銀座ソニーパークにパブリックとプライベートの境界を曖昧にした空間がオープン、THE EUGENE Studioと共創
Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)で11月10日〜12月16日、実験的プログラム「The Waiting room(ザ・ウェイティングルーム)」が開催されている。
2017年3月末に営業を終了した銀座・ソニービルをリニューアルし、2018年8月9日にオープンした同園。
現代アートを多く所蔵するニューヨークのグッゲンハイム美術館の構造に着想を得て設計された旧ソニービルの特徴的な構造は残しつつ、地下3層を貫く開放的な吹き抜けや、隣接する数寄屋橋交差点、地下鉄コンコース、地下駐車場の都市機能までも内包する垂直立体公園となっており、2022年には同園のパブリックな概念を上層階にも下層階にも通底させた新概念の新ソニービルを竣工予定。
「変わり続ける実験的な『公園』」がコンセプトで、2020年秋までの期間、公園内に意図的にデザインされた「余白」を使った実験的なイベントや、個性豊かなパートナーと共に驚きや遊び心を感じられるプログラムを実施している。
プログラム第一弾は、ローラースケート場「#001 PARK x MUSIC x ROLLER SKATE」で、第二弾として生活空間に溶け込み人に寄り添うテクノロジーのあり方、心地よいインタラクションのあり方を提案する「#002 HIDDEN SENSES AT PARK」を実施。
第三段の実験的プログラムとして今回始まった「The Waiting room」は、初めて外部アーティストを迎えた共創企画で、現代美術を中心に、 従来の境界線を押し広げるアーティストスタジオ「THE EUGENE Studio(ザ・ユージーン・スタジオ)」と共に手がける。
「The Waiting room」は、街に開かれたパブリックな空間に、普段彼らが使っている家具や集めたオブジェ、花、本、作品の断片といったプライベートな要素と、隙間や余白などの要素で構成する「パブリックとプライベートの境界を曖昧にした空間」を創り出す試み。リビングな空間は同時に、訪れた人が使える待合場所でもあり、またTHE EUGENE Studioの仕事展としても楽しむこともできるという。
11月9日に行われたトークセッションには、ソニー企業株式会社の代表取締役社長・チーフブランディングオフィサーの永野大輔さん、「THE EUGENE Studio(ザ・ユージーン・スタジオ)」の共同創業者のEugene Kangawaさんが登壇。
永野さんは、「パークをオープンしてから、『ここに来た目的は何か?』とアンケートをとっているのだが、1位は休憩、2位は通り抜け、4位はトイレと、公園らしい結果が返ってきた。ショールームでもなくストアでもなく、我々は本当に公園を作りたいとやってきたので良かったなと。そして今回、ユージンスタジオさんと『The Waiting room』を作って、どこにもない待合室というか休憩場所ができたと思うので、ぜひ銀座の地下で楽しんでいただけたらと思う」とコメント。
Eugene Kangawaさんは、「美術館の最後の部屋にある誰かのアトリエを再現した部屋って結構あると思いますが、あれを見ていつも『中に入れて絵を描けたら面白いのにな』と思う。そうじゃないと見えないものは、たぶんたくさんあり、そういう瞬間として見てもらっても面白いと思うし、単に座れる場所としてでも良いし、ほんとにたくさんの見方ができる。いろんな方にいろいろな時間を潰してほしいと」と呼びかけた。