島津亜矢 初のオペラシティ公演、ジャンルレスな楽曲群で1,400人を魅了
島津亜矢が初となる東京オペラシティコンサートホールにて9月30日に「SINGERコンサート」を開催、ソールドアウトとなった同公演に集まった1,400人を魅了した。
今回のコンサートは、自身が演歌以外の楽曲を幅広くカヴァーしたアルバム「SINGER」シリーズに所以するもので、9月20日にリリースされたばかりのシリーズ4作目「SINGER4」の楽曲を中心にアンコールを含め全18曲を歌唱した。
1曲目「I WILL ALWAYS LOVE YOU」を生声の歌いだしで幕開け。白い着物姿で登場した島津は「初めてここオペラシティのステージに立たせていただくのに、真っ白な気持ちで歌いたくて白い着物を選びました」といつもとは違う雰囲気に表情を引き締め「少しでも何かが届くように精一杯歌います」と挨拶した。これまでも「SINGER」シリーズより、ポップス・洋楽など、通常のコンサートで数曲披露することはあったが、全ての曲を演歌以外で構成したコンサートは今回が初めて。「地上の星」「最後の雨」「じれったい」など、ヴァラエティ豊かな曲が続く。
曲間では各バンドメンバーを様々なエピソードは交えながら紹介していく。「未来へ」ではピアノのみの演奏で伸びやかな歌声が静まり返ったホール内に高らかに響き渡った。前半最後は、先日公開された映画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦」の主題歌「I CAN’T DO ANYTHING-宇宙(そら)よ―」を披露。この日会場には映画監督である安彦良和総監督も来場しており、昔からガンダムシリーズが大好きだった島津に対し安彦監督も実は島津の歌が好きで、今回のオファーに「えっ、私に?!」ととても驚いたエピソードを語った。
後半は淡い若草色の着物に衣装を替え「アメイジング・グレイス」からスタート。荘厳な雰囲気の中「Everything」へと続く。今回のセットリストを決める際、本人とスタッフ間で何度も打ち合わせを重ね、意見がぶつかった事もあり、かなりのこだわりの選曲になったそうだ。後半は「さよならの向う側」「Unchained Melody」としっとりとした楽曲で構成。後半の終盤ではオリジナル楽曲「帰らんちゃよか」をストリングスヴァージョンで披露、まったく違ったアレンジに何の曲かイントロでは分からなかったであろう客席も、歌いだしの瞬間、大きなどよめきと拍手が起こった。そして本編最後は「最後はこのオペラシティにふさわしい曲を」と「Jupiter」を披露。低域から高域まで見事に歌い上げ客席は興奮に包まれた。
鳴り止まないアンコールに白いドレス姿で登場した島津は感極まって思わず涙。32年前に熊本から上京する飛行機の窓から富士山が見え「日本一の歌手になれるよう頑張ろう、それまでは熊本には帰らない。」とデビュー当時を振り返りながら、「母と手を取り合って一つ一つ夢を叶えてきたけど、まだまだ未熟者で道の途中です。皆さんに恩返しもまだできてませんが、これからも皆さんに支えられながら精一杯進んでいきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」と深々と頭を下げ、パイプオルガンの伴奏で「My Way」を歌唱、約2時間半、初のオペラシティでの公演は盛況のうちに幕を閉じた。
セットリスト
1. I WILL ALWAYS LOVE YOU
2.地上の星
3.最後の雨
4.じれったい
5.一本の鉛筆
6.未来へ
7.メリー・ジェーン
8.命の別名
9. I CAN’T DO ANYTHING-宇宙(そら)よ―
~休憩~
10.アメイジング・グレイス
11.Everything
12.さよならの向う側
13.落陽
14. Unchained Melody
15.見上げてごらん夜の星を
16.帰らんちゃよか
17. Jupiter
~ENCORE~
EC1.My Way