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あなたは「鉄工島フェス」をしっているか?下町ロケットの舞台で有名な大田区京浜地域の鉄工島で生まれたモノホンのフェスとは?

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「ものづくりのまち」として知られている東京都大田区。その中でも特に京浜地域は、主に金属を素材とした「削る」「磨く」「形成する」「メッキする」といった、ひとつの加工を専門に請け負っている約3,500もの工場が存在している。ドラマ「下町ロケット」の舞台としても知られている、この大田区の京浜地域。互いに更により良いもの作ろうとの競争が発生し、日々高い技術力が育まれている。また、「仲間まわし」と呼ばれる、様々な種類の工場が立在しているメリットとして、その工場から工場へと加工をまわすことで、ひとつの製品を作り上げられるとも言われている。それは「大田区に空から図面を投げ込むと、どんなものでも翌日には見事な製品になって出てくる」と称されるほど。それらは世界でも特異な「ものづくりの達人が集まったまち」として今も技術革新や発展を遂げている。

そんな大田区京浜地域に京浜島なる人工島がある。通称「鉄工島」とも呼ばれる、この島にも大小さまざまな工場が立在し、世界に向けて、日本の高い技術力から生まれる数々の「モノ」を国内のみならず世界各国へと供給している。

そんな「鉄工島」を舞台に、現役稼働する鉄工所にて多種多様なジャンルのライブやアート展示を、サーキット形式で回遊しながら楽しめるフェスティバルが行われている。「鉄工島フェス」がそれだ。2017年の第一回開催を起点に、毎年行われてきた同フェス。主にアーティスト性を強く保持し、独自性や自分たちの活動に一過持っているとも映る、まさに職人気質のアーティストが多く出演しているのも、他のフェスとは特異性をうかがわせる。

出演アクトの面でも、過去の2回連続で参加してきた、石野卓球、七尾旅人、谷崎テトラ|ジャン・ピエール・テンシン|松蔭浩之によるPBCを始め、各年、社長(SOIL& “PIMP”SESSIONS)、TRI4TH、SAICOBAB、明星/Akeboshi、∈Y∋、KAKATO(環ROY×鎮座DOPENESS)、小袋成彬 (DJ)、土岐麻子、VIDEOTAPEMUSIC等々も参加してきた。

鉄工島FES 2018・KAKATO(環ROY×鎮座DOPENESS)・山車ステージ(山本修路_市川平)」 (C)行本正志

鉄工島FES 2018・KAKATO(環ROY×鎮座DOPENESS)・山車ステージ(山本修路_市川平)」 (C)行本正志

毎年11月の初旬の土・日曜日に行われてきた同フェス。今年の開催は11月3日(日)が予定されている。空き工場を活用した新たな創作の場を作ることを目的に開始された同フェス。音楽やアートの他、普段あまり見ることのできなく、体感しづらい、その太田区の職人技術も堪能できるのも特徴的だ。

鉄工島FES 2018・石野卓球 (C)行本正志

鉄工島FES 2018・石野卓球 (C)行本正志

今年のラインナップは、毎年出演の石野卓球を始め、トリオ編成のインストゥルメンタル・バンドmouse on the keys、ZEN-LA-ROCK、G.RINA、鎮座 DOPENESSからなる新ユニットFNCY、RachelとMamikoからなるラップユニットchelmicoがライヴアクトとして名を連ね、今年は新たにIRON ISLAND SESSIONSと銘打つステージも誕生。Shingo Suzuki(Ba)、Michael Kaneko(Gt)、伊藤大地(Dr)、別所和洋(Key)によるホストバンドらと共に、さかいゆう、佐藤千亜妃、DedachiKentaといった国内外で活躍するシンガーをゲストに迎え、ジャンルレス / ボーダレスなセッションを繰り広げるのも特徴的だ。また、このIRON ISLAND SESSIONSの誕生により、これまでアーティスティックでアカデミックな印象が強かった同フェスもやや敷居が下がり、幅広く色々な層の方々が集いやすく、楽しみやすくなったと言えよう。

他にもDJとして横田信一郎、男子プロバスケットボールチーム、アースフレンズ東京Z専属チアリーダーのZgirlsのパフォーマンスも予定されている。

また、アート方面では、高須咲恵、松下徹、西広太志から成るSIDE CORE、西野達、東京を中心に活動する劇団集団快快、さわひらき、中野仁詞、今年はアーティストしての参加となる∈Y∋、市川平、表良樹、藤村祥馬、森山泰地によるチーム鯰、80年代に社会現象となった「竹の子族」の文化を引用し、現代にフィットする新しい「族」の概念を生み出した。70年代〜現代の既存のヒット曲にオリジナルの振り付けをつけ、奇抜なファッションで闊歩するパフォーマンス(=ケケノコ闊歩)を定期的に行ってきたケケノコ族等々の参加も決定している。

そんな今年、新たにステージとして加わった「IRON ISLAND SESSIONS」。そこに登場するのが、さかいゆう、佐藤千亜妃、DedachiKentaだ。

そんな3氏は、この「鉄工島フェス」の出演前の印象と、自分がそのステージにて立ったヴィジョンをこのように語っている。

「当日はいちいち高濃度の、ファンキーで、でも心にお互いがジンワリくるライブになる予感がします。全て観て、聴いて欲しいです!!」(さかい)

「面白い場所で音楽をやるのが、なんだか大人の秘密基地みたいな感じがして、カッコイイなと思いました。良い意味でどこかクローズドな印象がありますね。アーティスト目線で見たときに、フェスって普通はもっとコマーシャルな意味合いが出てくるイメージがあるけど、このフェスはその場の空気を楽しむことだけにフォーカスできそうな気がします」(佐藤)

「工場地帯でのフェスということで都心や郊外には無い景色が広がっているのではとワクワクしています。工場内ではアンビエンスの音などもいつもと違うでしょうし、コンサートホールとは違った雰囲気を楽しみたいと思います。そのほかにアートの祭典というのが気になっています」(Dedachi)

中でも佐藤は、

「鉄と声という、無機物と有機物は反発しあわず、寄り添いつつも良いコントラストになるんじゃないかなと思います」

と、自分の歌や歌声の特性とこのフェスと、どのような面や部分がフィットしそうかを想像している。

また、楽しみなのが、普段シンガー各位が歌っている際のバックとは違い、当日の「IRON ISLAND SESSIONS」の演奏を、Shingo Suzuki(Ba)、Michael Kaneko(Gt)、伊藤大地(Dr)、別所和洋(Key)からなるホストバンドが務めるところ。その辺りもこのフェスならではのシーンの一つと言える。

そんなバンドメンバーのうち、Shingo SuzukiとMichael Kanekoは、このフェスに際して、出演前の印象を以下のように語ってくれた。

「ライブをプロデュースする楽しみがあって、おもしろそう。バラエティに富んだ、こだわりのラインナップで。ブッキングのユニークさや会場の雰囲気もいいですねー。ものづくりと自分たちの活動やスタンスも丁寧に作り込み、作品に対して愛があるところにシンパシーを抱きます」(Shingo Suzuki)

「単純に、最高のバンドメンバー達とライブで音楽できるから凄く興奮しました。最初にお誘いを受けた際には「鉄工島って何県?」って思いました(笑)。調べたら東京でびっくりしました」(Michael Kaneko)

加えてこのフェスの魅力を、

「普通のフェスは自然の中やライブ会場とかで行われていますが、鉄工島フェスは今までには考えられない現役の工場の中で行われて、お客さんがどうやって楽しむか、それぞれのアーティストがどうやってその場を作り上げていくのかが楽しみです。自分も昔は手作りでCD売ってました!なので手作りでものを作る大変さは凄くわかります(笑)」(Kaneko)

と加える。

また、その「IRON ISLAND SESSIONS」のステージも増え、今年はこれまで以上にポピュラリティーのあるラインナップや、より敷居が低くなり、多くの一般的な方にも来てもらえる印象に至った感のある同フェス。
際して「IRON ISLAND SESSIONS」のバンドのメンバー各位は、

「音楽の自由さ、楽しさを伝えます。杓子定規ではない、セッション感覚があるライブの自由さや高揚感をバンドマスターとして、プロデュースする立ち位置と捉えてます。当日は高い熱量をもった、ほかの出演者も注目する熱いステージになると思います」(Suzuki)

「いつも通りの自分らしい演奏したいと思います。今までなかった環境やポジションでライブするので緊張しますが、ものすごく楽しみです!」(Kaneko)

と語る。

そして、そこに歌を乗せていくシンガーたちはと言うと…。

「ただただ楽しみでなりません。好きなミュージシャンが出る、好きなミュージシャンと音楽が出来る、これにつきます。バンドに関しても期待しかありません。しんごっちとは長い付き合いですし、マイキーとは酔っ払って一緒に歌い出すことはあっても、ステージ上では初めてです。初めてちゃんと声が混ざります。これは興奮です!」(さかい)

「普段やらないようなアレンジやアンサンブルのなかで、どのように歌とバンドがグルーヴを作っていけるか、とても楽しみです。歌の中でたゆたうような時間をお客さんと共有できたら良いなと思ってます。歌の開放感とバンドの遊び心を感じて欲しいです」(佐藤)

「1stアルバム(10月30日発売『Rocket Science』)、リリース直後の初ライブとなりますが、僕のオリジナルが素晴らしいミュージシャンとのセッションで、その時にしか奏でられない音になることをとても楽しみにしています。伊藤大地さんとは今年1月にレコーディングでご一緒した以来、マイキーさんとは5月のGREEN ROOM以来の再会です。そのほかの皆さんとは初対面となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。当日は1stアルバム『Rocket Science』の曲をたくさんやりたいと思っています。また、マイキーさんとは何かコラボをしようと話しているので楽しみにしていてください」(Dedachi)

と、シンガー各位もお客さん同様、バンドとの共演をとても楽しみにしている。

音楽・アート・映画など様々なジャンルのカルチャーがミックスした、まさに世界に誇る日本の加工技術と、ミュージシャンやアーティストたちの国内外への技術発信とも呼べる同フェス。今年もここから数々のクリエイティブな化学反応が起こり、集った多くの人たちの、何かを作る、生み出す、育む、そのような姿勢が感化されていくことにも期待したい。

上述のシンガー3氏に至っても、当日のステージへの気概や意気込みをこのように語ってくれた。

「出演、心から感謝申し上げます!全力を尽くしますので、お互い素晴らしい時間にしましょう!また、残念ながらこの日こられない方も無理しなくていいと思います。仕事や学業を大切にしてください。またライブやるからいつでも来てくれたらいいさ。但し、今回は今回しか一生見れませんが…」(さかい)

「とにかく楽しみます!この日しか観れない聴けないスペシャルなステージばかりが続くフェスになると思います。このフェス、見逃したら絶対もったいない!是非一緒に楽しみましょう!」(佐藤)

「当日は、絶対楽しいステージになると思うので、ステージ上のHappinessが皆さんにも伝わるといいなと思います。今回の帰国はアルバムのプロモーションもありましたが、鉄工島フェスに出させてもらうことも大きな目的のひとつでした。フェス翌日にはLAに帰らないといけないので、日本滞在の最終日に力を出し切りたいと思います!素晴らしい音楽とアートと美味しい食べ物が揃って楽しめないわけがないと思います。秋という季節にぴったりな、特別なフェスへ是非足を運んでください」(Dedachi)

また、バンドのメンバーたちも、

「セッションの音の会話、新鮮さマックス。リラックスを観てもらいたいし、楽しんで欲しいです。全力投球、どストライクでいきます!!バスケで例えると、どんどんスリーポイントが決まる感じのフェスにつき、来た方が、いいよ!」(Suzuki)

「セッションなので、出来るだけお客さんと一緒に楽しめるステージにしたいです。Good musicをエンジョイします!僕は自分の弾き語りソロとIRON ISLAND SESSIONS (3ステージ)、4ステージ出るので全部見にきてください!カモン!」(Kaneko)

と万全の誘い態勢でみなさんのお越しを待っている。

そんなシンガーたちの、スペシャルなバンドと共に繰り広げられるこの日限りのライヴも楽しみの一つに数えられる、間もなく始まる同フェスティバル。日本が世界に誇る、アートや音楽、そして加工技術のその一過言ある職人気質的な発信を是非その目で!!

取材・文=池田スカオ和宏

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