日比谷音楽祭2020、開催中止で仕事を失ったスタッフへ「少額でも補償する」クラウドファンディングを募集開始
日比谷音楽祭実行委員会は、5月30日・31日の日比谷音楽祭2020の開催中止により当日就くはずだった仕事を失った日比谷音楽祭2020を支える裏方スタッフに対し、「少額でも補償する」試みとして、クラウドファンディングを4月20日よりスタートした。
新型コロナウイルスの影響で公演中止・延期となった音楽ライブや舞台公演は3月時点で約1550件、損害額は推計450億円に達するといわれている。音楽ライブや舞台公演、イベントを支える技術豊かな裏方のスタッフは、仕事のない状態が一か月以上続いており、このままではこの仕事を続けられなくなってしまう人が出てくる可能性があり、彼らが持つ経験や技術までもが失われてしまう。大変な状況にあるのはエンタテイメント業界だけではないが、日比谷音楽祭として、今、ただ共に耐え忍ぶだけでなく、身近な彼らにできることがないかと、「少額でも補償する」試みを、4月20日からクラウドファンディングサービス「READYFOR」にてスタートした。
支援者募集を開始する新しいクラウドファンディングでは、日比谷音楽祭の本番に稼働することを予定していたセクション【ステージをつくり進行するスタッフ(舞台監督 / 音響 / 照明 / 楽器/ 道具 / 映像 / 特効 / トランスポート / 電源 / 録音 / ステージ制作 / カメラマン / ケータリングスタッフなど)、テントやブース、看板の施工、フードやワークショップ等の出店管理をするスタッフ、場内の運営、案内係や警備など】の約300名を対象として、達成額からリターンや手数料などの経費を差し引いたうえで、業務内容で差異をつけずに人数で割り、一人あたり1万円以上の補償金を用意することを目標とする。目標額を超えた支援があった場合は、1人あたりの補償額をさらに増やす予定。
なお、事前制作ですでに稼働済みの別セクションのスタッフに対しては、開催中止後も協賛を継続する一部の企業からの協賛金を使い、最低限の支払いを行う予定。
支援者全員に対し、お礼メールの送付、公式サイトに名前掲載(希望者のみ)をする他、コースによってさまざまなリターンを用意。デザインオフィスnendo監修【READYFOR限定】日比谷音楽祭 オリジナル手ぬぐいや、当プロジェクトの趣旨に賛同した協力企業からの贈り物(江崎グリコ、学研プラス、シュア・ジャパン、小豆島ヘルシーランド)、オンライン感謝イベント参加権、亀田誠治実行委員長とオンラインで対話をしながら私物のCDの中からお薦めの1枚をもらえる権利などが用意されている。
実行委員長 亀田誠治メッセージ
「日比谷音楽祭2020」は、新型コロナウイルスの感染拡大の中、来場するお客様、アーティスト、スタッフ、関係者の安全を第一に考え開催中止の判断をしました。
そして今、命を守るため、人々が集まるライブやコンサート、イベントの開催自粛が続いています。
そんな苦境の中でも、国内外でミュージシャンやアーティストは、SNSやネットなどを工夫して使いながら、音楽を届け、音楽を通じて人々にメッセージを送り続けています。
一方では、日比谷音楽祭をはじめ、全てのライブやコンサート、イベントは、多くのスタッフで作られているということを忘れてはいけません。日比谷音楽祭でも設営、音響、照明、楽器、当日の運営、警備からスタッフ弁当の手配まで、様々なスタッフがイベントを作り上げています。
そして今、彼らは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ライブやコンサートという仕事の場を奪われ、いまだかつてない苦境に立たされています。あたりまえのことですが、彼らスタッフがいなければ僕たちミュージシャンは音楽を奏でられません。そこで僕たちは、大きなことではないけれど、それでもせめて僕らの目の前にいる、僕らと一緒にイベントを作っていくはずだったスタッフに、僕たちの手でささやかでも補償をすることはできないかと考えました。
その結果、「開催中止で仕事を失ったスタッフへサポートを」という、クラウドファンディングを通じて、多くの方に音楽やエンテインメント業界を支える、さまざまなスタッフの存在を知ってもらい、彼らを応援してもらおうというプロジェクトを立ち上げることにしました。そして、この「みんなで支え合う」という試みがボーダーレスに広がり、音楽業界だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大によって苦境に立たされている、さまざまな仕事の人たちにとって「自分が愛する仕事を続けられる」きっかけになるといいなと思います。
そして、いつかまたアーティスト、スタッフ、お客さん、みんなが笑顔で集まり、ステージから何の不安もなく歓びの音楽が鳴り響く日常が戻ってくることを願っています。
みなさん、どうかご支援よろしくお願いします。