generation~」に斉藤和義がサプライズ・ゲストとして登場、やんちゃなロックで会場を沸かせ、デュエットで参加した太田裕美もチャーミングな歌声で、花を添えた。
日本のシティ・ポップの第一人者、南佳孝は1973年9月21日に松本隆のプロデュースで、アルバム「摩天楼のヒロイン」でデビューしている。今年で45年。デビュー45周年を記念して、7年ぶりのオリジナル・フル・アルバム「Dear My Generation」を9月26日にリリースしているが、9日はその新作のお披露目の公演でもある。斉藤和義の出演はアナウンスされていなかったため、斉藤の突然の登場に会場が歓声に揺れる。
斉藤は南の「スローなブギにしてくれ(I want you)」を2007年にアルバム「紅盤」でカヴァーしているが、今回の参加の契機はこの4月に放送されたNHK BSプレミアム「The Covers」だという。松本隆と南佳孝が「レジェンド・ゲスト」として招かれ、2人がタッグを組んだ名曲「スローなブギにしてくれ(I want you)」を披露。同番組には斉藤も出演していて、彼は番組後、南と飲みに行くことになる。南にどこか不良的な魅力を感じ、お近づきになりたかったという。それが縁で、アルバムに参加し、今回のサプライズ・ゲストとしての出演に繋がった(斉藤の出演は東京公演初日の9日のみ)。
「Mystery Train」や「はないちもんめ」など、南の歌の世界にロックっぽさを加える。アルバムのコピーに「いつもよりロックしていてやんちゃです」とあるが、その“やんちゃさ”は斉藤が持ち込んだものだろう。
また、同作に参加した太田裕美もスペシャル・ゲストとして出演(彼女は東名阪の全公演に出演)。太田と南のデュエット・ナンバー「トキメイテ」の他、彼女の「木綿のハンカチーフ」、洋楽のカヴァーなどを聴かせてくれた。太田と南は、同時期にソニーに在籍し、松本隆の45周年イベント「風街レジェンド2015」でも共演するなど、縁がある。
新曲とともに「スコッチ&レイン」や「Midnight Love Call」、「モンロー・ウォーク」、「スローなブギにしてくれ(I want you)」など、南佳孝のスタンダードとでもいうべき名曲も披露された。すでに60を過ぎ、70に届こうという南だが、枯れた味わいなどではなく、艶っぽい、色香を纏う。魅惑の歌声は健在。南は「いくつになっても、恋をしているといい曲が書けるんだ」と、インタビューで語っているが、真偽不明ながら、そう思わせるものがあるのだ。
新作「Dear My Generation」は、南が近年、書き溜めた曲を厳選。作詞は本人の5曲に加え、「モンロー・ウォーク」「プールサイド」などを手がけた来生えつこが20数年ぶりに4曲を書き下し。さらに斉藤和義が2曲に歌詞を提供、合わせて「Mystery Train」ではコーラスとギターを、「はないちもんめ」では南佳孝と斉藤和義のデュエットが実現。同曲ではギターにCharも参加している。
アレンジには南佳孝作品には欠かせない井上鑑、小原礼と屋敷豪太のデュオ・ユニット The Renaissance、ジャンルを超えた音楽活動で注目される森俊之、映画やテレビドラマの作曲で知られ、最近の南佳孝作品でもアレンジャーを務める住友紀人、以上4ユニットで構成。参加ミュージシャンはドラムスに鶴谷智生、屋敷豪太、ベースに小原礼 岡沢章、バカボン鈴木、ギターに天野清継など、ファースト・コールの常連が名を連ね、スペシャル・ゲストに斉藤和義、Char、尾崎亜美、太田裕美が参加した。
「Dear My Generation」というアルバム・タイトルには「ずっと昔から聴いてくれている人、最近好きになってくれた人、そんな人たちと連帯できたらなぁ」という意味が込められているという。
ライブは9日に続き、本日10月10日にBillboard Live TOKYO、11月14日に名古屋ブルーノート、11月15日にBillboard Live OSAKAで、開催される。