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のん主宰「NON KAIWA FES vol.2」を無観客で開催、リーガルリリー、チリヌルヲワカ、阿部真央ら4組が競演

アーティスト

NON KAIWA FES vol.2
Photo by Kentaro MINAMI

のんが主宰する音楽イベント「NON KAIWA FES vol.2」が2月29日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて行われた。

ただ、この日のライブは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、異例の無観客状態での開催。客席にあるのは、このライブを収録し後日放送するMTVのカメラ11台のみ。NON KAIWA FESは2017年12月に開催された「NON KAIWA FES Vol.1 ~音楽があれば会話ができる!~」に続く第2弾。

「女の子の怒りはポジティブなパワーになる!」というテーマを掲げ、4組の女性ボーカルのアーティストが11台のムービー・カメラの前で2時間20分超のパフォーマンスを繰り広げた。

この日のイベントのためにのんがデザインした恐竜キャラクターのオコリボンにちなみ、胸に3つのリボンをつけた巨大な恐竜(こちらは名前不明)が、右手後方に鎮座するステージに最初に現れたのはリーガルリリーの3人。ボーカル&ギターのたかはしほのかの、のんとの出会いは2012年の閃光ライオット会場。「ムスタング・ギターをジャ~ンと鳴らしていたのが、凄くカッコよかったことを覚えてます!」と思い出を語り「呼んでくださって、まさに夢のようです!」と本当に嬉しそう。触れると崩れてしまいそうな儚く切ないボーカルに、凄まじいまでの破壊力を持ったギターとドラムにベースが絡むクールで熱いパフォーマンスを展開。最新アルバム収録曲等、5曲を演奏し30分のステージを疾走した。

続いて登場したのはチリヌルヲワカ。ボーカルのユウはGO!GO!7188時代から、のんのリスペクトしてやまないアーティストで、今回のNON KAIWA FES vol.2で遂に競演が実現した。ライブは真っ白なコスチュームに身を包んだユウの青いテレ・キャスターがかき鳴らされてスタート。3ピースというミニマムな編成ながら、途轍もなくデカい音を弾き出す。中盤のMCでは「今日はほんとに貴重なイベントで、ここにいられて良かったです!」とTVの前で見るオーディエンスに呼びかけ、後半もソリッドな音を剥き出しにしてグイグイと迫る圧巻のパフォーマンスを見せつけた。

冒頭、「あぁ~、みんなに会いたかったね!」とTVの前にオーディエンスに語りかけた阿部真央のライブは「ロンリー」で始まった。この日の彼女は真っ赤なボディのアコースティック・ギター1本を持って、たったひとりでステージに立つ。のんがラジオで「17歳の唄」をオンエアした事をきいたのを機に、のんを知ったという阿部真央。ふたりを繋ぐきっかけとなった「17歳の唄」等、5曲をアコースティックギターをかき鳴らしながら熱唱。その立ち居振る舞いはフォーク・ソングの女王と呼ばれたアメリカの女性アーティスト、ジョーン・バエズを彷彿させるほど。最後に「早くみんなが笑って一緒に歌えますように!」と話してステージを降りた。

NON KAIWA FES vol.2のトリはのんシガレッツ。本イベントのテーマ”女の子の怒りはポジティブなパワーになる!”にちなんでRCサクセションの「プン・プン・プン(オコリンボ リンボ)」や、日常に起きている怒りをぶちまけるように歌った新曲「こっちを見てる」など”怒り”曲を披露。中盤にはチリヌルヲワカのユウがゲストで登場。のんのアルバムに書き下ろした2曲を共に演奏。憧れのミュージシャンとの初共演に、のんも「めちゃめちゃ特別でした!」と大興奮。

のんをサポートするシガレッツ、昨年キーボード奏者が加わり音に厚みが増した。盤石な演奏をキープするバンドの演奏をバックに、のんは伸びやかに楽しそうに歌い継いで行く。フェスのオーガナイザーとしての自覚と責任感からか、“座長”の貫禄も出てきた。

アンコールは全出演者がステージに結集。和気あいあいと全員で歌って演奏する様は、女子会のような楽しさ。ステージ後方に鎮座する恐竜も、ヘッドバンギングで彼女たちのパフォーマンスに応える。ラストにはステージ左右のキャノン砲から” 2020.2.29うるう年!! オコリンボさいこー。怒りをかわいがれ!”とのん直筆のメッセージがプリントされたメタルテープが発射され、2時間20分に及んだNON KAIWA FES vol.2は、異例の無観客ライブの中、無事に終了した。

この日の模様は3月29日18:00からMTVにて放送予定。また、会場で販売予定されていたオリジナル・グッズはオンライン販売中。

Text by 石角隆行