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サザンオールスターズ、時代をまたぐツアーを東北の地・宮城からスタート

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第一線を走り続けて40年という、まさに“国民的ロックバンド”と呼ばれるにふさわしい活躍を、メモリアルイヤーも展開してきたサザンオールスターズが、その1年を締め括る全国ツアー「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」がついにスタートした。

今回のツアーは、全国6大ドームを含む全11箇所22公演という巨大ツアー。サザンのドームツアーは、今までに5大ドームを含むツアーを2回(2005年、2015年)、4大ドームを含むツアーを1回(1999年※当時は札幌ドームが存在しなかった)、それぞれ行ってきているが、6大ドームというのは今回が初めて。長い歴史の中でも最大級規模のツアーとなる。

3月30日、ツアースタートの会場となった宮城セキスイハイムスーパーアリーナは、2011年の東日本大震災以降、使用できなくなっていた同会場の復活を、桑田佳祐が自身の病後の復活ライブとともに実現させた場所。

また翌2012年には、同会場内に桑田が震災復興の願いを込め、桜の植樹をするなど、大きな縁のある地でもある。活動休止を経て、サザンが復活した2013年の野外ツアーでも宮城スタジアムを最終公演の地に選ぶなど、都度さりげなく東北の地に対する思いを表現してきたサザンオールスターズらしいツアー幕開けでもあった。

その思いを伝えるかのように、開始まもなくビジョンに「再会の日宮城へ帰ってきたよ」「お越しくださいまして ありがとう」「みんなの笑顔に会いたくて セキスイハイムスーパーアリーナへやって来た」というメッセージが映し出されると、会場は温かい歓声と拍手に包まれた。

全国ツアーは、2015年の“サザンオールスターズ LIVE TOUR 2015「おいしい葡萄の旅”以来約4年ぶりとなるだけあって、会場は開演前からヴォルテージは最高潮。メンバーがステージに現れイントロでリズムが入る瞬間、会場全体は、はち切れんばかりの歓声に包まれた。
 

サザンオールスターズ 3月30日 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ 撮影:岸田哲平

演奏曲は、昨年発表された「壮年JUMP」「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」から、「思い過ごしも恋のうち」(1979年同名SG)などデビュー間もない頃の楽曲、また平成元年に発表された「女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)」(1989年同名SG)といった久々に披露される曲まで、実に36曲にもおよぶ楽曲を披露、その時間は約3時間30分。

「ゆけ!!力道山」(1993年SG「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」収録)など、昭和のスーパースターがビジョンに登場する曲などもあり、全編を通して昭和〜平成そして新たな時代へと、40年もの長きにわたり第一線を走り続けているバンドの重みを感じさせるに十分のヘビー級のセットリスト。会場に集まった9000人のファンはその充実の内容に、誰もが歓喜の表情を浮かべていた。

時は、平成から新たな時代へと変わりゆくタイミング。2日間の宮城公演が終わった翌日には、新たな元号が発表され、全国ツアーの最中に日本は新たな時代へと突入することになる。そういった意味では、今回は、「時代をまたぐ」ツアーということができる。

そんなツアーの大きなハイライトのひとつは、まだどこにも発表されていない新曲が演奏されたこと。この曲は、最終的な完成はまだされておらず「ツアーでお客さんとともに熟成させていく曲」と語られた。つまり、「時代をまたいで完成する、新時代初のサザンオールスターズの新曲」ということになる。40年の年月を経てなお、現在進行形という姿に、このバンドの凄みを感じざるを得ない。

タイトルやリリース等も未定だが、心に染み入ってくるようなバラード曲、どのように今後熟成されていくのか、楽しみなところである。

ツアーはすでに発表されているように、6月15日、16日の東京ドーム公演まで続き、全公演で50万人超を動員する予定。数多くのファンに祝福され、不世出の“国民的バンド”メモリアルイヤーの大団円を飾ることとなる。

撮影:岸田哲平