PassCode、「Taking you out TONIGHT! Tour 2018」ツアーファイナルライヴレポート到着
12月22日に、アジア2カ国を含む全20公演に及ぶ自身最大規模のバンドセットツアー「PassCode Taking you out TONIGHT! Tour 2018」の最終公演を東京・Zepp DiverCityで行ったPassCode。そのソールドアウトとなった公演のライブ・レポートが到着した。
4人組ラウドロックアイドルユニットPassCodeが20本に及ぶ全国&アジアツアー「Taking you out TONIGHT! Tour 2018」の最終公演を東京・Zepp DiverCityにて行った。
実は2年4ヶ月前にも彼女たちはこのステージに挑んだことがあるが、満足のいく集客ができず、ライヴの内容も本人たちとしては納得できるものではなかった。しかし、リベンジ公演の意味合いもあった本公演は見事ソールドアウト。2階立ち見席まで販売するほどの盛況となった。
一度の失敗にくじけず、楽曲とライヴの力で再びここまで這い上がってきた彼女たちの努力は称賛に値する。しかも、実際のライヴは「過去のリベンジ」なんていうレベルにとどまらない、国内最強ライブアイドルの座を奪取する勢いの凄まじいものとなった
ライヴは最新シングル「Tonight」の耳をつんざく爆音で幕を開けた。BABYMETALやPerfumeで知られるMIKIKO率いるダンスカンパニー「ELEVENPLAY」所属のKOHMENが振り付けした緻密なダンスと、メンバー各自のキャラクターが随所に現れたパフォーマンスで場内の熱気を一気に高めたあとは、「ONE STEP BEYOND」へと突入。ここまでは定番の流れだ。
しかし、3曲目に今ツアー初披露となる「Kissの花束」のイントロが鳴らされた瞬間、場内は歓喜の大絶叫に包まれた。MY FIRST STORYのドラマーKid’zをはじめとする屈強なバックバンドが鳴らすラウドなサウンドが注目されがちなPassCodeだが、これは彼女たちのポップな魅力が味わえる初期の名曲。
ラウドとポップという一見相反するサウンドが何の違和感もなく溶け込み、ファンに受け入れられているのもPassCodeの大きな魅力のひとつである。
現在放映されているDMM.comのCMが話題の今田夢菜によるシャウトは、いつも以上に極悪だった。下水管に響き渡るかのような低く図太い咆哮は、ステージを重ねるたびに迫力を増している。
歌唱面で全体を引っ張る大上陽奈子も安定した歌声を届けた。オートチューンを駆使するボーカルは、少し音程を外すだけでも大きくメロディからズレてしまう特性があるが、彼女はそんなことに臆する様子を見せず、堂々たるパフォーマンスを見せた。特に「TRICKSTER」で聴かせた伸びやかなボーカルは見事だった。
グループで最も高い安定感を誇る高嶋楓は、しなやかなダンスを中心にパフォーマンス全体を支える屋台骨となって陰になり日向になり躍動した。彼女が与える安心感は計り知れないものがある。
そして、PassCodeのスポークスウーマンでもある南菜生は、ありとあらゆる言葉で観客を牽引し、メンバーを鼓舞し、誰よりもステージを駆けずり回って奮闘した。強い意志と不屈の闘志を持つ彼女が、PassCodeというグループをここまで引っ張ってきたと言っても過言ではない。
新旧の人気曲をふんだんに盛り込んだセットリストも見事で、「Club Kids Never Die」における観客の大合唱は、興奮を通り越して胸にグッと迫るほどの一体感を生み出した。アンコールで初披露された新曲「It’s you」もこの日が初めてとは思えないぐらいの盛り上がりで、4人の人気が今後さらに高まっていく予感を抱かせるには十分だった。
ライヴ中、本公演のDVD/Blu-ray化、メジャー2ndアルバムのリリース、グループ初となるZeppツアーといった大きなニュースが立て続けに発表された。2019年、PassCodeによる進撃が本格的に始まる。
文:阿刀 “DA” 大志