広告・取材掲載

広告・取材掲載

高岩遼 アルバムリリース記念ライブが大盛況で終了、Yaffleとの「The Christmas Song」カバー音源公開

アーティスト

高岩遼

SANABAGUN.、THE THROTTLEのフロントマンでもある高岩遼のソロ・デビュー・アルバム「10」のリリースを記念したライブが12月12日に東京・渋谷クラブクアトロで開催された。

舞台上に今回高岩と共にアルバムを作り上げたTokyo RecordingsのYaffleが登場し、フランク・シナトラ「I’ll Never Smile Again」をサンプリングしたクラブサウンドのトラックが流れ、アルバム10曲目収録の「I’m Gonna Live Till I Die」で披露される高岩の“語り”部分に変化していくと、会場からは笑顔と期待に溢れた声が湧き起こり、28歳以下で構成されたというビッグバンドのメンバー総勢17名がステージに現れた。

最後に、満を持して登場した高岩の姿はシルバーに染められた髪の毛、ファッションブランドCHRISTIAN DADAのオーダーメイドという真っ白のスーツという姿であり、その衝撃的なビジュアルに会場は大きな驚きと盛大な拍手に包まれた。

そんな大歓声のなか、高岩が敬愛するフランク・シナトラのレパートリーでもある「I’m Gonna Live Till I Die」と「Too Close For Comfort」でスタート。ビッグバンドに合図を送りながら歌唱する姿は歴代のエンターテイナーたちに通じるような貫録を感じさせた。

堂々と二曲を終えた高岩が「今日は楽しんでってよ、よろしく」と語ると、アルバム4曲目収録の「Blame Me」が演奏され、1,2曲目の往年のビッグバンド・ジャズの雰囲気から一気にアーバン・ソウルのムードに。続けて、マイルス・デイヴィス等、様々な偉人の言葉をサンプリングしたYaffleの前衛的なトラックからアルバム収録のファンキーなオリジナル・ナンバー「Someday Looking Back Today (Space Neon)」へ流れ込んでいく。ビッグバンドでありながら、ファンキー・サウンドとトラップ・ビートが合わさった同曲に会場のテンションも一気に急上昇していった。
 

高岩遼

「この曲をアルバムのなかで一番最初に聴いてくれた人が多いと思う」と高岩が語った後に披露されたのは、高岩の誕生日8月27日に第一弾先行配信シングルとしてリリースされた「Black Eyes」。現代ビート・ミュージックの要素と、LAジャズ・シーンのカリスマ、カマシ・ワシントンの壮大な音楽性に通ずるようなサウンドに会場は圧倒されていく。

観客が圧倒されたまま曲が終わると、高岩は改めて観客に挨拶をしながら「今日12月12日はフランク・シナトラの誕生日で、この日でしかリリース・ライブはやらないと決めてました。そんなシナトラのナンバーを2曲続けてお聴きください」と述べ、「Ol’ Man River」と「Strangers In The Night」が続けて演奏された。

「Ol’ Man River」はミュージカルの挿入歌であった原曲にリスペクトを込めたアレンジ、「Strangers In The Night」はコンテンポラリー・ソウルと言っても過言ではない斬新なアレンジが施され、共にシナトラの有名なレパートリーでありながら、全く異なるアプローチで披露された。

エレクトリック・ピアノでメランコリックなメロディが奏でられ、その上で「この曲は22歳ぐらいのときにグランパとグランマのために書きました」と言って演奏されたのは、アルバムのなかで唯一高岩遼ひとりで作詞作曲したオリジナル曲「Sofa」。同曲では、常にパワフルに突き進んでいくパブリック・イメージとは異なる内省的な高岩の一面が垣間見ることができた。

さらに続けて、OKAMOTO’S、Suchmos、Creepy Nuts、CHAIといった人気グループのメンバーたちを含む音楽・ファッション業界で活躍する高岩の関係者約30名が参加し、リリース前に大きな話題を呼んだレッドブル制作の映像作品「髙岩遼、お前は誰だ?」にも使用された「Try Again」のイントロがスタートする。

アルバムでは、淡々とつぶやくようにポエトリー・リーディングに近いスタイルのラップが録音されている同曲だが、この日はより熱っぽく一言一言が発せられた。「この体三つあれば あの頃語りあった夢は もっと近づいていたかな なんて夜はとっくに置いてきた」「まだ何も始まっちゃいない やるだけ繰り返し Try Again」と歌詞にあるように、困難さえもガソリンに変えてSANABAGUN.、THE THROTTLE、SWINGERZと3つのグループを率いていくという高岩の決意が込められた一曲に、涙するファンの姿も。

そして「あと二曲でライブは終わっちゃうんだけど、俺は必ずてっぺん取るんで、よろしく」と言葉が発せられスタートしたのは、アルバム「10」のリード・ソング「ROMANTIC」。高岩曰く“銀河系ラヴソング”である同曲は、軽快なハウス・ビートと豪華なビッグバンド・サウンドが見事に融合し、その上で一聴するとクサいと思われてしまうくらいに真っ直ぐな愛が歌われるキラー・チューン。会場は、この日最高の盛り上がりをみせ、ダンス・フロア状態に。
 

高岩遼

「ROMANTIC」の興奮冷めやらぬなか、Yaffleが奏でるシンセサイザーの上で再度観客に感謝を述べて演奏されたラスト・ナンバー「TROUBLE」では、躍動感のあるビートと壮大なビッグバンドのサウンドの上で高岩が高らかに歌い上げ、ライブ本編が終了。

アンコールでは、これまで高岩とジャズ・クラブで演奏してきたTHE THROTTLEのメンバーでもあるベーシスト菊池藍とピアニスト松本翼という二人のジャズメンを迎え、アルバムのラストに収録「My Blue Heaven」の2曲を披露。上記の二人にドラマーの橋詰大智を加えたライブ音源がアルバム「10」のラスト・ナンバーであり、気心知れたメンバーとのコンボ・ジャズに観客席の雰囲気もそれまでの緊張感のあるものからリラックスした様子に。

その後、再度ビッグバンドをステージに召集して披露されたのは「Let It Snow」、「Have Yourself A Merry Little Christmas」、「Santa Claus Is Coming To Town」といった誰もが知るクリスマスの名曲をピアニストの千葉がアレンジしたこの日だけのクリスマス・メドレー。本編で披露したクールな高岩とは打って変わって、まさにショーマンと言えるステージングを披露した。

会場がクリスマス特有の多幸感に包まれるなかビッグバンドメンバーがステージを降りると高岩はYaffle一人をステージに呼びだし、二人で披露されたのは「The Christmas Song」。類い稀なるヴォーカリストとしての高岩の才能と、Yaffleの現代的なエッセンスが互いを支え合うようなサウンドであり、改めて高岩遼というシンガーとYaffleというサウンド・クリエイターの相性の良さを存分に感じられた。

なお、同曲は既にレコーディングを行い、YouTubeの高岩遼オフィシャル・アカウントで公開中とのこと。最後に、「12月24日にこのライブのアフターパーティーやるから来てくれよな」と言って高岩がステージを後にし、この日のライブを終了した。90分という限られた時間のなかで、フランク・シナトラのようにゴージャスなビッグバンドの上で朗々と歌い上げる往年のエンターテイナー像と、ブルーノ・マーズのように現代的なビート・ミュージックの上で華麗にパフォーマンスを披露する現代のスター像が、自然に調和する瞬間を見ることが出来たこの日のライブは、まさに新しい時代のエンターテイナー高岩遼が誕生した瞬間と言えるかもしれない。

平成が終わり、新たな時代に突入するという転換期に登場したこの新たなエンターテイナーから目が離せない。

photo by Yuki Aizawa

関連タグ