YOSHIKI 生配信にて「数々のビッグプロジェクトを計画中」と示唆、インスタライブの視聴者も10万人超えを記録
YOSHIKIが5月30日、ニコニコ生放送とYouTube Internationalサブスクリプション内「YOSHIKI CHANNEL」にて、LAの自宅から5度目となる‟セルフ生配信”を行った。
この配信は、YOSHIKIが撮影準備から進行まで全て1人で行っており、有料にもかかわらず、USA、カナダ、ドイツ、ロシア、フィンランド、中国、台湾、韓国、フィリピン、マレーシア、タイ、ブラジル、アルゼンチンなど、世界各国のファンが視聴した。なお、YouTubeサブスクリプションに認定されているのは、ミュージシャンとしては世界でYOSHIKIだけである。
さらに、今回は配信の様子を別アングルから撮影したインスタライブも慣行し、視聴数は10万ビュー超を記録した。そして、ニコニコチャンネル、YouTube、Instagramという3つの配信を、1人で同時に操っていた事に、ファンならずとも視聴者の誰もが驚いた。
配信の冒頭では、YOSHIKIが住んでいるLAについて、基本的にはまだ外出禁止ではあるが、自粛の段階がステージ2に入り、レストランなどでは制限付きだが店内でも飲食できるようになってきた、と現状を報告。そして、現地で著名なスタジオを持つYOSHIKIは、‟録音時にマイクの前に立てるポップガードやヘッドフォンは持参する”など、レコーディングアカデミーが提案している新たなルールについても語った。
続いて、この5月で首の手術からちょうど3年経ったという事で、Instagramに投稿した過去の写真や動画を見ながら、当時を振り返った。そして、「左手の親指と人差し指は、今もずっと電気が流れているような痺れがある。でも指は動くし、ピアノも弾けるので、なるべく前向きに考えている。首を2回手術して、それでもまだドラムを叩いてるので、無謀だと周りに言われるけど、自分はそれなりの信念を持って音楽をやっているから」とYOSHIKIらしい笑顔で語った。
このタイミングで首の手術に言及した理由について、「自分は首の手術をして生活が変わってしまったけど、僕らが今後過ごすNew Normalの世界もある種同じかもしれない。ワクチンができるまでの間、この変わってしまった世界に対応していかなくてはならない。僕は手術後に一時歩けなくなったし呼吸も普通にはできなくなったけど、今はこうして音楽活動ができている。こんな人もいるんだということを知ってもらい、少しでもみんなを励ませればと思った」と述べた。音楽はもちろん、自身の人生を通じてリスナーに希望を与えるYOSHIKIの意志が顕著に表れている場面であった。
また、毎年恒例のディナーショーについては、当面の延期を発表。当初15公演が8月に決定していたが、コロナ感染拡大防止の為に自らキャンセルを決断した、との言葉にファンからは悲しみのコメントが寄せられた。
しかし現在、YOSHIKIは大きなプロジェクトをいくつも抱えており、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ…と、世界各地のスタッフチームと24/7で会議をしているとの事。膨大な量のミーティングで、「喋りすぎて口の筋肉が痛い(笑)」と冗談交じりに言った。
「エンターテインメントの世界は、これからが本当の戦いになる」と考えるYOSHIKIは、「成功すれば業界的にも新たな道が開けるような」実験的な計画もある様子。
「みんなの力になれるように、思い切った事をやってみる。失敗する可能性もあるけど、失敗を恐れたら何もできない」と語り、計画中のプロジェクトには「こんな事もやるの!?」というものもある、と明かした。
その1つを、次回の配信(6月20日)時に発表できそう、との事。みんなに希望を与えるような夢のある内容になるそうなので、楽しみに待とう。
今回の配信は、ファンの質問にYOSHIKIが答える形で進行。ファンからのコメントもできる限り拾っていたが、その中に、基本デザインの楽天カードユーザーが続々とYOSHIKIデザインに切り替えている事や、その変更の仕方をファンが説明したHPがいくつか存在する事も知り、驚きながらも感謝の気持ちを表した。
また、番組後半では、「触れるべきか迷った」とためらいながら、5月25日にアメリカのミネソタ州で起きた、白人警官による黒人男性への暴行致死事件について言及。「映像を見たが、あまりにも衝撃的で心が痛かった。“アメリカンドリーム”という言葉もあり、アメリカは世界中のあらゆる人種の方たちが集まってきている場所で、自分もその一人。音楽は世界の共通言語だから、自分はあまり壁を感じていないが、まだこういう現実が存在する事を目の当たりにしてショックを受けた。みんながいかに助け合っていけるかが大切。こんなに悲しい事件がもう起こらない事、そして彼の冥福を心から祈っています」と神妙な面持ちで語り、アメリカに30年近く住んでいる故の言葉の重さを感じさせた。
他にも、ファンからの質問では、「自粛生活で鬱にならないか?」「ポジティブに考えるには?」などのメンタル面の内容も多く寄せられた。それに対しては「正直言うと、鬱になる。今だけじゃなく子供の時から、鬱状態になる時がある。どうやってその状態と戦うか―僕は、芸術に向かう。日記のように毎日曲を書いて吐き出します」と、幼い時に自殺した父親の死について触れた上で、ファンを気遣い、自分なりの鬱との向き合い方を告白した。
加えて、「なるべく幸せな事を考える努力をする」と言い、自粛が続く現状も、「3月18日から2か月半、こんなに長い期間同じ場所にとどまってた事はなかった。こんな状況になって、今までのことがリセットされてるのかな、とも思う。今までやってきた事は、流されて何となくやってきたのか、本当にやりたくてやってきたのか―本当にやりたい事、すべき事は何なのか? 考える時間が与えられた気がする」と、良い方向に捉える努力をしていると語った。
そして、「パンデミックが起きたから僕らの生活が変わったのではなく、僕らの生活がパンデミックを起こしたのかもしれない、と逆転して考えたりもする。これだけ人々が国境を越えて移動する時代だからこそ、世界的なパンデミックに発展してしまったのかもしれない」との見解を示した。
「should have~,would have~,could have~…ああすればこうすれば良かった、は、一旦置いといて、これからどうすべきかを考えることが重要。今の状況を受け入れて、その中で可能性を探っていく。今だからできる事が絶対ある。僕はアーティストとして、‟New normal”で今まで当たり前だった事が出来なくなり、辛い思いをしてる皆さんを励ます立場でいようと努力している。皆がサポートしてくれたから、まだ自分も頑張っていられる。そして何らかの理由でまだ生きている。きっとそれは今のような辛い時に、皆を励ます使命があるからなんだろうな、と思っている」と、強い決意で締めくくった。