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カルメン・マキ&OZ 再結成ツアーがスタート、集まった1,000人のファンを圧倒

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「カルメン・マキ&OZ 45th Anniversary and “the Last Tour”」神奈川公演 PHOTO:畔柳ユキ
「カルメン・マキ&OZ 45th Anniversary and “the Last Tour”」神奈川公演 PHOTO:畔柳ユキ

カルメン・マキ&OZのデビュー45周年を記念した再結成ツアーが11月23日より、神奈川・CLUB CITTA’でスタートし、集まった1,000人のファンを圧倒した。

カルメン・マキ&OZは1974年にデビュー。翌1975年に1stアルバムをリリース。グランド・ファンク・レイルロードの来日公演のフロント・アクトを務めるなど、数少ない女性シンガーのロックバンドとして活動するも1977年10月の新宿厚生年金会館でのコンサートで解散。昨年10月、川崎クラブチッタの30周年記念イベントで41年ぶりに再結成。当初一夜限りの再結集であったが、再演を望む声が後を絶たず、今年のデビュー45周年を機に再結成ツアーを果たした。

メンバーはカルメン・マキ(ヴォーカル)とカルメン・マキ&OZ結成時からの盟友、春日博文(ギター)、ベースの川上シゲ、ドラムの武田“チャッピー”治にキーボードの厚見玲衣の5人。昨年のライヴの成功を経て今回は気力も体力もフル充電で望む。

17:10、2ndアルバム「閉ざされた町」のオープニング・イントロダクションのSEが流れる中、真っ黒な衣装に身を包んだカルメン・マキがステージ・センターにゆっくりと表れる。大地を震わさんばかりの重量級のサウンドが一斉に火を吹きパフォーマンスがスタートした。セットリストはカルメン・マキ&OZ名義で発表した3枚のオリジナル・アルバムの楽曲を中心に選曲。

これに加え、マキ&OZ結成前に竹田和夫率いるブルース・クリエイションとのアルバム曲、カルメン・マキ&5X時代の曲にソロ・ナンバー。さらに春日と川上が1983年に結成したNOIZのレパートリーに春日のソロ曲と、これまでの45年間の軌跡をも辿れる構成。轟音サウンドだけでなく、アコースティック編成でファースト収録の「きのう酒場で見た女」を披露するなど、ステージ・ヴァリエーションも多彩。

春日博文から炸裂するギター、厚見玲衣のメロトロンを始めとするキーボード群の音色、武田“チャッピー”治と川上シゲが繰り出す無骨なまでのリズムは、頑なまでに70年代当時の彼らの音。あの時代を生き抜いてきた者だけが出せる唯一無二のサウンドであり、令和の時代にも違和感はない。そこへカルメン・マキの地を震わせるような声量と天にまで届くかのような迫力あるセンシティブなヴォーカルが畳み込まれる。その凄まじいまでの表現力にオーディエンスも身体を震わせることを忘れ、しばし呆然と見惚れるほど。圧巻はマキOZの代表曲でもある「私は風(1975)」。

この曲を演るのは、やはり特別なものがあるのだろうか。演奏前にメンバー全員が一呼吸を入れる。そしてイントロが奏でられや場内から怒涛の歓声が上がる。冒頭の静かなパートではマキが「一緒に歌おうよ!」と客席にマイクを向けると1000人の大合唱が始まった。続くメイン・パートに備えオーディエンスは来るぞ、来るぞと身構える。そして遂に来た本曲のハイライト。場内はこれ以上はないと思えるほどに盛り上がる。転がるように次々に繰り出されるサウンドの洪水に観客は陶酔し場内はカオス状態。20分超に及んだ一大抒情詩は、ハード・ロックとプログレッシブ・ロックの真髄をこれでもかと見せつけた。

インターミッションを挟んで3時間強。終始、オーディエンスを圧倒し続けた貫禄のパフォーマンスで、再結成ツアー初日を終えた。この後、彼らは40数年ぶりにツアーに出る。「メンバーみんな還暦過ぎて、下手すりゃ古希だもん。死なないで帰って来れりゃ、いいんだけどね」とマキは客席を沸かせた。

カルメン・マキ&OZ再結成ツアーは、11月28日に札幌、12月4日に大坂、5日に名古屋。12月13日に福岡で千秋楽を迎える。

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