秦 基博、山田孝之主演の映画『ステップ』主題歌「在る」MV公開
秦 基博が手掛けた山田孝之主演の映画『ステップ』の主題歌「在る」のミュージックビデオが公開された。
「在る」は、製作陣の熱烈オファーを受けた秦が本作を観て書き下ろした渾身の一曲。聴く人を優しく温かく包み込む、大切な人たちへの想いが込められた歌詞とメロディが、早くも評判となっている。
映画公開を記念して作られた今回のミュージックビデオでは、作詞作曲を手掛けた秦自らが出演し、演奏と歌唱を披露。また、映画で山田演じる健一の娘・美紀の6~8歳時代を演じた人気子役の白鳥玉季も、美紀役としてミュージックビデオに出演。
撮影は、実際に映画に登場するロケ地で実施。健一が幼い娘・美紀をベビーカーに乗せて歩く坂道や、陸橋、三差路など、登場するのはいずれも父娘が人生の重要な一歩を踏み出すシーンで度々映し出される、象徴的なスポットだ。そこに秦が降り立ち、ギターを弾きながら「在る」を繊細に歌い上げている。秦が陸橋で歌唱するシーンでは、ちょうどサビの部分で陸橋の下を電車が走る様子をおさめることに成功。メガホンを取った飯塚監督は「とてもいいタイミングで電車が通るところを撮れたので、効果的な絵になっていると思います」と自信をのぞかせている。
また飯塚監督は、「どんな場所で秦さんに歌ってもらおうかと考えた時に、妻を亡くした健一と美紀が再出発する場所じゃないと、何も撮れないと思った」と語り、『映画で美紀の成長に合わせて俯瞰で撮っていたあの場所以外で撮ることは、思いつかなかったですね。その場所で、見る人の背中を押すようなものが撮れればいいなと思っていました』と“場所”にこだわって撮影したことを告白。出来上がりについても、「この場所で主題歌と映画がうまくリンクしたんじゃないかな」と手ごたえを感じていることを明かしている。
秦も、映画のキーとなる場所での撮影に「そこで自分が歌っているというのは、不思議な気持ちでしたが、とても嬉しかった。」と素直な気持ちを語りつつ、あらためて主題歌「在る」の曲作りについても言及。「映画を見させていただいた後、エンドロールにどんな曲が流れたら良いのかなというのをイメージしていて、それであのギターのフレーズだったり、歌詞のいくつかが出てきたという感じでした。そこから完成に至るまで、映画からいただいたインスピレーションをもとに楽曲が生まれていきました。」
また、今回曲作りにおいて重きを置いたのは、映画の主人公・健一が妻を亡くしたことに代表される「喪失感」だったという。「誰かがいなくなってしまうこと、だけどそこに存在するということ、それは映画からすごく感じたことでした。」と、主題歌との向き合い方を語った。
天国から見守ってくれている妻を近くに感じながら、“うまくいかないことだらけ”の毎日を娘とふたりで過ごしていく健一。映画『ステップ』はそんな健一を中心とした物語だが、秦はその上で「いろんな人にとって、それぞれの存在がどんな風にして「そこに在るのか」ということをすごく考えさせられる作品」と本作を絶賛。「僕も『在る』という曲を書きましたが、自分でも考えることがたくさんあって、たくさんの人たちとの繋がりの中で今があるし、その先があるということを強く感じる映画だなと思いました」と語っている。