Blu-BiLLioN、1月で一時活動休止発表も「必ず帰ってくる」と強く約束
シングル「Unlimited World」を10月16日にリリースしたばかりのBlu-BiLLioNが、結成8周年を記念したライブを10月21日に東京・渋谷WWWで開催した。
ボーカルのミケいわく「Blu-BiLLioNの歴史を新旧織り交ぜた」セットリストにより、キーボディストを擁する6人組バンドならではの多彩な音楽性を提示して、ソールドアウトのフロアを沸騰。バンドの未来を末永く繋ぐべくドラムのSeikaがジストニアの手術治療を決断したのに伴い、来年1月の活動を区切りとしてのバンド活動休止も発表され、より強くなった6人での再会を“奇跡の地”で誓った。
メロディを最重要視して結成されたバンドにふさわしく、アニバーサリーのステージは彼らの王道ともいえる初期の爽やかなポップチューンたちで幕開け。久々の披露となった「未来クロニクル」で大歓声を招いたかと思いきや、「Blu-BiLLioNの今をときめくこの曲でアガッてくれよ!」とドロップされた「Believer’s High」からは昨今の彼らの主軸である重低音を轟かせるという驚異的なギャップも楽しい。
ローチューニングのヘヴィサウンドに透き通る歌声という斬新な取り合わせで新境地を拓き、中でも「如何にノセるか?」ではなく、「如何に伝えるか?」に注力したミケのボーカルは表現力抜群。
シングルの表題曲「Unlimited World」でも、自身の心境とバンドの現状をリアルに綴ったリリックをエモーショナルに歌い上げ、一斉に掲げられるペンライトで客席を一面の青い景色に変えた。
一方で昨年の「Sing×Dance×Rock」ツアーをバンドの転機として挙げ、当時の楽曲で“歌い・踊り・ロックする”というツアーコンセプトを体現したり、teruのピアノとミケの歌だけで聴かせる「声」では彼らの強力な武器である“歌”を最大限にフィーチャー。
さらに「今までテーマにしなかったことを、初めて書いてみた曲」と、記念日をテーマにした最新シングルのカップリング曲「Anniversary」を初披露して、ハッピーなサウンドで心躍らせた。結成時の決意を謳ったデビューCD収録の「Blue×Blue」では、“この絆を”という歌詞でミケがメンバーを指す場面も。初心を示すナンバーの一言一句を噛み締めるようなパフォーマンスで本編を締めくくり、観る者の胸を熱くする。
そして「これからも、この6人で続けていきたい」(teru)、「この先もみんながいてくれたら、どんなことでも乗り越えられる」(珀)等、アンコールでは各メンバーが想いを語り、最後にリーダーのSeikaから重大な報告が為された。
6年半前に今日と同じ渋谷WWWで1stワンマンを行ったとき、それを最後に解散しようと密かに決めていたのが、ファンであるcoloursがサプライズで作った“青い景色”があって、奇跡が起こり今があること。17年前から右足が動かなくなり、事故の後遺症だと思ってバンドを辞めようとしたが、仲間たちに支えられて左足でドラムを叩いてきたこと。ここ数年でだんだん左足も動かなくなり、検査の結果両足ともジストニアの症状であると診断されたこと。そして。
「これからもBlu-BiLLioNを続けるために、来年2月に手術を受けることを決めました。なので1月の活動が終わってから、しばらくバンド自体がお休みになるんだけど、春頃かな? できるだけ早く帰ってくるから。戻ってきたときには、絶対に来てください」
前を向いてそう告げた彼に、驚きと嗚咽交じりのフロアから“待ってるよ!”という声が飛んだ。ミケも「ジストニアで音楽を辞めてしまう人も多い中、手術に踏み切る気持ちって相当デカいから、その決意を聞いて待っていたいと思いました。未来のための活動休止です。必ず戻ってくるので、それを信じて待っていてほしいと思います」と真摯な言葉で念押しする。
続いて「みんなと俺らの約束の曲になると思います」と贈られた「reason」では、誰よりもパワフルに鬼気迫るドラミングを、けれど笑顔で届けるSeikaの姿が。さらにラストの「この手に在るもの」では、再びの奇跡を信じてフロアいっぱいに青いペンライトが灯り、それに応えてミケは“手放すことのできないものがある”と熱唱して、「また必ず笑って来年、この場所でアニバーサリー迎えような!」と約束した。
「1stワンマンをやったとき、みんなに言わず終わってから解散しようと思ってました。でも、今はちゃんとみんなと向き合えているから、こうして発表しました。必ず帰ってくるから、俺らのことを強く想って待っていてください。俺らもみんなのこと、強く想ってるから」
ミケの最後の言葉こそ、8年で結ばれた彼らとcoloursとの絆の証だろう。11月10日からは3年越しのツアー“Strive for EDEN”の最終章がスタート。そのファイナルとなる来年1月6日の恵比寿LIQUIDROOM公演と1月の活動をもって、Blu-BiLLioNはしばしの活動休止期間に入るが、大きな試練を乗り越えたとき人は一回りも二回りも大きくなる。
心身ともに強くなった彼らが招くだろう、さらに輝きを増した“EDEN=楽園”が今から楽しみで仕方ない。
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