超特急が今年で5回目となる男祭りを開催、会場を埋め尽くす男8号車と灼熱の祭りを繰り広げる
6人組ダンス&ボーカルユニット・超特急が2月3日、毎年恒例の男性限定ライブ「BULLET TRAIN BOYS GIG」を恵比寿リキッドルームにて開催した。
熱気あふれるライブハウス空間での肉体派なパフォーマンスに飛び散る汗、アロハシャツを主とした機能性重視の衣装、8号車と呼ばれるファンをステージに上げての対決企画、何より場内から湧き上がる野太い声と、今年も男性限定ライブならではの場面が次々に展開。奇しくも今年の1本目となったライブで、フロアを埋め尽くした“男8号車”と共に灼熱の祭りを繰り広げ、2019年を最高の形で幕開けた。
2015年から始まった超特急の男性限定ライブ、通称“男祭り”も今年で5回目。初回の渋谷DESEOから表参道GROUND、Shibuya DUO、渋谷CLUB QUATTROと年々会場をスケールアップし、今回の恵比寿リキッドルームもチケットが秒速で完売という事実からも、男8号車の着実な増加ぶりは明らかである。
超満員のフロアに“オス!”の掛け声が飛ぶ“漢”バージョンのオーバーチュアが鳴り、「男祭り2019、スタート!」というリョウガの号令から「超えてアバンチュール」でライブは開幕。
忙しないビートでフロアを沸騰させると、分厚い歓声とペンライトが振り上がり、ユースケによる曲中のキメも本日はもちろん「男、好きだぞ!」「もっと!」「まだまだ!」とヘドバンを誘うユーキの声もブチ切れそうな熱さで、そのまま「男!」と煽り立てて男祭りの常連曲「Drive on week」へ。
力いっぱいメンバーコールするフロアにカイは「男、最高!」と叫び、男密度100%だからこその不思議な色気を醸して楽曲の人気を納得させるや、なんとスーパーハイテンションな「超特急です!!!!!!!!」を序盤から投下。
フロアに湧き起こる野太いコール&レスポンスは、さすが男祭りだけのもので、鬼気迫る勢いで「超特急です!」と全力シャウトする6人も汗だくになって床を転げ回り、「カオス!」とこぼす。
また、MCを末っ子の7号車・タカシがリードするのも、男祭りではお馴染みの光景。ライブ恒例の口上ではフロアからあがる太い声に、メンバーは口々に「気持ちいい!」と喜んで、「最終的な目標は8号車が男性と女性で半々になること」(タカシ)、「男祭りをアリーナでやりたい」(カイ)と抱負を語る。
続いて「お前らに全力で届けます」とタクヤが前置き、優しくやわらかの印象の強い{Yell}のダンスが意外なほどエモーショナルであることを実感させるのも、ステージとの距離が近いライブハウスだからこそ。
さらに、イントロで歓声があがった「We Can Do It!」ではセクシーな視線とアクションで男8号車を魅了し、最新アルバム「GOLDEN EPOCH」収録の「コーシエンノイ」でも、挑発的なパフォーマンスで、フロアに歓声とペンライトを振り上げさせる。
また、「ikki!!!!!i!!」の曲中では「男たち、今日は節分の日だな」(ユースケ)と、今年の恵方である真後ろの東北東を向いて、6人全員で恵方巻きを“イッキ”食べするシーンも。ガリガリ担当で人一倍食の細いリョウガは、男8号車の声援を受けながらも時間内に食べきれず、なんと恵方巻きを食べながら曲後半を踊るというレアすぎる光景を見せてくれた。
まさしく、男たちの汗が飛び散るタフなライブ展開の中盤には、男の中の男はどちらか?を決めるべく、男祭り恒例である男8号車との三番勝負も行われた。
いわく「超特急の中で誰よりも男」なタクヤが司会を務め、メンバー自身でフロアから6人の男8号車を選んで3つのペア戦に挑み、まずはリョウガ&タカシが“Tシャツ重ね着対決”に参戦。
しかし、8号車チームが驚異の12枚で勝利すると、カイ&ユースケが挑んだ“段ボール組み立て&積み上げ対決”に、タクヤ&ユーキが参加した“肩車スクワット”でも知力と体力をフル発揮して、超特急チームを撃破した。
また、相方を悠々とスクワットしてMVPを獲得した男性には、推しメンと自転車に2人乗りして全力でペダルを漕いでもらい、その分だけ次の「超越マイウェイ」でメンバーに明かりが当たるという特典(?)も。
推しメン・ユースケの指示により、彼は汗だくになりながらノンストップでペダルを漕いで、見事ステージに光を満たした。
ラストスパートでは「Oh!」の代わりに「オス!」を連呼しながら拳を突き出す「SAY NO」に、元気な「SAIKOU KOUSHIN」と2018年の新曲を畳みかけて、後者では昨年同様にユーキとユースケが客席にダイブ。
フロアの一番後ろまで流されて戻ってくると、さらに「毎年一人ずつ増やしてるんですよ、ダイブを」とタクヤが初めて8号車の波に乗り、逞しい男8号車の腕でフロアを前後左右にサーフしてみせた。
そのまま「バッタマン」へと雪崩れこんで、ユースケと雄叫びのコール&レスポンス合戦を繰り広げた男8号車は、本編が終わっても“俺の!”“超特急!”という男祭りならではのコールでアンコールをリクエスト。
それに「お前らの超特急だぞ!」とリョウガが応えて、ユーキがデザインした“押忍雄男くん”Tシャツを着たメンバーが再登場すると、タカシは「男8号車の皆さんには、企画でも団結力あるチームワークを見せてもらえて、僕たちもパワー貰えます」と、年々勢いを増す男8号車に感謝を表す。
その言葉通り、「走れ!!!!超特急」では男8号車も電車ごっこスタイルで隣同士が繋がり、対する「Burn!」では6人が自身のイメージカラーと8号車のカラーであるピンクのペンライトを2色使いで振り上げて、フロアで大合唱する男8号車たちを照らし出した。
全曲を歌い終えて「男8号車のみんな、愛してるぜ!」とタカシが叫べば、「普段は女性が多くて遠慮してた人も、今日この日をキッカケにライブで全力で声出してください」とカイもメッセージ。
また、「(ダイブは)毎年一人ずつ増えてますから、来年も期待してさらに鍛え上げてきてください」(タクヤ)、「来年はもっともっとデカいステージで最高の祭りをしたい。もう今から準備するわ!」(リョウガ)と、早くも来年の再会を約束する。
全てのアーティストにとって、同性の心を捉えることができるというのは大きな武器。最後に「みんなのおかげで今年も最高の1年になりそうです」と伝えたユーキの言葉通り、3月のファンクラブツアーに4月からは10万人を動員する史上最大規模のホールツアーと、ライブづくめの2019年を迎える彼らにとって、男たちの厚く、熱い声援が大きな力になっただろうことは間違いない。
写真:米山三郎
文:清水素子