野宮真貴&カジヒデキ プロデュース、渋谷音楽祭「渋谷のラジオの渋谷系フェス」が大盛況
渋谷区が主宰し、今年で通算12回目を迎える音楽イベント「渋谷音楽祭」。今年は2016年4月に開局したコミュニティFMラジオ局「渋谷のラジオ」で「渋谷のラジオの渋谷系」というレギュラー番組を担当している野宮真貴とカジヒデキがプロデュースをしたイベント「渋谷のラジオの渋谷系フェス」が、渋谷音楽祭の主催会場である渋谷区文化総合センター大和田・さくらホールで行われた。
出演したのは小西康陽、カジヒデキ、高野寛、バニラビーンズ、かせきさいだぁ、HALFBYと、まさに新旧の渋谷系アーティストが終結。満員の観客を前に3時間を越えるパフォーマンスを披露した。
当日は台風21号の影響から生憎の悪天候だったが、“渋谷のラジオ”代表の箭内道彦氏による挨拶でスタート。先ずはHALFBYによる渋谷系音楽を中心としたDJプレイでパフォーマンスがスタート。
続いて“最後の渋谷系”と言われるカジヒデキが登場。「甘い恋人」「アイスクリームマン」を歌ったところで、ゲストにバニラビーンズの二人を呼び込み「二コラ」を三人でパフォーマンスした。カジヒデキのパートの最後には“元祖渋谷系の女王”でデビュー36年目を迎えた野宮真貴が今年デビュー10周年のバニラビーンズへ花束を渡して激励した。
カジヒデキに続いてステージに登場したのは小西康陽。洋邦の名曲を絶妙につないだ圧巻のDJプレイを披露。最後にはステージに三度登場したバニラビーンズ。ピチカート・ファイヴの名曲「東京は夜の七時」を野宮真貴と共にパフォーマンス。野宮と小西がステージ共演したのは、2001年に行われたピチカート・ファイヴ最後のライブ以来、16年目の出来事となった。
メイン・パートのラストを飾ったのは野宮真貴。オープニングは小西康陽が日本語詞を手掛けたバート・バカラックの名曲「世界は愛を求めてる」からスタート。今回のイベントの選曲は、ピチカート・ファイヴ以来の朋友である小西康陽が日本語詞を手掛けた楽曲が中心。5月にリリースしたアルバム『野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。』からの「Wonderful Summer」に続いて披露した「男と女」は1966年に公開された名画「男と女」の主題歌。昨年急逝したピエール・バルーに捧げると紹介した後、この曲の代名詞ともいえるスキャットにも日本語詞をつけた小西康陽独特の歌詞でしっとりと歌いあげた。
ここで来年デビュー30周年を迎える高野寛がゲストとして登場。「甘い生活」を息の合ったデュエットで披露。ここでステージは高野にバトンタッチ。新曲「180°」と代表曲「虹の都へ」の2曲を歌う。ステージには再び野宮真貴が登場して、最新アルバム『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』でも二人のデュエットで収録されている1990年代の渋谷系の名曲「Winter’s Tale」を、1992年のオリジナル・バージョンの再現したアレンジで初パフォーマンスした。
余談だがオリジナルで高野とデュエットしていたのはピチカート・ファイヴの二代目ヴォーカルだった田島貴男で、野宮真貴は三代目ヴォーカリスト。不思議な取り合わせのデュエットが実現している。高野寛がステージを降り野宮真貴のソロ・パートが再開。ニュー・アルバムでは渡辺満里奈とデュエットしている「The Bell That Couldn’t jingle」をクリスマスより一足早く披露。本編の最後はピチカート・ファイヴの代表曲「Twiggy Twiggy」「スウィート・ソウル・レヴュー」で幕を閉じた。
アンコールでは渋谷区長の長谷部健氏が登場。野宮真貴とカジヒデキが手掛けた渋谷区基本構想の歌「夢みる渋谷 YOU MAKE SHIBUYA」をバンド・スタイルでのパフォーマンスからスタート。アンコール2曲目は、僅か三日前に完成した小西康陽による日本語詞で披露したロジャー・ニコルズの名曲「Love So Fine」。さらに今回のステージへ出演したアーティスト達による“渋谷系メドレー”に続いて、最後は全員による「東京は夜の七時」で3時間を越える渋谷音楽祭“渋谷のラジオの渋谷系フェス”はすべてのパフォーマンスを終えた。
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