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今、改めて確認する「堀江由衣の魅力」 7年ぶりのツアーに向けて掘り下げる

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「堀江由衣 LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部」は12月に行われる彼女にとって7年ぶりのライブツアー。声優としてのキャリアを音楽とともに歩んできた彼女の最新ツアーに向けて、堀江由衣の魅力について改めて掘り下げてみよう。

堀江由衣の音楽活動

これまでに19枚のシングル、そしてベスト盤を含む計12枚のアルバムをリリースしている堀江由衣。TVアニメ『シスター・プリンセス』OPテーマ「Love Destiny」やTVアニメ『スクールランブル』OPテーマ「スクランブル」といえば30代以上のアニメファンで知らない人は少ないだろう。その後もTVアニメ『ながされて藍蘭島』や『とらドラ!』のOPテーマ、TVアニメ『DOG DAYS』、TVアニメ『ゴールデンタイム』といったヒット作、話題作を彼女の楽曲が飾ってきた。

そこで表現される楽曲も多種多様。たとえば、堀江由衣の個人名義でリリースしている楽曲でも上述した「Love Destiny」が歌謡テイストの入ったJ-POPなら、「スクランブル」は軽妙なスカ。ミディアムテンポのポップス「恋する天気図」(『ながされて藍蘭島』)や、「バニラソルト」(『とらドラ!』)ではテクノポップといった具合。09年に発売された「YAHHO!!」(TVアニメ『かなメモ』EDテーマ)は堀江自ら作詞・作曲も手掛けており、こちらはリスナーを元気づけるような、明るくポップな楽曲に仕上がっている。

そんな彼女の楽曲のなかでも、極めて異彩を放つのが、「インモラリスト」(TVアニメ『ドラゴンクライシス』2011年)。現在はでんぱ組.incやももいろクローバーZ、上坂すみれなどにも楽曲提供をしている清竜人が初めて楽曲提供(作詞・作曲)した1曲だ。「堀江由衣のファン」と公言する清竜人が作り上げたのは、ロック、ワルツなど目まぐるしくサウンドが変わるなかセリフを交えて展開する演劇のような楽曲で、清竜人はその後も堀江に楽曲提供を行うようになった。

堀江由衣の音楽活動は、個人で行っているものだけではない。「やまとなでしこ」やラジオ番組から生まれたバンド「黒薔薇保存会」、近年では自らがキャラクター原案を務める美少女キャラクター「ミス・モノクローム」などそれぞれで見せ方を変えながら音楽活動を展開している。音楽の方向性も、黒薔薇保存会ならメタル。ミス・モノクロームはアイドルを目指すアンドロイドという設定から主にテクノポップといった具合に、一口に「堀江由衣の音楽」と言っても多種多様。アニメや人柄に詳しくなくても、好きなタイプの楽曲を入口にしても多くの人が楽しめるだけの楽曲がそこにあるはずだ。

ライブツアーのタイトルとも関連が深そうな『文学少女の歌集』は、前作「ワールドエンドの庭」からは約4年半ぶりのリリースとなる10枚目のオリジナルアルバム。「アシンメトリー」(TVアニメ『K RETURN OF KINGS』OPテーマ)、「Stay With Me」(TVアニメ『DOG DAYS”』EDテーマ)という2曲のアニメ主題歌や、堀江が作詞を手掛けた「Sunflower」など、こちらも楽曲の幅広さと充実ぶりを感じられる1枚になっている。

堀江由衣のコンサート、7年ぶりのライブツアー

堀江由衣のライブの特徴といえば、本編が物語仕立てになっていることがまず最初に挙げられる。大きなスクリーンを使った映像を交えて、彼女がいる場所、時期などを紹介しつつ、楽しい場面、寂しい場面、ピンチの時(!?)などシチュエーションに合わせた楽曲が披露される。大勢のダンサーが堀江の仲間や友人、あるいは敵として入り乱れながらステージに花を添える。そして、その公演ごとの物語で中心になるキャラクター(2012年に行われたライブツアー「堀江由衣をめぐる冒険III~Secret Mission Tour~」では“やまびこの妖精・エコーちゃん”)や、ミス・モノクロームなどと時には戦い、時には手を取り合って話が進んでいくというものだ。
基本的にライブ本編ではフリートークのMCなし。ステージ上で展開する世界を楽しむ形になる。こう書くと舞台鑑賞のようで敷居が高いように見えるかもしれないが、あくまでも「ライブ」であり、ときには声を上げペンライトを振っても良いし、お話や歌、ダンスに圧倒されて観ているだけでも良しと、どのような見方でも楽しめるライブになっている。今回はバンドでのライブツアーという事でどういった見方が出来るのか楽しみだ。

過去のライブでは、本編終了後のアンコールではしっかりフリートークも聞けるので堀江由衣個人の話を聞きたいという人も満足できることだろう。

数多くのアニメ作品が放送される現在、有望な新人が毎年デビューし出演機会をめぐって競争が行われている声優という仕事。堀江由衣は、そのなかで第1線を走り続けている稀有な存在だ。声優として、歌手として活躍し続けるためには出演する作品・役柄や、多くの人に好まれる楽曲に恵まれていることが必要条件だろう。

「恵まれた」という言葉にはさまざまな要素があるだろうが、『魔法つかいプリキュア!』(16年)の十六夜リコ(キュアマジカル)役は大きなタイトルだろう。言わずと知れた15年続くTVアニメシリーズの1作であり、NHKが「全プリキュア大投票」という番組を放送するほど世代を超えた人気作品であり、低年齢層を中心に初めて堀江由衣の声を聴く機会になったはずだ。

アニメファンであれば「堀江由衣」という名前を見たことは数えきれないほどあるだろう。しかし、そうではない初めて彼女の名前を見て声を聴く人も多くいるはずだし、そのきっかけはテレビ、ラジオ、ゲームなどいろいろな場所に見つけられる。声優としての彼女だけでなく、歌手としての堀江由衣についても、同じことが言えるだろう。サブスクリプションでの楽曲配信も開始され、今回7年ぶりのライブツアーが開催される。まだ彼女の音楽に触れたことがない人は、この機会にぜひ堀江由衣の歌声に耳を傾けてみてほしい。

文:藤村秀二

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