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DIR EN GREY、今年初となるシングル「落ちた事のある空」夏にデジタルリリース

アーティスト

DIR EN GREY 撮影:尾形隆夫

DIR EN GREYが、2020年の第1弾リリースとなるシングル「落ちた事のある空」を夏にデジタルリリースする。このバンドのシングルとしては、昨年9月に発売された通算30作「The World of Mercy」に続くものだ。

この事実が発表されたのは5月6日の夜のこと。そもそもこの時期、彼らは「TOUR20 疎外」と銘打ちながらの全国ツアーを実施しているはずだったが、新型コロナ禍により残念ながらその全日程が結果的に中止となっている。本来ならば同日は札幌公演が行なわれていたわけだが、このシングル発売が報じられたのは、まさしく同夜のライヴの終演頃にあたる時間帯のことだった。

DIR EN GREYはこのツアーの全面中止確定に伴い、5人のメンバー個々の考案によるセットリストに基づいたプレイリストを、自らのYouTube公式チャンネルを通じて5月2日から5夜連続で配信。あたかも5夜連続のライヴを疑似体験させるかのようなこの試みは、ファンの高い関心を集めながらSNSを賑わせ、ツイッターでも連日トレンド入りを果たしていた。その最終夜にあたる6日は京の選曲・構成によるプレイリストが配信され、その終了直後に画面上からこの朗報が届けられたのだった。

去る3月28日には、神奈川・横浜に新設されたKT Zepp Yokohamaにて無観客ライヴを敢行し、舞台裏でのインタビューなどとともにその模様を全世界に向けてリアルタイムで配信し、ワールドワイドな注目を集めていた彼らだが、今回もそれに続き、このバンドに共鳴する人々が、離れた場所に居ながらひとつの現実を共有することになったわけである。

ちなみにこのシングル発売情報については、本来ならば「TOUR20 疎外」のファイナル公演終了後に発表されることになっていたのだという。また、この件に加え、さらなる新情報が明らかになった。ふたたびYouTubeの公式チャンネルにて、今度は「DIR EN GREY LIVE ARCHIVE & SPECIAL TALK」と題されたスペシャル・プログラムが生配信されることが決定した。

この番組は二部構成によるもので、第一部にあたる「LIVE ARCHIVE」ではDIR EN GREYが選んだライヴ映像作品を1本セレクトして配信し、第二部の「SPECIAL TALK」ではメンバーが生出演し、トークを繰り広げることになる。文字通りの“ここだけの話”を堪能できるに違いない。配信日時などの詳細や出演メンバーについては近日中に発表予定とのこと。

こうしてライヴ活動がままならない状況下にはあっても、DIR EN GREYは確実に次の段階へと歩みを進めつつある。それを誰もが時差も疎外感もなく実感できるのは今日的テクノロジーの恩恵ともいえるわけだが、何よりもそれを可能にしているのは、バンドの揺るぎない意思であり、それを受け止める側の熱意だと解釈すべきだろう。さまざまな自粛を余儀なくされる日常ではあるが、そうした意思や熱意こそが明日に繋がっていくのだと信じたい。

それにしても「落ちた事のある空」とは、果たしてどのような曲なのか? 楽曲自体の素性についてはまったく明かされていないが、このバンドが結成当初から表現のテーマとしてきた“痛み”の要素が、意味深長さを匂わせるタイトルそのものからも、そこはかとなく伝わってくる。この曲にまつわるヒントも、前述の「DIR EN GREY LIVE ARCHIVE & SPECIAL TALK」のなかで提示されることになるのかもしれない。彼らの動向に、目を離さずにおきたいところだ。

文・増田勇一

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