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安全地帯、34年ぶりのスタジアムライブをWOWOWで全曲ノーカット放送

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安全地帯 IN 甲子園球場「さよならゲーム」
安全地帯 IN 甲子園球場「さよならゲーム」

2019年11月に大阪・阪神甲子園球場で行われた安全地帯34年ぶりのスタジアムライブの模様を2月22日にWOWOWで全曲ノーカットで放送する。

北海道旭川市で結成し、1982年にレコードデビューした安全地帯。翌年シングル「ワインレッドの心」が大ヒットし瞬く間にスターダムにのし上がった彼らは、数々の名曲・ヒット曲を連発しヒットチャートを席捲。その後何度かの活動休止と再開を経たが、その実力と人気は常に音楽シーンの頂点に君臨している。

令和元年11月16日、彼らは34年ぶりとなるスタジアムライブを開催した。会場は、バンド史上初となる甲子園球場。特別な期待感が高まる中、約3万8千人の大観衆が集いスタジアムを埋め尽くした。

柔らかな午後の陽射しに包まれたスタジアム。定刻を過ぎ、オープニングSEとして童謡の様な優しいフレーズの「ENDLESS」が流れる中、メンバーが笑顔でステージに登場する。

1曲目は「We’re alive」。玉置浩二は「見わたすかぎりの甲子園球場」と歌詞を変えて歌う。続く「情熱」ではホーンセクションをフィーチャーしたバンドサウンドに乗せ「夢ははじまったばかり」と叫ぶ。それは彼ら自身のことであり、満場の聴衆へのメッセージだ。

そんな穏やかな空気を、ヘヴィなナンバーが激しく切り裂く。男女の愛の刹那を描いた「銀色のピストル」、湾岸戦争とバブル経済に翻弄される日本に警鐘を鳴らした「1991年からの警告」そして「みんなSNSを楽しみすぎて」と歌詞を変えて歌った「Lonely Far」。30年前に発表された作品が、令和の時代によりリアルに響く。それこそが時代を鳴らしてきた彼らのロックバンドとしての矜持だ。矢萩渉と武沢侑昂のツインギターが妖艶に絡み、客席にいながらも背筋を伸ばしてしまう様なスリリングな演奏だった。

中盤は彼らの代表曲が続く。ステージに火柱が上がった「熱視線」から、激しいシャウトが木魂する「好きさ」。ステージ上も客席も思い切り弾けた「プラトニック>DANCE」。

六土開正のベースがグルーヴィなリズムを刻む。彷徨う魂を叫ぶ「遠くへ」から、極めつけは珠玉のLOVESONG三連発だ。「恋の予感」「碧い瞳のエリス」そして「Friend」。誰もが震える様な息遣いの歌を固唾を呑んで聴き入っていた。

夕日が外野スタンドの下に暮れていく中インスト楽曲「夕暮れ」が演奏される。続いて歌われたのは郷愁に溢れた「夢のつづき」と、無垢な愛を歌い上げた「あなたに」。優しい余韻が場内を包む。

一瞬の静寂が生まれた次の瞬間、マイナー・コードのギターが奏でられる。「ワインレッドの心」だ。誰もの心に突き刺さるイントロに、大観衆が喝采を贈る。ステージの照明が赤から青に変わり、続いて歌われたのが「蒼いバラ」だ。瑞々しさがより潤いを増している様な演奏に、客席のあちこちからため息が上がる。

一転してアップテンポなリズムとスクラッチが刻まれる。「真夜中すぎの恋」だ。客席の熱気に誘われるかの様に、歌い終えた玉置がステージからグラウンドへ駆け降りる。無数のオーディエンスとタッチしエネルギーを交感し合う。見事な演奏を続けるメンバーの待つステージに息ひとつ切らさず戻ってカウントを取ると、そのまま「じれったい」へ。リミッターは完全に振り切れていた。

そして、感動的なフィナーレ。メンバー紹介の最後に玉置はドラムスティックを掲げ、病気療養のためこの日のステージを欠席したドラムスの田中裕二の名前を叫ぶ。そして「悲しみにさよなら」、続いて「ひとりぼっちのエール」へ。零れ落ちそうな小さな愛をすくい上げる歌だ。いつの間にか日が落ち暗くなった場内を、大合唱に合わせて客席の携帯電話の灯りが左右に揺れ動く。荘厳な風景だった。

アンコール1曲目は「I LOVE YOUからはじめよう」。イントロと共に一斉に白いジェット風船が夜空に飛ばされていく様は壮観だった。楽曲後半では七色のテープが舞い、オーディエンスと共に「あきらめない」ことを誓う。

ラストは故郷への想いを馳せる「あの頃へ」。スクリーンにはメンバーの出身地である北海道を連想させる雪山の映像が映し出される。彼らはまたバンドの原点に還る。そんなメッセージが込められている様に感じた。その原点とは、きっと愛だ。

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