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T-BOLAN、全国ツアー初日のオフィシャル・ライブレポートが到着

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「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020『the Best』~繋~」埼玉・羽生市産業文化ホール
「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020『the Best』~繋~」埼玉・羽生市産業文化ホール

T-BOLAN、2020年のツアー「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020『the Best』~繋~」が2月8日 埼玉・羽生市産業文化ホールにて初日を迎えた。

「前回の“励”ツアーで、メンバー全員で一緒に旅したことによりバンドの音もメンバー間の感覚も熟し、『T-BOLANがT-BOLANになった』という感じがしています。今回のツアーでは、みんなの期待に沿えるような一夜一夜を作っていけるんじゃないかな?」

ツアー前、そう話したボーカルの森友嵐士。メンバー間の絆を確認し、次のステージへ進むT-BOLAN。ファンとの距離を大切にする彼らがつけた今回のツアータイトルは「繋」だ。

ライブ開始前から「繋」を実感できる試みが行われている。それは各会場限定で流れるオリジナル番組「T-BOLAN Be With You」。これは90年代に東海ラジオで放送された、森友の伝説的なラジオ番組。今回ライブ会場限定で復活した番組に対し、ファンはT-BOLANのオフィシャルサイトからメンバーに直接メッセージを送ることができる。

その土地に対する思いを丁寧に話す森友の声に、耳を傾け一喜一憂する羽生の観客たち。ライブ会場に入った瞬間から、ツアータイトルにある「繋」を体感できる素敵なファンサービスだ。

ステージ上、スクリーンには青をバックに「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020 the Best TSUNAGU」の文字が白く浮かび上がる。定刻から10分ほど時間が過ぎ、スクリーンにカラフルなコラージュ画像が流れる。

激しいドラムの音とともにステージの幕が下りると、森友嵐士(Vo)、五味孝士(Gt)、青木和義(Dr)の3人と、サポートメンバーのベースNATCHINとコーラス坪倉唯子が黒を基調とした衣装で姿を現した。

1曲目は前回のツアーのタイトルでもある「Re:I」。今回のツアーが前回のツアーから繋がっていることを予感させるオープニングだ。テンションの高いナンバーに客席のボルテージも一気に上がる。続いてT-BOLANにとって初のオリコンチャートベスト10入りとなった「じれったい愛」。森友の声に坪倉のコーラスが気持ち良く絡みつき、会場には大きな声援が飛び交う。

「“T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020『the Best』~繋~”へようこそ!みんな良い顔してる。」と、森友。続いてツアータイトルである「繋」について話し始めると、久しぶり会えたファンだけでなく、初めてT-BOLANのライブに来た観客も、年月に関係なく再会を喜び、全体が早くも一体感に包まれた。

ブルージーなギターソロで始まったのは3rdシングルの「JUST ILLUSION」。原曲はミクスチュー調のアレンジだが、今回のツアーでは腰に響く重厚なハードロックをベースにしたアレンジが施されて、現在進行形のT-BOLANを体感できる。森友がSNSで「久しぶりに歌う曲に新鮮な気持ちにさせられちゃってるよ。あの曲のあのバージョン、かなり、いい感じ 笑」と投稿した。20年以上ライブで演奏されていないこの曲を聴くだけで、大いにライブを訪れた価値がある。是非、会場に足を運んで確かめて欲しい。

今回は、演奏される曲やMCのテーマに併せて様々な映像をステージ上に流す演出が、施されている。貴重なオフショット、“繋”のメッセージに併せ作成されたムービー、それは森友の「繋がる心、繋がる力、繋がる未来。僕たちは未来守る知恵と決心を持っている」という言葉に繋がってくるようだ。森友嵐士は、言葉をとても大切にしているアーティストと感じる。MCで話す言葉一つ一つが、聴く側に曲の新たな解釈を教えてくれる。昨日まで聴いていた曲にも、また違う彩りを与えてくれるのだ。

「ここで奇跡の男の登場です。T-BOLANオン・ベース、上野博文!」と森友が呼び込み上野が登場した。2015年くも膜下出血で倒れ生死を彷徨ったが、献身的な介護の末に意識が回復、その後のリハビリとステージに立つという目標に支えられ、奇跡の復活を遂げた。客席からの「上野さん笑って!」の声に、手を上げ大きな声で「ハイ!」と返す上野。ベースを持ち足元を確かめながら歩く上野の姿は、メンバー、ファンだけでなく、多くの人々が勇気をもらうのではないだろうか。笑顔で「大丈夫、大丈夫」と答えながら、上野は力強く右手を上げた。

その上野が加わりライブは後半戦に突入。曲のサビ部分で観客にマイクを向ける森友。恥ずかしそうに歌う観客に対し優しく歌詞をレクチャー。その姿を後ろから笑顔で上野は見つめる。

観客に手拍子を促しリズムを作る森友。ドラムの青木も観客とともに手拍子でリズムを作り始まったのは「刹那さを消せやしない」だ。そして「SHAKE IT」「傷だらけを抱きしめて」…、T-BOLANライブ後半のアップテンポのナンバーが怒涛のように畳み掛ける。

「ラスト!」という掛け声で始まったのはライブの定番曲「My life is My way」(2月28日より配信されるAmazon Prime Video オリジナルドラマ「湘南純愛組!」の主題歌として、新たにバラードバージョンで生まれ変わっている)。

時を超え、当時と変わらぬ想いを円熟した音で聴かせてくれたT-BOLAN。最新型のT-BOLANを堪能できる今回のライブであった。

そして今回のツアーのオブジェ・映像・音・照明…多くの人たちの努力によって形になったライブ。このツアーでは、様々な新しい試みでT-BOLANと観客の心を繋いでくれたのだが、最終的には以前と同じ場所で心を繋いでくれている気がする。

ラスト「また会おうぜ!」という森友の声が会場に響き渡り、T-BOLAN、2020年のツアー「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020「the Best」~繋~」初日は幕を閉じた。

「砂浜のような受ける波によって、いつも変化し続けるバンドでありたい」

その言葉通り、T-BOLANは形を変えながら、さらに進化していくだろう。そのことを実感するライブであった。止まることより、進化することを選んだバンド。このライブが初夏のツアーファイナルを迎える頃にはどのように変化するのだろうか。T-BOLANの「繋」ツアーは、まだ始まったばかりだ。

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