TK from 凛として時雨
TK from 凛として時雨の東名阪ワンマンツアー『Bi-Phase Brain“L side”』の新木場STUDIO COASTでの公演のオフィシャルレポートが到着した。
10月3日、TK from 凛として時雨がツアー『Bi-Phase Brain“L side”』の東京公演を新木場STUDIO COASTで開催した。この日はともにTVアニメ『東京喰種』の主題歌を担当した縁のあるosterreich(読み:オストライヒ)がゲストアクトとして出演。2013年に解散したthe cabsの高橋國光のソロプロジェクトであるosterreichにとっては、記念すべき初ライブとなった。
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osterreichのサポートには、ボーカルに 飯田瑞規(cinema staff)と鎌野愛、ピアノに Gecko&Tokage Paradeの佐藤航、ベースに三島想平 (cinema staff/peelingwards)、ドラムにDALLJUB STEP CLUBのGOTO、 ヴァイオリンに須原杏という豪華な顔触れが集結。まず飯田を除くメンバーが立ち位置に着くと、ステージ前方上手の高橋が一人でギターをかき鳴らし、「贅沢な骨」でライブがスタート。複雑な拍子・展開の楽曲をメンバーが高い演奏能力で再現していく中、誰よりもエモーショナルに、体全体を揺らしながら演奏する高橋の姿が何とも印象的だ。アニメ『東京喰種』第2期のオープニングテーマとして、2015年に発表されたosterreichのはじまりの曲「無能」、さらには「映画」と、前半は鎌野ボーカルの曲が続き、高橋は一曲が終わるごとに「ありがとう」と感謝を伝える。
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場内から「おかえり!」という声も飛び交う中、「今日のために新曲を作ってきました」と言って始まったライブ後半戦からは飯田も加わり、アッパーな新曲、鎌野とのツインボーカルを生かした新曲と続く。複雑な構成の曲であることに変わりはないが、それでも前半の曲に比べればリズムがストレートで、メロディーが立ち、この数年での高橋の変化を感じさせる。「誘ってくれたTKさん、どうもありがとう。すべてのきっかけを作ってくれた、石田くんにもありがとう」と、『東京喰種』の原作者である石田スイに感謝を伝えると、最後にアニメ『東京喰種』最終章のエンディングを飾った「楽園の君」を披露。強烈なインパクトを残して、osterreichとしての初ライブを終えた。
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TK from 凛として時雨のステージは「kalei de scope」からスタート。ドラムのBOBO、ベースの吉田一郎不可触世界、ピアノの大古晴菜、ヴァイオリンの佐藤帆乃佳という強固なサポートメンバーとともに奏でられるアンサンブルはもはや鉄壁で、さらには映像演出も加わり、聴覚と視覚の両面で張りつめた世界観を展開していく。中盤ではアコギを用いた「haze」や、バラードの「memento」などを挟みつつ、イントロから大歓声の起きた「Fantastic Magic」や、印象的なピアノのループとカオティックな展開が折り重なる「Shandy」ではアグレッシヴに攻めたりと、緩急を生かしたステージ構成もさすがだ。
TK from 凛として時雨
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「初めてやる曲を。僕一人ではできないので、助けを借ります」と言って、osterreichに続いての参加となる鎌野愛が迎えられ、披露されたのは「moving on」。音源ではsalyuが参加していたパートを鎌野が担当し、TKらしいトランシーな楽曲の高揚感をサビのハイトーンが加速させていく。さらには、前日に配信リリースされたばかりの最新曲「melt」でも、ヨルシカのsuisに代わって、鎌野がボーカルを担当。音源はギター以外打ち込みだったが、ライブでは同期も用いつつ生演奏に置き換えられ、実写とCGを織り交ぜたミュージックビデオとともにドラマチックなサウンドスケープを広げて行く。「moving on」といい「melt」といい、女性ボーカリストからの刺激を受けつつ、最近のTKはメロディーメーカーとしての才能も際立っているように感じられる。ラストは「melt」から一転、最初期曲であるプログレッシヴな大作「film a moment」で締め括られた。
TK from 凛として時雨
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アンコールでは「國光くんが来てくれるか心配だったけど、安心しました」と笑いながら感謝を伝え、アニメ『東京喰種』第1期のオープニングテーマだった「unravel」が始まると、フロアの盛り上がりは一気に沸点へ。さらに、「P.S. RED I」を畳み掛けると、クライマックスが何度も押し寄せるような怒涛の展開でピークタイムを更新し、ライブが終了。異才同士が正面からぶつかり合った、貴重な一夜が幕を閉じた。
なお、『Bi-Phase Brain “L side”』は10月8日に名古屋DIAMOND HALL、10月9日になんばHatchで開催され、この2日間にはゲストアクトとしてCo shu Nieが出演する。
文=金子厚武 撮影=岡田貴之(TK from 凛として時雨)、Kana Tarumi(osterreich)
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※osterreichとCo shu Nieの「o」はウムラウト付きが正式表記
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