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ザ・シネマティック・オーケストラ、12年振りの最新アルバム「To Believe」完成 4月に来日ツアーも

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その名の通り、映画的で壮大なサウンドスケープを繰り広げるザ・シネマティック・オーケストラ(以下TCO)が12年振りに帰って来た。12年振りの最新アルバム「To Believe」を3月15日にリリースする。

ジェイソン・スウィンスコーを中心にロンドンで結成されたTCOは、99年にデビュー・アルバム「Motion」を発表。ジョン・コルトレーンやマイルス・デイヴィスへのオマージュに満ちたジャジーな本作で注目を集めた彼らは、2ndアルバム「Every Day」(02年)で本格的にオーケストラ・サウンドを導入。伝説的ソウルシンガー、フォンテラ・バスも参加した本作品で、ジャズ、クラシック、ヒップホップ、エレクトロニカなど様々な音楽性を融合させて音楽性を広げていく。

そして「Ma Fleur」(07年)では、様々なヴォーカリストをゲストに招き、まるで一本の映画のようにドラマティックな世界を作り出した。収録曲「To Build A Home」は、世界各国で映画やTVCMに起用されただけでなく、フィギュアスケートの新たな定番曲としても知られている。

それから12年の時を経て、遂に新作「To Believe」が完成した。
 

ザ・シネマティック・オーケストラ「To Believe」

TCOの魅力は、映像を喚起させる物語性豊かなサウンドだ。01年にポルトガルで開催された映画祭に招かれた彼らは、「ドキュメンタリーの父」と呼ばれるジカ・ヴェルトフ監督の古典的名作「カメラを持った男」に音楽をつけるという試みに挑戦。09年には映画『ディズニーネイチャー/フラミンゴに隠された地球の秘密』のサントラを手掛けた。

そして、11年には実験的な短編映画に音楽をつけるプロジェクトをスタートさせ、ドリアン・コンセプトやトム・チャントなどをゲストに迎えて「In Motion #1」(12年)を発表するなど映像的なサウンドを探求。感情を揺り動かすエモーショナルなメロディー、風景が浮かび上がる奥行きのあるサウンドは「To Believe」でますます磨きがかかっている。

またジャズからの深い影響、そしてモダンなエレクトロニックのプロダクション・テクニックを取り入れた唯一無二のサウンドは、パイオニアとしての彼らのステータスを揺るぎないものとしたほか、エレクトロニック・ミュージックの若いリスナーにジャズを紹介するという重要な役割を果たし、フローティング・ポインツやカマシ・ワシントン、バッドバッドノットグッドら次世代アーティストにも大きな影響を与えている。

アルバムに先駆けて2016年にリリースされた表題曲「To Believe」では、ジェイムズ・ブレイクの新作「Assume Form」への参加も話題のシンガー、モーゼス・サムニーをフィーチャー。

その憂いを帯びた歌声を繊細なストリングスが彩っているが、本作のストリングスを手掛けたのは、フライング・ロータスやカマシ・ワシントンなどの作品を手掛けてきたLAシーンのキーパーソン、ミゲル・アトウッド・ファーガソン。LAシーンとの繋がりは、今は亡き天才ピアニスト、オースティン・ペラルタを介してのものだったという。

ミゲルの他にも、ドリアン・コンセプト、サンダーキャットのバンドメンバー、デニス・ハムなど、いま注目を集めているレーベル・Brainfeeder関係のアーティストが参加しているのも見逃せない。

また「Every Day」収録の名曲「All Things To All Men」以来のコラボとなる、ルーツ・マヌーヴァをフィーチャーした「A Caged Bird/Imitations of Life」では、ジョン・スコフィールドやベースメント・ジャックスなど様々なアーティストと共演してきたオランダの交響楽団、メトロポール・オーケストラが参加。オーケストラとエレクトロニックが融合した壮大なサウンドを展開する。

さらにジャイルス・ピーターソンが絶賛するロンドンの女性シンガー、タウィアをはじめ、グレイ・レヴァレンドやハイディ・ヴォーゲルといったTCO作品に欠かせないシンガーたちも参加。

さらにミックス・エンジニアには、アデル、デヴィッド・ボウイ、U2、ベック、フランク・オーシャンら錚々たるアーティストたちの作品を手掛け、グラミー賞も受賞している屈指の名エンジニア、トム・エルムハーストを起用。

「Ma Fleur」の世界をさらに深化させ、透徹した美意識に貫かれた本作は、今年でデビュー20周年を迎えた彼らの集大成ともいえる傑作だ。

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