岸田繁「交響曲第二番」LINE LIVEで“まるごと”オンエア
くるりのフロントマン・岸田繁が制作、広上淳一指揮、京都市交響楽団演奏による「交響曲第二番」初演のCDリリースを記念し、3週にわたりLINE LIVE番組の配信が決定した。
このプログラムでは、リリース前ながら「第二番」の第一楽章から第四楽章まで、フルサイズでオンエア。放送は3月10日、17日、24日10:00からと16:00からの1日2回、計6回の放送を予定している。合わせて青澤隆明によるライナーノーツの一部も公開された。
なお、3月30日には東京オペラシティコンサートホールで「交響曲第二番」初演の東京公演が行われる。
ライナーノーツより一部抜粋
さて、交響曲第二番である。第一番が岸田繁の響きの想像力を拡張したものだとするなら、今作はより緊密 に絞り込んだなかで、構築的な表現を探求した作品となった。オーケストラの編成より管楽器が縮約され、 楽章数は5から4へ、演奏時間も50分から40分程度に短くなった。
キャンパスも絵具もそれだけ集中することで、和声の多様性と繊細さは色濃くなっている。書法的にはソナタ形式や対位法的な組み立てを意識し、伝統的な枠取り強化された。
第一番が多彩な響きの空間をそぞろ歩きする愉楽のように、思いがけないアイディアの接続や唐突な展開の驚きを含むものだったのに対して、今作は楽章ごとに連綿とした流れが展開と変容によって織り成される。
異なる着想の接続がカット繋ぎのように目まぐるしくスウィッチングする面白さが、本作ではひとつの生の流れを追うように煮詰められていく。