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ザ・コインロッカーズ、メンバー39人総出演の初ライブを下北沢で披露

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メンバー39人が所属する、注目のガールズバンドプロジェクト、ザ・コインロッカーズが5月27日と28日の2日間に渡り、東京・下北沢GARAGEにて初のワンマンライブ「SHOCASE LIVE SPECIAL」を開催した。

ザ・コインロッカーズの全国オーディションは2018年9月から開始され、同年12月23日に無観客のZepp Tokyoで総勢39名でのバンド結成を発表した。

1年後となる2019年12月23日にZepp Tokyoで開催されるワンマンライブのソールドアウトを目指して活動をスタートさせ、今年4月に表題曲の選抜メンバーが決定。

本公演は、6月19日にリリースされるデビューシングルの「憂鬱な空が好きなんだ」(日本テレビ 土曜ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」主題歌)に先駆けてスタートした、全国5都市150公演に及ぶ初のライブハウスツアーの初日と2日目に位置する、スペシャルなお披露目ライブで、表題曲の選抜メンバーは両日ともに出演。

即日ソールドアウトとなった会場には数多くのメディア関係者も駆けつけ、2日間とも超満員。身動きが取れないどのすし詰め状態と熱気の中で、観客は5組のバンドの初のステージを見届けた。

1日目のトップバッターを務めたのは、1stシングルの初回限定盤Aのカップリング曲となっているフォークロック「月はどこに行った?」を担当するバンドで船井美玖と中村雪音によるツインボーカル編成。

緊張のあまり、アカペラによる歌い出しの歌詞をいきなり間違えるというシーンもあったが、客席に飛び込みそうなほど前のめりだったエレキギターの吉田桃を始め、そんなハプニングには負けない勢いのよさと全力の演奏で観客を盛り上げた。

MCでは船井が、担当曲について、「ザ・コインロッカーズに加入して間もない私たちなんですが、夢と希望を持って上京してきた私たちにとって、とても身近で大事な大事な曲になっているので、たくさんの方達に届けたいです!」と大きな声を張り上げた。

続く表題曲選抜メンバーは一転して落ち着いたムードで、メンバー全員でドラムの森ふた葉の方を向いて息を合わせて、表題曲「憂鬱な空が好きなんだ」でライブをスタート。

ボーカルの松本璃奈は観客にクラップを煽る余裕も見せるなど、聴かせるパートと観客と一緒に盛り上がりたいパートが明確。

メリハリのついたステージングで、エレキギターの手塚愛乃のコーラスや、HANNAのギターソロ、エレピとオルガンの色彩の違いなど、各メンバーの個性も際立っており、楽器を演奏しながらのバンドメンバー紹介もスムーズ。

プロジェクト最初の選抜メンバーに選ばれ、レコーディングやMV撮影、数多くの取材などを、数多くの現場を共に経験してきた絆の強さと自信のようなものを感じせるステージとなっていた。

そして、この日の最後に登場したのは、ベースのЯuuとドラムの成澤愛実を中心にした、39人のメンバーの中でも突出した演奏技術を持つ、テクニカルなバンド。

宇都宮未来と山本朱莉によるツインボーカル編成のバンドは観客からの拍手の歓迎を受けて登壇し、エネルギッシュにラウドにプレイ。この日の中では最もロックバンド然としたステージングを見せ、フロアには「オイ!オイ!」という掛け声が湧き上がった。

山本は「この日まで毎日毎日、練習を重ねてきました。初ライブのステージを皆さんと作り上げることができてすごく嬉しいです。人生で一度しかないデビューライブが最高のステージになりました」と語り、最後に彼女たちが担当する青春パンク「歌いたくて歌いたくて」(全形態収録)を歌うと、場内は大合唱となった。

あいにくの雨模様となった2日目となる5月28日は、SHOWROOMのユーザー投票によって選ばれたSHOWROOM選抜バンドによる「憂鬱な空が好きなんだ」で幕を開けた。

アコギをかき鳴らしながら歌う植木美心をボーカルに配し、ドラムレスという編成で、ドラムのビートはキーボードの泉真凜が打ち込んだトラックを使用。

「桜なんか嫌いだ」では植木と髙橋美紗稀が見事なハーモニーを響かせ、表題曲選抜ライブの最大のライバルとしての高いポテンシャルを感じさせてくれた。

SHOWROOMユーザーからの高い人気を獲得した早坂つむぎと福田瑠佳は、ファンからの応援に感謝の気持ちを伝え、「この7人で初のライブハウスに立てて、とても幸せです。これから努力し続けて、成長していきたいと思います」と力強く語ると、場内からは温かい拍手が沸き起こった。

ツインベースにツインドラムという8人編成による、カップリング楽曲「最後の蝉」選抜は、荒削りながらも瑞々しいバンドサウンドを、まっすぐに表現。

ボーカルの竹内月音が「まだまだな私たちですが、一生懸命に頑張るので、これからもよろしくお願いします」とキュートな笑顔で語りかけたあと、カップリング曲である夏のラブソング「最後の蝉」では、演奏前にクラップの練習をし、観客との一体感を生み出していた。

大トリを飾ったのは、前日とは異なるパフォーマンスを見せた表題曲選抜バンド。「憂鬱な空が好きなんだ」から「月はどこに行った?」「歌いたくて歌いたくて」という流れは同じながらも、ボーカルの松本を始め、各メンバーはステージ上を自由に動き回るようになり、初心者としての不安からか常に下を向いてエレキギターを弾いていた絹本夏海も顔を上げ、メンバーとアイコンタクトをしながら、笑顔も見せた。

心の中の弱さや葛藤もストレートにぶつける歌と演奏は力強く、バンドのグルーブもしっかりしており、観客を自然と踊らせるシーンもあった。最後に松本が「これからツアーが始まりますが、たくさん会いに来てくれたら嬉しいです」と挨拶し、「私たちがザ・コインロッカーズです!」と声とこぶしをあげる5組のバンドによる初ライブは幕を閉じた。

これからザ・コインロッカーズは、表題曲選抜バンドをはじめとする、5バンドに分れそれぞれがライブを重ね、バンドとしての力をつけていく。果たして12月23日にZepp Tokyoで開催されるワンマンライブではどんな成長と進化を見せてくれるのか。今から楽しみでならない。

このライブのダイジェスト映像は、ザ・コインロッカーズのオフィシャルInstagramのストーリーズにて期間限定で公開されているので、是非、チェックしてほしい。

TEXT 永堀アツオ