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シド明希のソロプロジェクト・AKi、無観客生配信ライブ「Live Stream #02 -Collapsed Land-」のレポート到着

アーティスト

Photo by 上原俊

8月15日 東京・SHIBUYA CLUB QUATTROにて、AKiの無観客生配信ライブ「AKi 2020『Live Stream #02 -Collapsed Land-』」が開催された。

本来、6月にリリースされた最新アルバム「Collapsed Land」を掲げ、7月より始まる全国9カ所10公演のリリースツアーの開催を予定していたAKi。新型コロナウイルスの影響で全公演が延期となってしまった、幻のツアーを配信という形で実現すべく、ファイナル公演が開催される予定だった8月15日SHIBUYA CLUB QUATTROにて、ツアー初日にしてファイナルとなる生配信ライブを実施。生でのライブ観戦こそ叶わなかったが、ツアーを心待ちにしていたファンを歓喜させた。

7月26日Thunder Snake ATSUGIにて行った「AKi 2020『Live Stream #01 -Defeat COVID-19-』」に続く2度目の開催となったAKiの配信ライブ。“全員が最前列”と語る、最高の音質かつ臨場感ある歌とサウンド、AKiのダイナミックなパフォーマンスからふとした表情や鼓動まで間近に感じられる生の映像。さらにコメントを通じたAKiとのコミュニケーションやファン同士の一体感など、配信ライブならではの楽しさや興奮をすでに体感しているため、開演前から高ぶる気持ちが抑えられない視聴者。「明希明希明希!」と絶えずコメントが飛び交う中、画面が切り替わってSEが鳴り青白い照明に包まれたステージ風景が映る。

バンドメンバーに続いてステージにゆっくり登場したAKiがベースを背負うと、ドラムカウントからアルバム「Collapsed Land」の1曲目「Collapsing」でライブが始まる。派手なイントロから、ゆったりと力強く曲が展開すると、モノクロの映像演出も効果的に使用され、観る者を楽曲の世界観が包み込む。そしてこのままアルバムの世界へと深く突入していくかと思いきや、高らかな吠声で始まった曲は「The Inside War」。さらに「のっけから飛ばして行くぜ!」とAKiが叫び始まった「Brave New World」と盛り上がり必死の熱いライブチューンが続き、アグレッシブな演奏に立ち込む熱気がモニタ越しに伝わってくる。画面上のファンも「ヴォイ!ヴォイ!ヴォイ!」とコメントで熱狂ぶりを表現すると、気持ちを受け取ったAKiが「みんながここにいるように感じてます」と笑顔を見せる。

MCで「このツアー、こういう形でもやりきろうと思ってるし。来年に繋げる超大切なライブです。最後まで見届けてください!」と2021年に延期となったツアーについて語ると、「Monolith」「共犯」とアルバム収録の新曲が続き、スリリングな演奏と色気たっぷりの歌声で聴かせた「共犯」では、アルバムでゲスト参加した河村隆一のコーラスが同期で重なる。すると楽曲演奏後、「楽しんでるかな?」とサプライズで流れてきたビデオコメントに映っていたのは河村隆一!「本当はステージに飛び出したかったところですが……」と生出演を企てていたことを語ったり、「AKiは何より歌が良い。ベーシストなのに、こんなに歌えるんだとビックリした」とAKiのヴォーカルを絶賛したりと、嬉しいコメントに動揺が隠せないAKi。「すげぇ! このVTR、絶対ください!!」と興奮し、「共犯」で河村隆一にコーラスをお願いした経緯を語ると、「LUNA SEAファンとしてすごく良い人生だと思います」と感謝と喜びを告げる。

続いて、幻想的な光の映像演出、デジタルとアコースティックの融合サウンドに乗せた美しく切ないファルセットで空気を変えた「SCREAM」、壮大なバンドサウンドにタフなベースと透明感ある歌声が映える「Diminish」と視聴者を再びアルバム世界へと誘うと、「新しい映像演出も楽しんでるかな? こういう新しい試みを試していくというのは、どんな状況でも変わらないと思うんで」と配信ライブならではの楽しさを語ったAKi。前回同様、画面上のコメントを通じてリクエストを募るという、これまた配信ならではの演出で視聴者とのコミュニケーションを楽しむと、リクエストに答えて「Skyfall」「tonight.」とバラード曲を続けて披露。「tonight 君に歌おう」と画面の前の君にダイレクトに想いを届けるように、カメラ目線で心を込めて歌った「tonight.」を終えると、「みんなでライブを作ってるようで、そばに感じられて嬉しいです」と優しく語りかける。普段のライブでは感じることの出来ない、この距離感の近さも配信ライブの醍醐味だろう。

ライブはいよいよ終盤戦。「ここからは「Collapsed Land」の真骨頂。ついてこれますか?」と気合いを入れると、ヘヴィなベースソロが印象的だった「Silly」、AKiの「拳上げて俺とやり合おうぜ!」の挑発に熱気の上がる超満員のフロアが見えた「ミッドナイト/狂騒/DARLING:」、高速道路の光が重なる演出が疾走感ある曲調に拍車をかけた「All Through The Night」と激しい曲を畳み込み、「異常とも言える夏の暑さにピッタリの曲をやります。俺たちと一緒に夏感じようぜ! タオルぶん回そうぜ!」と始まったのは「狂奏夏」。AKiの煽りに画面の前で各々が思いのままに叫び、掛け声合わせてタオルを回して暑い夏の夜に熱風を巻き起こしたであろうこの曲。AKiを含むそれぞれのメンバーが思い切り楽しんで演奏するバンドのグルーヴも抜群で、配信ながらこの日の最高温度を叩き出す。

MCでは、新しいアルバムを作って新曲を披露できることの喜び、応援してくれるファンへの感謝、音楽への想いやシドへの想いを真摯に語ったAKi。「今日、この瞬間を最愛のみんなと過ごせたことに感謝を込めて」と、本編ラストとなる「My Love」を披露。温かみあるサウンドに感情をたっぷり乗せて、愛しい君に優しく語りかけるように丁寧に歌い紡いだこの曲。モノクロの映像に歌詞を乗せた映像演出は映画のように美しく、アルバム楽曲たちを軸に物語を描いていったこの日のライブのラストに相応しいエンディングとなった。

アンコールでは「どんな形でも音楽を止めないって気持ちに答えてくれてありがとう。君たちと俺のSTORYは絶対に終わらないから」と前向きなメッセージを送ると、「Collapsed Land」収録のこの日まだ披露していなかった曲「STORY」を熱演。カメラを見据えて真っ直ぐに力強く届ける渾身の歌と演奏に、画面が掛け声と拳マークで埋まり一体感が生まれる。全ての演奏を終え、「ありがとう、ライブ後のみんなのいい顔が見えてます」と笑顔を見せるAKi。「こんなにみんなを近くに感じたライブは無いかも知れない」と語ったように、厚木の配信ライブと比べても、双方の距離感が間違いなく近くなっているのを感じたことに驚いたし、これがどんな形でも音楽を止めずに新しいことに果敢にチャレンジしてきたことのひとつの結果であり、証なのだろうと思った。ニコニコ生放送、イマチケの各プラットフォームにてアーカイブの視聴が可能なので見逃した人は是非この感動を味わってもらいたい。

アンコール時には5月に予定されていた対バンイベント、来年に延期されたツアーを調整中であることを報告していたAKi。どうせダメだって嘆くことなく、夢を描き続けた先には必ず輝くストーリーが待っている。配信ライブを通じて、AKiが届けてくれたポジティブなメッセージを信じ受け止め、ライブハウスで再開できる日を心待ちにしよう。

Text by フジジュン

SET LIST

01.Collapsing
02.The Inside War
03.Brave New World
04.Monolith
05.共犯
06.SCREAM
07.Diminish
08.Skyfall
09.tonight.
10.Silly
11.ミッドナイト/狂騒/DARLING:
12.All Through The Night
13.狂奏夏
14.My Love
En01. STORY

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