くるり、インディーズ時代の1st&2ndアルバム2タイトルがアナログリイシュー

くるりのインディーズ時代の1st、2ndアルバム2タイトルが来年1月15日にアナログリイシューされる。
1stアルバム「もしもし」は、彼らの代表曲となる「東京」のデモ音源を唯一収録した1000枚限定発売のアルバムのため、オークションサイトで高額取引され続ける超レア盤。ソングライティング後、すぐに録音された「東京」は、より強く感情的に歌い上げられ、初期衝動そのままにアレンジが施されており、むき出しとなってあらわれる楽曲の強さに触れることができる。
本アルバム収録6曲それぞれ、バラエティに富みながらもすでにくるり独特の魅力に満ち溢れており、特に彼らの楽曲を語る上で外すことができない傑作「虹」はデモ音源ながらその完成度の高さは圧巻。叙情的な歌の中で際立つ優れた楽曲構成力とバンドアンサンブル、ハーモニー。この名曲を当時、若干20歳すぎの大学生トリオロックバンドが生み出したものだということに驚きを禁じ得ない。
キャリアの節目ごとにクラシックやジャズ、ヒップホップ、そして多種多様な土着音楽を飲み込み、革新的な作品を生み出し続ける彼らの原点にして、音楽そのものの可能性を感じることができる歴史的必聴盤だ。
2ndアルバム「ファンデリア」は、淡々と丁寧に音を紡ぎ、聴き手それぞれに異なる色合いや温度感を想起させ、景色や感情をにじませながら、心の中にあるオリジナルストーリーのページを一つ一つめくるように歌声がやさしく寄り添う。ただ、そういった素晴らしい名曲を並べるだけのアルバムを作らないのもくるりらしい。
「坂道」のショートインストルメンタルでやさしくはじまる「Interlude」から一転、くるりの中毒性をそのままに激しく疾走する初期ライブ定番曲「モノノケ姫」、ゆったりした三拍子から独特の広がる展開を見せる「Old-fashioned」、ロウなラップから摩訶不思議なアンビエント世界へ向かう「Yes mom I’m so lonely」「続きのない夢の中」「雨」などの隠れた名曲がアルバム全体に深みを与える。
指向性を一つにとどめることなく、その時代背景や自身の音楽的嗜好性を色濃く反映しながら「誰も聞いたことがない世界」をアルバム1枚で作り上げる。
インディーズ盤ながら丁寧なプロダクションのもと、そのほとばしる才能をあますところなく発揮し、これから長く続いていく彼らの音楽の旅のはじまりを高らかに鳴らした名盤だ。
関連リンク
関連リンクはありません
広告・取材掲載