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星野源、スペシャルゲストアクトにマーク・ロンソンを迎えたNY公演レポート公開

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「Gen Hoshino POP VIRUS World Tour」ニューヨーク公演 Photo by Taku Fujii
「Gen Hoshino POP VIRUS World Tour」ニューヨーク公演 Photo by Taku Fujii

星野源のワールドツアー「Gen Hoshino POP VIRUS World Tour」、先日の上海公演に続く2本目となるニューヨーク公演が11月25日、マンハッタンに位置するSony Hallにて開催された。

スペシャルゲスト・アクトとしてマーク・ロンソンを迎え、さらに星野のステージには“Same Thing”でコラボレーションを果たしたSuperorganismのオロノがサプライズで登場してライブ初共演を果たすなど、特別な一夜となったこの日の模様を有泉智子氏(MUSICA編集長)がレポート。

レポート

初のニューヨーク公演はソールドアウト。当日は会場であるSony Hallのスタッフ達も「こんなことはオープン以来初めてだ」と言うほどに、朝早い時間帯から長蛇の列ができていた。

まずはスペシャルゲスト・アクトとして名を連ねたマーク・ロンソンのステージから。星野とマークは2018年12月に幕張メッセ以来、二度目の共演。今回はなんと4人のシンガーを招聘してのライブとなった。しかもその内のひとりは、新たなポップアイコンとして現在加速度的に注目を集めているキング・プリンセス。マーク自身はアップライトピアノやキーボード、ギターをプレイしつつ、この日のための特別なライブを繰り広げた。

その後20分ほどの転換を挟み、21時過ぎから星野源のライブがスタート。暗転と同時に上がった歓声に迎えられ、メンバーが登場。この日のチケット購入者はほとんどが北米在住のお客さんとのことだが、オーディエンスの熱気から本当に待ちに待った公演であったことが伝わってくる。割れんばかりの歓声の中、スッと深く息を吸い込んで歌い始めた星野のその声を皮切りに、ホール全体が大きくグルーヴしていった。

今回のニューヨーク公演のバンドメンバーは、長岡亮介(Gt/ペトロールズ)、河村“カースケ”智康(Dr)、櫻田泰啓(Key)、石橋英子(Key)、STUTS(MPC)という、ドームツアーでも星野と共に音楽を響かせたお馴染みのメンツに加え、ベーシストとして三浦淳悟(B/ペトロールズ)が参加。ホーンやストリングスが入らない編成でのライブは2014年のツアー以来となるのだが、たとえばこの日「I dedicate this song to Michael Jackson.」という星野のMCと共に演奏された“SUN”、あるいは“地獄でなぜ悪い”のような曲が、この編成で演奏されることでまた新鮮な表情を見せたのが印象的だった。音の構成がソリッドであるが故に、星野楽曲の骨格にあるファンク/ジャズ/ソウルに対する解釈と音楽的昇華が、いつも以上に前に出る形で響いてくる。

星野の歌唱も、とてもいい。集中力がありながらも風通しのいい、星野自身がバンドの演奏、オーディエンスとのグルーヴ、そしてそこに生まれてゆく音楽に心躍らせながら歌っていることが伝わってくる、そんなパフォーマンス。ステージもフロアもとにかく熱量が高い。演奏の熱とその抜群の気持ちよさにオーディエンスがどんどん惹きこまれて場の熱が増し、それによってまたミュージシャンの熱も音楽の熱も増していくような、その循環が天井知らずに繰り返されていくような、とても幸福で密度の高い音楽的な熱狂がぐんぐんと膨らんでいった。

サプライズ・ゲストとしてSuperorganismのオロノが登場し、一緒に歌い鳴らした“Same Thing”ではこの日一番の大きなシンガロングが発生。バンド編成で巧みにリアレンジされた演奏、そして満面の笑顔で歌い叫ぶ観客の歌声も含め、一夜限りの特別な音楽とそれを共にシェアし合う喜びが、ここに確かに生まれていた。それはまさに、星野源が「Same Thing」というEPを通して体現したことの本質を、見事表していたように感じられた。

星野が生み出したPOP VIRUSは、様々なボーダーを超え、今も広がり続けている。そんなことを大きな幸福感の中で強く感じさせる夜だった。

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