平井堅、20周年を迎えたKen’s Barクリスマスイブ公演をWOWOWで全曲ノーカット放送
平井堅がライフワークとして毎年欠かさず開催している究極のアコースティック・ライブ「Ken’s Bar」が2018年で20周年を迎えた。
本人が「最初(1998年の第1回公演)はキャパ50人ぐらいの会場だった」と振り返るように、小さなライブハウスからスタートして東京ドーム公演までを実現した、まさに平井堅の歴史と共にあるライブだ。WOWOWでは「平井堅 Ken’s Bar 20th Anniversary Special!! in 横浜アリーナ」と題し、12月24日に神奈川・横浜アリーナで行われた公演を、2月11日20:00から全曲ノーカットで放送する。
ギターやピアノ、ウッドベースなどアンプラグドの楽器と共に、しかもなるべく伴奏を少なくして「生の歌声」を届ける「Ken’s Bar」。12月24日の横浜アリーナを満員の観客が埋め尽くした中、平井堅は歩いてステージに登場し、グランドピアノの前へ。オープニングナンバーは平井堅が初めて作詞作曲での楽曲提供をしたJUJUの「かわいそうだよね」を弾き語りでしっとりと歌い、続いてヒット曲「思いがかさなるその前に・・・」をステージ中央の椅子に座り披露した。
「1年で一番ロマンティックな夜、クリスマスイブにいらしてくださいまして本当にありがとうございます。本日が今年最後のライブパフォーマンスになります。歌うサンタクロース・平井堅の歌声で温めてやるからな、横浜BOYS & GIRLS!」
MCでそう宣言すると、「POP STAR」を初めてJazzyなアレンジで聴かせ、冬の恋の歌である「LIFE is…」「センチメンタル」を次々に披露した。「Ken’s Bar」の見どころのひとつであるカバー曲では、郷ひろみと樹木希林がデュエットした1978年のヒット曲「林檎殺人事件」と井上陽水の「リバーサイドホテル」をセレクト。「林檎殺人事件」は2018年に逝去した樹木をリスペクトする意を込めて、ハート型のサングラスをかけ振り付けもこなす軽快なパフォーマンスに。また、「リバーサイドホテル」では本家にも劣らぬムードたっぷりの世界観を作り上げた。
客席からのリクエストコーナーもこのライブならでは。ボールをキャッチしたお客さんと睦まじげな会話をし、この日は「Sweet Pillow」「瞳をとじて」が披露された。
そして、終盤に続けた4曲は圧巻のクライマックス。「君の好きなとこ」はギターの演奏に乗せてさわやかに。「LOVE OR LUST」では、ウッドベースとセッションするように低音から高音までを変幻自在に歌った。「KISS OF LIFE」では伸びやかな声を聴かせ、「Love Love Love」では恋の喜びを高らかに歌い上げた。そして、本編ラストは昨年発表し、ロングセールスを記録した「ノンフィクション」。ギター演奏のみで力強く歌い、その声が響き渡った会場全体からは大きな拍手が巻き起こった。
「『Ken’s Bar』が20周年を迎え、ここまでこられたのは歌手冥利に尽きます。もうダメだと思ったりまだイケると思ったり、倒れては起き上がるの繰り返し。でもせっかく小さい頃の夢だった歌手になれたので、自分に伸びしろがあると信じ、僕自身が平井堅という歌手を育てながらもっと進化した平井堅をみなさんに見せられるように頑張っていきます。」
そう語ると、アンコールではピアノを伴奏しながら「half of me」を熱唱。この楽曲は名曲「even if」の10年後をせつなく描き、ライブのみで歌われてきたが、2018年にドラマ主題歌となりシングルリリースされた。そんなふうにいつの時代も色あせないメロディと豊かな楽曲群を持ち、唯一無二の歌唱力をさらに磨き上げている平井堅。その到達点をライブ放送で見ることができる。
写真:上飯坂一、山谷佑介