CHAI、「N.E.O.」と映画『37セカンズ』劇中アニメーションのコラボPVを公開
2019年2月に開催されたベルリン国際映画祭にて史上初の2冠となる、パノラマ部門の最高賞(観客賞)と国際アートシアター連盟(CICAE)賞を獲得したHIKARI監督の初長編監督作品『37セカンズ』の劇中に登場するアニメーションと、本作の挿入歌である「CHAI」が手がけた「N.E.O.」のコラボPVが完成した。
『37セカンズ』は、ベルリン国際映画祭のほかトロント国際映画祭を始めとする世界各地の映画祭から招かれ、第18回ローマインディペンデントフィルムフェスティバルではグランプリ、第39回ハワイ国際映画祭のオフィシャルコンペティション部門では新人監督賞および第42回ミルバレー映画祭ワードシネマ部門マインド・ザ・ギャップにて観客賞を受賞。「日本映画を新しいステージへと昇華させた作品」と、すでに世界中の映画ファンから熱気をもって迎えられている。
生まれた時にたった37秒間呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かない身体になった主人公・貴田ユマ(佳山明)。親友の漫画家のゴーストライターとして働いて自分の作品として出せないことへの寂しさや歯がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護になってしまう母・恭子(神野三鈴)との生活に息苦しさも感じていた。自分にハンディ・キャップがあることをつきつけられる日々だか、それでも23歳の女性として望んでいいことだってあるはず。そんな思いの狭間で揺れる日々。そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で「新しい世界」を切り開いていくことになる。本作は、自己表現を模索しようともがく中で、様々な人たちと出会い、思いもよらない展開でドラマティックにひとりの女性の成長を描いた物語だ。
今回解禁されるコラボP Vは、劇中で主人公のユマがゴーストライターとして描く漫画をモーショングラフィックとして生まれ変わらせるために、漫画家・甘党一斗と Sachikoの2人が特別に書き下ろした作品。
コマ割りなどの絵コンテを担当したSachikoは「障害というものを暗く重たく表現するのではなく映画の中で見せてくれるユマのポテンシャルと、マンガだからこそできる非日常を最大限に生かしてマンガの中で自由自在に生きるもう1人のユマを描きたい」「ユマはたまたま外側が障害というだけであり内にはこんなに可愛い願望や力強い意識を秘めているんだよ!というメッセージを動画に詰め込んでいます。」と述べ、イラストを手掛けた甘党一斗は「ユマの願望、ユマが見ている世界を2次元の世界観でどう比喩表現するかを重点的に考え、この動画を見て、映画を見て、そしてまた動画を見てこの展開は映画のこの部分を表現しているのかもしれない…と、ぜひ皆さんに考察を楽しんでいただきたいです」とこのコラボPVに込めた想いを語り、CHAIの音楽に載せていく作業については「リズムに合わせてストーリーが進むことは面白いが、リズムが早いのでページ数が増えて大変ではありましたが、とても楽しかった」と、振り返った。
一度聴いたら忘れられないポップで力強いメロディーと歌詞が今回のアニメーションの世界観とぴったりマッチしたモーショングラフィックは、藤林久哉の編集によるもの。「漫画の世界観と、この楽曲のキャッチーさは相性が良く、この疾走感が画として単調にならないよう、あえてリズムを外した展開を盛り込み、良い違和感として気持ちよく感じるかが、重要な部分でした」と語る。
流れるポップな楽曲は世界最大規模で開催されるアメリカの音楽祭「SXSW」に2年連続出演、経済誌「Forbes Japan」(2018年10月)では“世界を変える30歳未満30 人の日本人”に選出されるなど音楽シーン以外でも大きな注目を集める女性 4 人組ユニット CHAIが手がけた「N.E.O.」。“NEO かわいい!” J-POP で世界中を沸かせる彼女たちの楽曲とのリンクが素晴らしい仕上がりとなっている。