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やくしまるえつこ、アルスエレクトロニカ授賞式で「STARTS PRIZE」グランプリ受賞作「わたしは人類」をパフォーマンス

アーティスト

やくしまるえつこが、メディアアート界のオスカーとも言われる世界最大の国際科学芸術賞「アルスエレクトロニカ賞」の「STARTS PRIZE」を受賞。アルスエレクトロニカ授賞式が9月8日、オーストリア・リンツのブルックナーハウスで開催された。

会場客席には世界各国からの審査員やアーティスト、EU(欧州連合)各国の政治家らゲストが集うなか、司会のアルスエレクトロニカ アーティスティックディレクターであるゲルフリート・シュトッカーが、やくしまるとその作品「わたしは人類」を紹介。その後、やくしまるがステージ上に登場し、「わたしは人類」のパフォーマンスを披露した。

やくしまるはオリジナル衣装であるFACETASM制作の袴と、SINA SUIEN制作の羽衣を身に纏い、ボーカルのほかにもオリジナル9次元楽器dimtaktやカオスパッド、中野サンプラザで初披露されたオリジナル新装置「YXMR Ghost ”Objet”」(ヤクシマル・ゴースト・オブジェ)などを用いてグランプリ受賞曲である「わたしは人類」を演奏。相対性理論・メンバーの山口元輝もドラムで参加した。

トークなどは一切行わないまま、いつもどおりのライブパフォーマンスを披露し、約8分間の演奏を終えると、客席からは大歓声が沸き起こり、アルスエレクトロニカの現地スタッフが「ゲストの政治家の方々が客席から身を乗り出して観ていたのはかつてない光景」と驚く大盛況のなか、やくしまるはステージを去った。

その後のトロフィー授与式では、writtenafterwards制作によるオリジナル衣装に着替えてやくしまるが再登場。自身のドローイングが散りばめられた黒く長いマントに身をつつみフードを被ったやくしまるが、アルスエレクトロニカ賞「STARTS PRIZE」グランプリのトロフィーを受け取った。

やくしまるえつこ『わたしは人類』は、”人類滅亡後の音楽”をコンセプトに、やくしまるがバイオテクノロジーを用いて制作。微生物の遺伝子情報を基にポップミュージックを作り、楽曲情報を遺伝子コードに変換、その情報をDNAに埋め込んだ遺伝子組換え微生物と音源(音楽配信やCD)で発表した作品。

「わたしは人類」は、9月30日までベルギー・ブリュッセルのボザール・エレクトロニック・アーツ・フェスティヴァルでも展示中。日本でも、2018年1月8日まで金沢21世紀美術館で開催中のコレクション展2「死なない命」で見ることができる。

Photo by Ars Electronica、tom mesic、みらい制作、REALROCKDESIGN