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THE BAWDIES 新木場STUDIO COASTを360度解放した最高に楽しいロックンロールショー

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THE BAWDIES

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今年2019年に結成15周年・メジャーデビュー10周年を迎えたTHE BAWDIESが、11月2日に新木場STUDIO COASTにて開催した『LIVE! TO \ワー/ RECORDS feat. THE BAWDIES ~360° Rock and Roll Circus~』のオフィシャルレポートが到着した。


結成15周年、デビュー10周年を迎えたTHE BAWDIESが、今年40周年を迎えたTOWER RECORDSとタッグを組み、11月2日(土)、共同開催で新感覚のライブイベントを行なった。『LIVE! TO \ワー/ RECORDS feat. THE BAWDIES ~360° Rock and Roll Circus~』と銘打たれたこのライブは、THE BAWDIESの持つロックンロールのパワーとバンドの魅力とが最大限にフロアに放たれる、最高に楽しいショーとなった。

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会場となったのは新木場 STUDIO COAST。その客席フロアの真ん中に、この日の特別仕様でほぼ円形にセットが組まれていて、観客とバンドとの間を隔てるのは1本のロープのみ。さらに通常ライブ時には演者が立つはずのステージ上も、この日は観客用のスペースとして解放されていて、演奏スペースを360度ぐるりと観客が取り囲むというスタイルだ。こんなSTUDIO COASTは見たことがない。その景色を眺めているだけで、始まる前から心が躍った。

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おなじみのSE、ウィルソン・ピケット「ダンス天国」が鳴る。満場の観客がハンドクラップで出迎える。(通常の)ステージ袖から、観客の間をすり抜けるようにしてフロアへと降りてくるメンバーたち。「それではみなさん。しっかりお祭りにしましょうかー!」というROY(Vo・B)の掛け声を合図に、「LET’S GO BACK」でショーはスタート。TAXMAN(G・Vo)のギターリフがうねりを上げ、メンバー4人はそれぞれ背中を向け合う形で、文字通り360度、全方位に向けて音を放射していく。至近距離で撃ち抜かれるようなソリッドなロックサウンドに、初っ端から圧倒される。ふだんはステージの最奥でバンドサウンドの土台を担うMARCY(Dr・Cho)も、この日はオーディエンスを目の前にしての演奏で、いつもとは違う景色を楽しんだ。明滅するライティングの中でスリリングなロックサウンドが響く「THE EDGE」では、バンドも観客も早くもクライマックスを迎えるかのような昂揚感。JIM(G・Cho)はアウトロでモニターにギターを擦り付け、そのアクションもいつにも増してテンションが高い。

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ROYが「(結成)15周年なんです。なので周年みたいな気持ちもありつつ、ちょっと特別な曲を」と繰り出したのは「ROCK ME BABY」。彼らが初めて日本武道館に立った2011年11月、その後に最初にリリースされたシングル曲であり、彼らがロックバンドとしての成熟を見せつけた楽曲のひとつである。そういえば、その初の武道館公演で、THE BAWDIESは初めての360度ライブを行なったのだった。ROYが「今日はいろんなことを思い出しながらやっている」と語っていたが、この日のステージは、観客とゼロ距離の小さなライブハウス時代のことも、それこそ初武道館公演のことも含め、今に至る様々な景色を思い起こさせるものだったに違いない。

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TAXMANとJIMがアコギを、ROYがベースを置いてハンドマイクを手にすると、「KEEP YOU HAPPY」、そしてインディーズ時代のレア曲「JUST PICK UP YOUR PHONE」、バンドの新機軸を見せた2015年のシングル曲「SUNSHINE」と、ヴィンテージライクな極上サウンドがフロアを魅了する。ROYの歌声もとても心地好く響いていく。TAXMANも「気持ちいい」とつぶやいていたのが印象的だった。

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この15周年の締めくくりとも言うべきタイミングで、11月27日にニューアルバム『Section #11』がリリースされることをROYが報告すると、その最新作から2曲、「SKIPPIN’ STONES」、「BLUES GOD」が披露された。いずれもTHE BAWDIESの新章を象徴するような、とにかくかっこいいとしか言いようのないロックンロールたち。彼らがバンドとしてとても良い状態にあること、そしてさらにアグレッシブに突き進んでいく意思を持っていることを感じさせる、新曲とは思えないほど練り込まれたアンサンブルに痺れた。

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終盤、この特別なセット、仕様でのライブについてROYは改めて「これよくない?」とメンバーに問うと、TAXMANは「これ、バンドマンが見てたら絶対真似したくなるよね。特許取ろう」と言っていたけれど、確かにこの規模感でこの親密さ、エンターテイメント性を実現させる設えは見事というほかない。さらにこの様子は5台のカメラを駆使して生配信もされていて、オンラインでマルチアングルにて楽しむこともできる仕様。現場とはまた違った楽しみ方ができるという点でも斬新なライブであった。そのお祭り感とライブ感は、THE BAWDIESの4人のメンバーのキャラクターに絶妙にマッチしていて、最高のエンターテイメントとして成立していたし、ロックバンドのエネルギーをダイレクトに感じさせる場として、最高のロケーションを実現させた。

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最後は「IT’S TOO LATE」で最高潮へと向かう口火を切ると、ダンスパーティーさながらの「B.P.B」、客席のシンガロングも絶好調の「SING YOUR SONG」と続き、フロアの隅々までが飛び跳ねる圧巻の景色を見せた「JUST BE COOL」で本編終了。とにかく気持ちいい。楽しい。アンコールに応えて登場したメンバーたちによる全力の小芝居(360度仕様のステージで見るこの小芝居がまた、最高に可笑しかった)から「HOT DOG」へとつなぐお約束を楽しみ、本当のラストに披露されたのが「KEEP ON ROCKIN’」。メンバー全員がぞれぞれ客席とのコミュニケーションを楽しむように暴れまわり、フロアのハンドクラップも素晴らしいビートを叩き出す。そして曲間では、これまた恒例の「ダンス天国」のスキャットによるコール&レンスポンスを全員で思い切り楽しむと、天井知らずの爆発力でまた「KEEP ON ROCKIN’」が響き渡る。最高のエンディングだった。

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最後はいつものようにTAXMANの「ワッショイ!」で締めくくる。この日は謎の「アニマル式」が採用され、会場一体となって祭りの終わりを祝福した。現在進行形で進化を続けるTHE BAWDIESだからこその幸福なロックンロールショー。新作のリリースと、そのツアーが楽しみになる夜でもあったし、この形式での「360度ライブ」はぜひともまたいつか再演してほしいとも思った。彼らは最高の夜をまたひとつ刻みつけた。しっかりとルーツを根底に感じさせながら現代のロックを高らかに鳴らす、つくづく稀有なバンドであると誰もが実感したことだろう。ここからまた始まるTHE BAWDIESの新章に期待が心底高まる一夜となった。

取材・文=杉浦 美恵 撮影=橋本 塁(SOUND SHOOTER)

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