阿部真央、10周年へ向けた全国ホールツアー開幕 ツアー初日のライブレポートが到着
来年1月の10周年へ向け、ベストアルバム「阿部真央ベスト」の発売も決定し、11月18日には全国ホールツアー「阿部真央 らいぶNo.8〜Road to 10th Anniversary〜」の初日を迎えた阿部真央。今回、ツアー初日の新潟公演のライブレポートが届いた。
オフィシャルライブレポート
シンガーソングライターの阿部真央が11月18日、新潟・新潟県民会館で全国ホールツアー「阿部真央 らいぶNo.8〜Road to 10th Anniversary〜」をスタートさせた。2019年のメジャーデビュー10周年に向けたプロジェクト「Road to 10th Anniversary」の一貫として行われる今回のツアー。事前のインタビューで彼女自身が「ファンのみんなが好きな曲をたくさん歌いたい」とコメントしていた通り、10年のキャリアを代表するヒット曲、人気曲を中心とした、まさにアニバーサリーなステージが繰り広げられた。
マーチング風の華やかなSEとともに登場した阿部真央は、オープニングから人気の高いアッパーチューンを次々と披露し、会場の熱気を一気に上げていく。1か月前に受けた喉の手術の影響をまったく感じさせない圧巻のステージングだ。「10周年を記念した全国ホールツアーの初日、新潟公演にようこそ!」という挨拶からは、10周年のツアーにかける強い思い、ステージに立てることの喜びがまっすぐに伝わってきた。
セットリストは10年間の活動のなかで生み出された代表曲が中心。イントロが始まるたびに大きな歓声を上げて盛り上がる観客からも、10周年を祝福したいという思いが強く感じられた。
阿部真央のボーカルも絶品。エッジの効いたロックチューンからカラフルなポップナンバー、切ない恋愛感情を描き出すバラードまで、幅広い楽曲を豊かなエモーションとともに歌い上げた。「私の原点です」という弾き語りコーナーにおける、濃密な情念を込めた歌も印象的だった。
さらに最新シングル「変わりたい唄」も披露。「自分らしく生きたい」という決意を込めたこのロックナンバーは、現在の彼女のモードをダイレクトに反映した楽曲。その切実なメッセージと力強い歌声は、観客ひとりひとりの心をしっかりと捉えていたようだ。
ライブ中盤では、思わず感激の涙を流す場面も。「10周年ということでこれまでを振り返る機会が多いんですが、感謝しかありません。高校生のときにシンガーソングライターを目指して、ここまで続けてこられたのはみなさんのおかげ。私を見つけてくれて、ありがとうございます」と話す彼女に対し、温かい拍手と歓声が送られた。
その後も10年のキャリアを彩る楽曲を惜しげもなく演奏。会場全体を包み込んだ感動と興奮は、ここから始まるツアーの充実ぶりを証明していたと思う。
今年3月に8枚目のオリジナルアルバム「YOU」を発表し、ライブハウスツアーを開催。7月には新曲「まだ僕は生きてる」を配信リリースし、大型野外フェスにも出演、さらにCDシングル「変わりたい唄」をリリースするなど、精力的な活動を続けてきた阿部真央。2019年1月22日に行われる5年ぶりの東京・日本武道館公演、1月27日の兵庫・神戸ワールド記念ホール公演まで続く今回のツアー、そして、1月23日に発売される自身初のベストアルバムへとつながる「Road to 10th Anniversary」によって、「シンガーソングライター・阿部真央」の存在は改めてクローズアップされることになりそうだ。
文:森朋之