ソニー・ミュージックレーベルズの新人コンベンション開催、個性あふれる有望株が勢揃い
2月6日、東京・Zepp DiverCityにて「Sony Music Labels 2020」が開催された。
「Sony Music Labels 2020」はソニー・ミュージックレーベルズの各レーベルから、今後の音楽シーンを賑わせるであろうイチオシの新人アーティストが出演するコンベンションイベント。
2015年のスタートから5回目を迎える今回はGirls²、ALI、崎山蒼志、リーガルリリー、神山羊、遥海、Seven Billion Dots、Rude-αというバラエティに富んだアーティストが出演。それぞれの個性と持ち味を活かしたパフォーマンスで、多くの観客を魅了した。
ジャンルもスタイルも異なる今回の出演者は、今後の音楽シーンに新しい旋風を巻き起こす可能性を十分に秘めたアーティストばかり。このイベントを通じて、個性あふれる2020年の有望株にぜひ注目してもらいたい。
「Sony Music Labels 2020」のオープニングを飾るのは、今回の出演者で最年少となるGirls²。「恋するカモ」からライブをスタートさせると、激しくも息のあったフォーメーションダンスで観客を圧倒。一方で、MCでは初々しさを感じさせる場面もあり、そのギャップに心を奪われた者も多かったはずだ。
多国籍集団ALIはコーラスやブラスセクションなどをフィーチャーしたこの日一番の大所帯で、今回のコンベンションに臨む。テレビアニメ「BEASTARS」のオープニングテーマとして話題となった「Wild Side」を筆頭に、全4曲から構成されたこの日ならではのスペシャルメドレーは、息もつかせぬ怒涛の展開を見せ、ゴージャスかつグルービー、そしてアグレッシブという唯一無二のスタイルで自身の存在感を印象付けた。
ステージにはギターアンプひとつというシンプルなセッティングの中、アコースティックギターを抱えて登場した崎山蒼志は、強烈なギターストロークとともに「五月雨」を熱く歌い上げる。スクリーンにはインパクトの強い歌詞が表示され、彼の演奏を盛り上げていく。続く「undulation」ではパーカッシブなギタープレイと個性的な歌声で、観る者すべてを圧倒させることに成功した。
シンプルな3ピース編成のリーガルリリーは、この日も彼女たちらしいマイペースなステージを展開。「好きでよかった。」ではたかはしほのか(Vo, Gt)の突き抜けるようなボーカルと胸に直接響く歌詞、オルタナティブロック感の強いバンドアンサンブルで独特の存在感を提示。続く代表曲「リッケンバッカー」ではノイジーかつ疾走感の強い演奏で持ち時間を駆け抜けた。
ドラム、ベース、キーボードという編成で臨んだ神山羊のステージは、カラーバーの映像と同期したインストナンバー「TV Show(In the Bedroom)」でライブを開始。続いて、「群青」のMVと同じオレンジのコートを着た神山が登場すると、ファンからの支持の高い「YELLOW」、テレビアニメ「空挺ドラゴンズ」オープニングテーマに抜擢されているメジャーデビュー曲「群青」の2曲を歌い、その存在感をアピールした。
圧倒的な歌唱力が魅力の遥海は、自身の歌声を多重録音したトラックを用いてビヨンセの「LISTEN」からライブをスタート。突き抜けるような圧巻のボーカルで会場の空気を掌握すると、続く「Pride」ではピアノと女性コーラス隊とともに美しいハーモニーを会場に響かせた。その美しくも強い生命力を放つ遥海のボーカルに、多くの観客が心を動かされたことだろう。
コンベンションも終盤に差し掛かった頃に登場したSeven Billion Dotsは、壮大なスケール感の「A Piece of The World」「Stay With Me」という2曲を用意。Masafumi(Vo)の伸びやかなボーカルと、緻密ながらも大きなノリを持つバンドアンサンブル、一聴しただけで一緒にシンガロングしたくなるコーラスなどで観る者を魅了した。
「Sony Music Labels 2020」のラストを飾るのは、沖縄出身の新世代ラッパーRude-α。盟友DJ ISSEIとともにステージに登場した彼は、ライブをはじめYouTubeやストリーミングサービスでも人気の「wonder」「It's only love」を披露。オープニングからステージ上をところ狭しと動き回りつつ、スウィート&メロウなナンバーでトリにふさわしいパフォーマンスを繰り広げた。
(取材・文/西廣智一)