人間椅子、BSジャパンの連ドラ「三島由紀夫『命売ります』」に主題歌書き下ろし
BSジャパンで2018年1月13日スタートの連続ドラマJ第2弾、中村蒼主演「三島由紀夫『命売ります』」の主題歌に、人間椅子がこのドラマのために書き下ろした「命売ります」(作詞・作曲/和嶋慎治)が決定した。
日本文学と和の世界観で独特のロックを追求する人間椅子の楽曲が、三島由紀夫晩年の怪作を21世紀に蘇らせる。
また、この発表に合わせて『異次元からの咆哮 ~リリース記念ワンマンツアー~』 ツアーファイナル「11月19日 東京Zepp DiverCity(TOKYO)公演」でのライブ映像も公開された。
なお、年明けには、自主企画「人間椅子提供 地獄の感謝祭」が開催される。
人間椅子 和嶋慎治 コメント
人間椅子には、文芸作品に着想を得た楽曲が数多くあります。三島由紀夫以前と以後では文学の質が変わった、とはよく言われる例えですが、なるほど好みとはいえ僕らの採り上げる小説群も、ほぼ三島以前のものに限られていたりします。そんな僕らが、三島由紀夫原作のドラマに主題歌をつける──この上もない光栄な話だと思いました。
気をつけたのは、読書感想文のようにならないようにすること。原作の持つ厭世観、一度は捨てたはずの命が惜しくなるところ、あるいは本当には生きていないかもしれない主人公の前半生…それらをどうエッセンスとして表すか。結果的に、不協和音とアップテンポで焦燥感を、リズムチェンジで捨て鉢感を、歌詞の面では命の大切さを問う形でまとめてみました。羽仁男のある種リアリティのない生活は、21世紀の今こそ共感を呼ぶものかもしれません。放映が今から楽しみです。
森田昇プロデューサー コメント
この作品の主題歌をどんなミュージシャンにお願いするかと考えた時、真っ先に思い浮かんだのはイカ天時代からファンでもある人間椅子でした。
イカ天時代の江戸川乱歩「陰獣」やデビュー曲の太宰治「人間失格」などのラインナップがあるため、三島由紀夫「命売ります」もあるかと調べましたがありませんでした。
放送までの時間的余裕も無い中、楽曲の書き下ろしの依頼をダメもとで打診してみました。
しかし、新アルバムのリリースタイミングでもなく、またツアー真っ只中でもあるため、あきらめようと思う中、直接ギターの和嶋さんと会える機会がありました。
そこで企画内容を説明し相談してみると、和嶋さんは
「我々がやらなくて誰がやる」
とおっしゃって引き受けてくれました。
スケジュール的にもとても大変だったと思います。しかし、あがってきた楽曲にはぶっ飛びました。
予想をはるかに超えるヘヴィさとスピード感。そして独特の歌詞と呪文のようなフレーズ。
まさに人間椅子。「この作品で人間椅子に頼まず誰に頼む!」と痛感しました。