やくしまるえつこ、「わたしは人類」が金沢21世紀美術館がコレクションとして収蔵
やくしまるえつこが、「人類滅亡後の音楽」をコンセプトにバイオテクノロジーを用いて制作し、音源と遺伝子組換え微生物で発表、世界最大の国際科学芸術賞アルスエレクトロニカ・STARTS PRIZEの2017年度グランプリを受賞した作品「わたしは人類」。国内外の美術館などで展示されたこの作品の、金沢21世紀美術館での展示バージョンである「わたしは人類」(ver.金沢)を、このたび金沢21世紀美術館がコレクション作品として収蔵した。
金沢21世紀美術館がポップミュージック / バイオアート作品をコレクションとして収蔵するのは、同館史上初めてとなる。
10月9日には東京・上野 国立科学博物館にて、RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018「わたしは人類」インスタレーション+特別集会「国立科学博物館の相対性理論」が開催された。
「わたしは人類」の遺伝子組換え微生物が国立科学博物館で展示され、さらにその展示空間で、やくしまるえつこ率いるバンド・相対性理論が「わたしは人類」を演奏する、1夜限りの特別なイベントとなった。
また、やくしまるえつこ「わたしは人類」(ver.金沢)のコレクション収蔵にあたり、金沢21世紀美術館キュレーターである高橋洋介がコメントを寄せている。
高橋洋介(金沢21世紀美術館キュレーター)コメント
やくしまるえつこの「わたしは人類」は、生命を情報を記録・複製する一種の機械とみなすことによって音楽の構造や制度を解体し、既存の概念を揺るがす。だからこそ、わたしたちは、それを一瞬の娯楽やありふれた時代のサンプルとしてではなく、連綿と続く伝統を革新し、新たな表現の歴史を切り開く真の芸術作品としてみるのだ。
なにより、ひとつの楽曲としては、きわめて多面的な側面を含む「わたしは人類」もまた、彼女の探求のごく一部が結晶化したにすぎず、さらなる予想外の可能性を開くための契機のひとつにほかならない。やくしまるえつこが、一介の音楽家ではなく、現代のアーティストを名乗るにふさわしい理由は、ここにある。
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