真心ブラザーズ、新アルバム「INNER VOICE」リリースツアーのマイナビBLITZ赤坂公演が大盛況
真心ブラザーズ、ニュー・アルバム「INNER VOICE」のリリース・ツアー「HOLD BACK THE TEARS」、19ヵ所21公演の3本目、東京・マイナビBLITZ赤坂でのライブが、10月23日に行われた。2時間、二度のアンコールを含む20曲が演奏された。
定刻の19時きっかりにライブはスタート。「INNER VOICE」収録曲が全体の半分、あとの半分は80年代・90年代・00年代に生み出した曲から選ばれたセットリスト。ヒット曲以外も、意外な曲、懐かしい人気曲、LOW DOWN ROULETTES(ベース岡部晴彦、ドラム伊藤大地)との4人編成になってから初めて演奏する曲など、レアな曲がふんだんにプレイされていき、イントロのたびにフロアに歓声が上がる。
ニュー・アルバムの「Z」や通常盤のボーナス・トラック「みみ」のように、桜井秀俊がボーカルをとる曲や、同じくニュー・アルバムの「ギター小僧」のようなインストゥルメンタル曲も披露。前作「FLOW ON THE CLOUD」時にYO-KINGに命じられて弾き始めて以来、今やすっかり定着した桜井のスチール・ギターも随所でプレイされたほか、「バンブー」ではバンジョーも弾く。
桜井、最初のMCで、「LOW DOWN ROULETTESになってから、4〜5年経ちますが、今年もアルバムを作って出すことができまして。ライブ、あえてうろ覚えで臨みます!」。「俺は完璧よ?」と返すYO-KING。次のMCタイミングでは、YO-KINGが「最近気になっていること」というお題を各メンバーに振るが、伊藤大地が天然炸裂な回答で大ウケしてしまい、ふたり、「このあとに言えないよ!」と困惑する……などとやっているうちにMCの尺が伸びていることに気がつき、「ヤバい、もう曲にいこう。熊本で考えられないくらい延びたからね」(桜井)、「そう、熊本でマネージャーに鞭打ちされました。知ってる? 鞭打ちって痛いんだよ? 痛さで死ぬ人もいるんだからね?」(YO-KING)と、結局またMCが延びる一幕も。
ニュー・アルバムからの「木」を歌い終わったところでは、YO-KING、自分の作ったこの曲に酔いしれたようで、「いいねえ。こんな曲ばっかりやりたいわ。楽で、いい曲。がんばってダメな曲もあるもんね」。来年がデビュー30周年であることを告げ、「30年間で何曲作ったんだろう?」「わからない。数えたことないわあ」などと言い合う。YO-KING、「なすりつけ合って30年、傷口に塩を塗り合って30年」。
アンコールでは、このツアーが年をまたいで続くこと、そのファイナルが毎年恒例のMB’sの10人編成で行う中野サンプラザであること、来年は30周年で、まだ予定は決まっていないが何か届けられると思う、ということを、ふたりで改めて知らせる。なお、3曲が届けられたアンコールも、1曲1曲のイントロで「おおっ!」と歓声が上がるほど、オーディエンスを喜ばせた。
真心ブラザーズは、このツアーと並行して、ふたりがそれぞれ弾き語りでライブを行うアコースティック・ツアー企画「続・サシ食いねぇ!」も続行中。10月6日福岡・ROOMS、10月25日には桜井の地元である神奈川・横浜にぎわい座で行われ、以降、吹田・小樽・京都・高知・名古屋の7ヵ所を年内に回る。
Photo by 三浦憲治
Text by 兵庫慎司