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LILI LIMIT、渋谷WWW Xのライブショート・イメージ映像公開&ライブレポ到着

アーティスト

LILI LIMITが、9月16日に開催した東京・渋谷WWW Xでのライブ模様をショート・イメージ映像として公開した。

6月28日にリリースした2nd EP「LAST SUPPER EP」を引っ提げたワンマンツアー「LILI LIMIT presents Archive」を開催中のLILI LIMIT。公開された映像は、今回のツアーが一目で分かり、今のLILI LIMITを短い時間でたっぷりと感じられる映像作品に仕上がっている。

<ライブレポート>
9月16日、ワンマンツアー「LILI LIMIT presents Archive」東京公演が、渋谷WWW Xで行なわれた。6月にリリースした2nd EP「LAST SUPPER EP」を携えたこのツアーは、ワンマンということでさまざまな趣向を凝らしたライヴとなった。

新旧の曲を交え、これまでの曲にリアレンジを施し、曲間・つなぎにも細やかに心を配り、1曲1曲の精度を高めていたのはもちろんのこと、ひとつのショーとして心地よい緊張感やストーリー性を感じさせるものとなっていた。

フロントマン・牧野純平(Vo)はMCで、「次のステージに行くために、というテーマで曲やライヴ演出を考えて」と語った。

大きな空間を生み出すための、フィジカルなバンドの筋力も上がっている。ダンサブルな、「in your site」や「A Short Film」では、丸谷誠治(Dr)の迫力あるドラミングやブレイクビーツ、うねりのある黒瀬莉世(Ba)のベースでファットなグルーヴを響かせながら、軽やかで高揚感たっぷりのメロディで観客のステップやジャンプを誘う。

土器大洋(Gt)はギターやシンセで職人的に音響空間を描きながらも、アグレッシヴに攻め、志水美日(Key)もまた鍵盤で幾何学的な音を編み出しつつも、キャッチーなコーラスで盛り上げる。

箱庭的なポップさやエクスペリメンタルなLILI LIMITの音世界を期待する観客には驚きの、馬力ある展開も多々あったが、一瞬のためらいを見せる観客をもがっちりとつかんで揺さぶっていくパワーと、気概とがそこにあった。

2nd EP「LAST SUPPER EP」は、LILI LIMITとして新しいステージへと向かうイメージで制作された作品だ。手慣れた手法や、表には出してこなかったような泥臭い感情やコンプレックスも、今一度取り出して、噛み砕いて、曲やバンド・アンサンブルの滋養にしていった作品でもある。

メンバー4人で徹底して向き合って作り出した濃密な時間が、ステージという場でダイナミックに弾けて、眩しいほどのエネルギーを生んでいるのだろう。その自信が、4人の音や曲を、何倍にも大きく、強く轟かせる。

「LAST SUPPER EP」のなかでもひときわ異色で、切なくも力強い「ERAION」の4人のシンガロングは重厚で、気高い美しさがあった。シアトリカルな雰囲気やトリッキーな展開を持った曲で、ライヴでどんなふうに表現されるのだろうと思っていたが、フロアを瞬時に一体化するアンセムとなっていた。

キャッチーな曲へと昇華したのは、今のバンド力と磨き上げたアンサンブルの賜物だろう。Archive=記録すると冠したこのツアーは、変わりゆくLILI LIMITをリアルに刻みつけるものだ。ツアーのなかでも試行錯誤を重ねながら、これからへの布石となるとともに、のちに“あの時のツアーが”と語れるエポックメイキングでワクワクするライヴを、観客は体感した。

何かを起こそうとしている、LILI LIMITの強い意思を何よりも実感するライヴだった。

Text by 吉羽さおり
 

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